『メタルギア ソリッド V ファントムペイン』2日間プレイして堪能、これぞ次世代の『メタルギア』、これぞ次世代の潜入だ!

『メタルギア』シリーズ最新作『メタルギア ソリッド V ファントムペイン』。プレビューイベントでその一部をプレイしてきた。

 『メタルギア』シリーズ最新作『メタルギア ソリッド V ファントムペイン』(以下、『MGSV:TPP』)。E3を前に先月ロサンゼルスで行われたプレビューイベントでその一部をプレイしてきたので、その内容をお伝えしよう。

 今年9月2日の発売(プラットフォームはPS4/PS3/XB One/XB 360/PC)に向けて、開発の最終段階に入っていると思われる本作。ゲームは一部分を切り取った“E3デモ”のような形ではなく、オープニングから本編まで普通にプレイ可能で、しかも朝から夕方まで2日間みっちりプレイしても終わりが見えない、出し惜しみしない内容だった!

 本作は、『メタルギア ソリッド ピースウォーカー』(以下、『MGSPW』)から初代『メタルギア』へのミッシングリンクを埋めて、ザ・ボス→ネイキッド・スネーク/ビッグボス→ソリッド・スネーク→雷電へと連なっていく意思の物語を完成させる、物語的にも集大成となりうる作品だ。
 だから最初に言っておこう。2日間遊んだ限り、本作はまさにそれにふさわしい出来であり、真の次世代の『メタルギア』と言うべき「次世代の潜入」が実現されていた。

●『MGS1』級の革命、真のオープンワールドでサンドボックスな潜入

 ゲームの基本は、本作のプロローグである『メタルギア ソリッド V グラウンド・ゼロズ』(以下、『MGSV:GZ』)の延長線上の、戦場を舞台にしたオープンワールドのステルスアクションゲーム。スネークはマザーベースからヘリで出撃し、潜入調査・破壊工作・暗殺などなど、さまざまなミッションに挑んでいく。『MGSV:GZ』を遊んだ人ならご存知の通り、目標地点にたどり着いて作戦を行い、ミッションの目的を達成したら安全な場所へと離脱すればクリアーだ。

 しかし本作のフィールドはメチャ広い。キューバの米軍基地ひとつだけが舞台だった『MGSV:GZ』とは話が違う。今となれば、あれは『MGSV』の方向性を最小限の構成で見せるコンセプト的なマップでしかなかったのがよくわかる。

 オープンワールドなので侵入経路がある限りどこからでも攻略可能。『MGSV:GZ』でもいろんな方角から攻めることができたけど、『MGSV:TPP』ではああいった基地や敵拠点に向かうところから、もう自由だったりする(ただし、切り立った山に囲まれていたりしてルートが制限されていることもある)。もちろん目的達成の方法、クリアー後の離脱方法も、装備やバディ次第でいろんなやり方を取れる。昨年のTGSのデモのフリーダムな感じがどこまでも続いていると想像してみて欲しい。

 状況を分析して、どうやるかは自分で選べるというのは気持ちいい。例えば「会議に集まったソ連軍の将校たちを排除する」というミッションなら、会議場所の警備を掻い潜って潜入してみるもヨシ、見晴らしのいい場所で監視し、解散して四輪駆動車で帰る所を途中で襲撃するもヨシ、拠点まで1キロ以上クルマや馬で追っかけて、建物から顔を出した所を外から狙撃してもいい。途中で別のアイデアが浮かべば補給要請で必要な物資を投下してもらえばいいし、バディを交代するという手もアリ。

 縛りプレイが好きな人なんかは、むしろ自由だからこそ、腕と発想の見せ所。舞台設定とツールを用意して、与えられたツールをどう使うかをプレイヤーに任せるゲームスタイルを砂場遊びに見立てて“サンドボックス”と呼ぶんだけど、要するに本作はそんな「オープンワールドでサンドボックス」なステルスゲームなんである! 

 これはもう、2Dの潜入から3Dの潜入になった『MGS1』級の出来事だ。というのも、『メタルギア』シリーズ(というかステルスゲーム)は基本的に、1マップずつ細かく練ったレベルデザイン(マップ構造や敵の配置の設計)を軸に発展してきたけど、大きなオープンワールドは本来その対極にあるもの。家を作るのと街を作るのぐらい違う話だ。

 まぁそんなことはこれまでのTGSやE3でのデモを見てとっくにご存知という人もいると思うが、あれがデモ用のエリアだけのことじゃなく、本当にあの通りのゲームになっているのは脱帽するしかない。マップやミッションの作りがすごくいい感じで、緩い所は緩く、締める所は締めているのだ。次はその話をしよう。

●『MGS3』の世界が広がった感覚と『MGSPW』の横幅の広さ

 プロローグを終えて最初にプレイするのはアフガニスタンの紛争地帯なのだが、このマップだけでも十分に大きく、馬(D-horse)だけで移動するのは嫌なレベル。だからミッションの際には、ヘリで最寄りのランディングゾーン(降下地点)に向かうのが基本だ。
 そこから警備が厳しくなるあたりまでは馬に乗ったり、ミッションでゲットするヒューイの開発した小型二足歩行兵器ウォーカーギア(D-Walker)に乗って行ったりするわけだけど(どちらもバディ扱いで装備のカスタマイズ要素アリ)、この荒野の移動が全然まったくもってヒマじゃない。

▲ミッションを進めると手に入るウォーカーギア。地表を滑るような高速移動モードがあり、サイレンサー付き麻酔銃も使えるスグレモノ。

 寄り道して道中でダイアモンドを拾ったり、アイテムの素材となる植物を採集したり、発見した動物をフルトン回収したり、ゲットしたテープをここぞとばかりに聞きながらパカパカ進んだり、マザーベースに指示を出してスタッフ達に仕事をさせたり、開発したアイテムを届けさせたり……と、できることが無限にあって、移動時間がまったく無駄にならない。これらのサブ要素は『MGSPW』の発展形の内容だけど、あのプレイの幅広さが見事にハマっている。

 またミッションの目標地点はすべてが開けた場所にあるわけではなく、山奥の施設や遺跡に合わせて作られた基地では(内部のルートは比較的自由なものの)進入路が制限されていることもあったりして、警備網の中を何百メートルも進まなければならないこともある。警備が何十人もいたりして、これは正直メチャクチャプレッシャーがかかる。古き良きスニーキングミッションの緊張だ!

 このように、出撃→道中(緩め)→軽めのミッション(少し緊張)→脱出して再び道中(緩め)→奥地のミッション(緊張)という緩急がついて、プレイが連続しても飽きさせない。要するにオープンワールドゲームとしてすごく理に適っているし、ちゃんといい出来なんである! これは『MGS3』で、それまでの屋内や人工建造物の潜入に加えて、ジャングルでの潜入が導入された時の感覚を思い出した。

▲開けた場所では地形的に有利な位置取りをし、自分でルートを見つけ出す。建物に用がある時に、正面から入らなければいけないこっちゃないのだ。

 さて、そんな戦場で挑むミッションにはメインミッションとサイドクエスト的なSide Opsがあり、基本的にはメインミッションをプレイすることでストーリーが進んでいくという、こちらも『MGSPW』の発展形。
 Side Opsはおまけというわけではなく、中には「ただのSide Opsかと思ったら実は……」なんて罠があったり、Side Opsで現地語の通訳を確保することで敵兵士の言語がわかる様になり、情報を聞き出せたり、兵器の設計図を手に入れられたりもするし、本編に大きく関わってくるので、早解き派でもなければ絶対にプレイ推奨。もちろんSide Opsのついでに能力高めの兵士をフルトン回収したりもできる(メインミッションだけでやりくりできないこともないと思うが、いつもフルトン回収しやすい構成の設計とは限らないので、Side Opsも含めて人材ゲットした方が楽)。

▲ヘリは空中指令室ともなる。近くにSide Opsがあれば戻らずに連チャンでプレイするのもいいが、次のメインミッションの目的地が遠い時は最寄りのランディングゾーンに呼んで乗っていこう。

 で、メインミッションは『MGSV:GZ』同様、ミッションをクリアーするごとにスタッフロールとちょっとしたエピローグが入る、海外ドラマの1エピソードをイメージしたかのような形式で、Side Opsの場合ホットゾーンを離脱すれば終了となるんだけど、どちらもマザーベースまで戻る必要はない。ヘリで離脱した場合は、ヘリ自体が空中指令室(Air Command Center(ACC))となっていて、ここからミッションを受けられるし、持っていく装備品、バディ、車両、スネーク以外のキャラクターも選択可能。ミッションを連続して遊べるのだ。これはもう、時間泥棒。正直ずっとやれちゃう奴だ。

▲どんな組み合わせをするかはプレイヤー次第。途中でプランが変わったとしても、補給を要請して変えればいい。合理的! ちなみに麻酔銃などのサイレンサーには耐久度があるので、ぶっ壊れる前に安全な場所で補給を要請するといいだろう。

 さっき出した例をさらに拡大すると、「出撃→馬で移動→動物回収→尾行系Side Ops(通訳ゲット)→ヘリを呼ばず隣のエリアのSide Opsを選択→テープ聞きながら馬で移動→ロケットランチャーを配達させる→破壊系のSide Opsをサクッとクリアー→次が遠いので一回最寄りのランディングゾーンへ→ついでにマザーベースに指示を出す→ヘリで移動→メインミッション開始→やっぱり馬を帰してクワイエット召喚→うまく進んだが、施設内に入る前に麻酔銃のサイレンサーと弾がヤバいので補給要請→そして……→いい感じにひと段落したので一旦マザーベースに帰ってシャワー浴びるか!」(長い)といった具合に延々と遊べてしまうのだ(ああそうそう、マザーベースの簡易シャワーボックスに入ると、戦いで血まみれになったのを落とせる)。

▲マザーベースはマジ我が家。汚れたら帰ってシャワーでサッパリするのもいいかもしれない。

 そしてさらに、マップはアフガニスタンだけじゃない。アンゴラ・ザイール国境地帯は、時折強いスコールが降るジャングル地帯。もちろん使用言語が異なるので新たな通訳役を確保する必要があるし、時折砂嵐がやってくるアフガンとは気候も風土も異なり、戦術や欲しい装備も変わってくる。
 本作の方向性から想像がつく人も多いと思うけど、アンゴラ・ザイール国境地帯に進んでも、アフガニスタンに戻ってプレイすることも可能。エンディングまでずっとそうかどうかはわからないけど、「まだSide Opsとかやり残してるからメイン進めるのやめとこ」とか余計な気兼ねをせず、好きなように進められるのはありがたい。

▲何やら計画を進めているらしいスカルフェイス。スネークは彼らを追う形で世界各地の紛争地帯を巡っていく。

●『MGS4』が本来そうあるべきだった、ド派手な演出とアクションの融合

 と、スゲーいい感じに仕上がっているんだけども、ここまでの説明ではまだただのステルスゲームとしての良さであって、『MGS』ならではの部分が足りない。そう、『MGS』はメタルギアをはじめとする超兵器や、ボス級のブッ飛んだ異能力者たちと戦うゲームだ。その辺はちゃんとオープンワールドのサンドボックススタイルで実現できているのか?

▲クワイエットは最初は敵として登場するので、その扱いについてはカズとオセロットで意見が割れる。

 『MGSV:GZ』で確認できなかった部分なので、個人的に心配していたんだけど、そういった部分もちゃんといい感じに出てくる。広大なフィールドを超高速に移動してポジションを変えながら狙撃してくる敵と戦ったし、巨大な二足歩行兵器とも交戦。ゾンビのようなしぶとさを持ち、高速移動能力で移動しながら集団でこちらを追い詰めてくる謎の部隊に襲撃されたことも一度だけじゃない。
 グラフィックがリアルになってオープンワールドになったことで、なんか現実との地続き感が出てきたけど、そういう異形の存在は異形の存在として、ちゃんと登場するのだ。進入路・退路を制限して強制的に遭遇させたりするテクを使い、サンドボックスの中に『MGS』らしいスペシャルな異次元空間を作り出していて、だからこそ異常さが際立って最初は本当に焦りまくる。

▲スカルフェイスや燃える男と行動をともにしている赤髪の人物。行く先々に出てくるものの、直接対決まではたどり着けず。目を疑うような能力を持つ敵も多いのだが、現実なのか、それともスネークの頭部に残った破片が見せる幻影なのか……。

 しかも『MGSV:TPP』のオープニングのステージはもっと極端な作りで、カットシーンとゲーム部分とが継ぎ目なく融合。
 『MGS4』であったような、(後に『メタルギア ライジング リベンジェンス』として実現する雷電のバトルとか)凝った演出のプリレンダームービーとゲーム部分が完全に切り離されているような作りじゃなく、ゲーム部分→カメラのカットがそのまま変わってリアルタイムカットシーン→ゲーム部分に復帰という構成で見せていたり、ゲーム部分のまま(これまではプリレンダームービーじゃないとできなかったような)ド派手なクラッシュや爆発が起きたり、FOX Engineで可能になった「『MGS4』の先の演出」を実現している。
 「いやーぶっ飛んだ演出だわ」って思っているとそのままゲーム部分に突入したりする、そういうゲームなんである。

▲燃える男&燃える馬! マジでこのコンビに追われる。

●『MGO』については続報に期待

 その他にも気になった部分を挙げていくとキリがない。右肩やヘリ側面・マザーベース壁面などに反映されるエンブレムを作れたり(デザインのパーツがミッションを通じて手に入ることも)、マザーベースに帰るとたまに実際の1980年代の曲(デッド・オア・アライブの「ユー・スピン・ミー・ラウンド」とか)がかかっていたり、とあるミッションで拾ったテープを聞き直したら腹を下しているらしい男のうめき声が収録されていたり。復讐の話であるためストーリーのトーンは全体的にシリアスだが、もちろん『メタルギア』らしいユーモアもそこかしこに出てくる。

 まぁそんな感じに、本作はとてつもなく巨大で、かつ遊びの幅があるゲームだ。今回のプレビューイベントではオンライン部分である『メタルギア オンライン』については明かされなかったが、こちらは今後の続報で新情報を公開予定とのこと。



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