「『TES V: Skyrim』で導入するのは適切ではなかった」
4月24日にSteamで発表された、Modの有料販売システム。Valveがユーザーコミュニティからの反対を受け、対応第1弾として導入したベセスダ・ソフトワークスのオープンワールドRPG『The Elder Scrolls V: Skyrim』での導入を撤回することを発表した。購入者には返金が行われる。
決定はベセスダ・ソフトワークスとの合意によって行われたもので、声明文では、これまでコンテンツクリエイターが報酬を受け取れるようにする仕組みを導入してきた中で、今回は判断を誤ったと説明。
有料Mod販売によってModder(Mod開発者)がそれを仕事としたり、よりこまめなサポートを可能にし、『Dota』、『カウンターストライク』、『DayZ』、『Killing Floor』といったModから始まったタイトルのように成功するのを助けたかったと意図を語る一方、今回の施策は過去に『チームフォートレス2』などの自社タイトルで行ってきた場合と利益分配のモデルが異なるうえ、すでに何年も成熟しているSkyrimコミュニティを導入の場とするのは適切ではなかったと述べている。
導入の発表後、「Modは無料であるべき」といった反対意見を中心に、Modderの収益が販売額の25%に過ぎない点が糾弾されたり、逆に『カウンターストライク』など多くのタイトルがModから有料化されて大きな市場を築いてきた点が指摘されるなど、活発な議論が交わされてきた。
しかし、廃止を求める署名が13万人を超えたほか、Skyrimの販売ページに抗議運動として低評価レビューが大量に投稿され続けるといった事態に発展しているため、撤回を決定した模様だ。
なお、Mod販売のページ自体は4月28日現在も存在しており、声明文のタイトルもあくまで「(Modを統括する)Skyrim Workshopから購入機能を削除」という趣旨に留まっているため、価格や仕組みを調整して別のタイトルで再度試験導入する可能性もある。