世界を構築する神々が解説
2015年4月25日、26日に千葉・幕張メッセにて開催されているニコニコ超会議2015に『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』(以下、『FFXIV』)が出展。6月23日に発売を控えた『蒼天のイシュガルド』をテーマとするステージの一環として、同作の世界設定を担当するスタッフが登壇。拡張パッケージの舞台となる都市国家イシュガルドを解説した。
ステージイベント“世界設定班がイシュガルドを超解説してみた”に登場したのは、『FFXIV』のメインシナリオライターの前廣和豊氏、世界設定担当の織田万里氏、ローカライズ・リードのマイケル・クリストファー・コージ・フォックス氏の3人。『FFXIV』の謎に満ちたストーリーを作り上げている現場の人であり、いわばエオルゼア創造の神々が、『蒼天のイシュガルド』の物語をより深く楽しむために基礎知識を解説したのだ。
『蒼天のイシュガルド』のストーリーの一端が明らかに!
今回のテーマは、新たな冒険の舞台となる都市国家イシュガルドとその周辺エリアについて。皇都やフィールドにおけるストーリー上の特徴を、先日公開されたウォークスルー動画をもとに解説していった。
以下にその模様をダイジェストで紹介していく。なお『蒼天のイシュガルド』の新規エリアは、ほかにも存在する可能性が高い。これらが“行ける場所のすべて”ではないことをご承知願いたい。
新規エリア解説その1:皇都イシュガルド
『蒼天のイシュガルド』で最初に訪れることになる都市国家。長らく他国との関係と断ってきたが、情勢が急変したため、冒険者たちの皇都への立ち入りが許可されたのだ。
◆(イシュガルドという都市が発表されてから)すでに6年が経った。皇都の設定は『旧FFXIV』時代から存在したが、当時のものと比較すると似ているようで似ていない。じつは以前は、決闘士や羊飼いのようなクラスが用意されていた。(マイケル氏)
◆クラスとして実装されなかったものもあるが、決闘士という単語をキーワードに“決闘裁判所”のようなものを作ったりしている。そうした日の目を見なかった要素については、設定面で『蒼天のイシュガルド』に活かしている。(織田氏)
◆とくに下層はドラゴン族が侵入して(施設などを)攻撃した痕跡が見られるなど、戦争を行っている国というイメージが強調されている。(織田氏)
◆一方で上層は貴族が住んでいるので、きらびやかな建物が並ぶ。(前廣氏)
◆都市民はイシュガルド正教を奉じているため、力を持っている。上層は協会や大聖堂などの宗教建築が多い。(織田氏)
新規エリア解説その2:クルザス西部高地
見渡す限りの氷の世界。『旧FFXIV』に登場した地域だが、バハムートが引き起こした第七霊災によって当時とはまったく異なるフィールドに変わった。
◆スノークローク大氷壁のどこかに、クルザス西部高地側に通じる道がグラフィック上ですでに表現されている。(織田氏)
◆『蒼天のイシュガルド』の新エリアで最初に地名を考えたのが、クルザス西部高地。張り切って制作したため地名が予想以上に増えてしまい、半分くらいカットすることになった。(マイケル氏)
◆“幸せ”と名づけた理由は、「今週は“幸せ”が100ポイント足りない」と言ってみたかったから(笑)。(前廣氏)
◆前廣から“幸せ”という名称を提案されて、「どうもこうもない」と却下した(笑)。(織田氏)
新規エリア解説その3:高地ドラヴァニアと低地ドラヴァニア
高地ドラヴァニアは木々が生い茂る密林。クルザス西部高地よりもさらに西に位置する場所だ。ソウム・アルと呼ばれる、エオルゼアでいちばん標高の高い山が存在。なおソウム・アルはドラゴン語での呼び名。
◆ドラゴン語は6年前に作った。ドラゴン族は何千~何万年も生きているので、その歴史の中で彼らの言語はどう変化していったのかを重視した。長い単語が存在しなかったり、ひとつの言葉につき10~20パターンの意味があるといった設定は、そういう部分から導き出した。またドラゴン族は(歴史が長いため)過去があってこその現在という考えかたを重視しているので、過去形と現在形の表記はすべて同じになっている。(マイケル氏)
一方で低地ドラヴァニアは水が豊かなフィールド。山から流れ出た水が川を形作り、エリア中央を貫いている。遺跡の多い地域で、シャーレアンという都市がかつて存在していた。
◆シャーレアンは知恵や哲学がメインの場所なので、ギリシャ語を意識した地名になっている。(マイケル氏)
◆建築様式もギリシャ寄りに設計されている。シャーレアンの人たちが住んでいたため、このエリアにはドラゴン族が来ていない。(織田氏)
新規エリア解説その4:ドラヴァニア雲海
高地ドラヴァニアにそびえる高い山の、さらに上空にある世界。なぜこのような場所に遺跡のようなものがあるのかという部分が物語に深く関わってくる。ドラゴン族が無数に棲息する危険地帯だ。
◆ドラゴン族の真の拠点と言ってもいいエリア。(前廣氏)
◆七大天竜が『蒼天のイシュガルド』から始まるストーリーに大きく関わってくる。(前廣氏)
◆いちばん上に描かれているのが、世界最初のドラゴンであるミドガルズオルム。その子どもが七大天竜で、すごい力を持っている。七大天竜の1体のニーズヘッグは、すでに竜騎士のジョブクエストで関わってきている。ニーズヘッグ以外の6体が物語にどう関わってくるのかを注目してほしい。(織田氏)
◆アウラ族はデビルをイメージして作られている。悪魔から着想を得てデザインしたものなので、ドラゴン族とは無関係。この種族で皇都イシュガルドに入った際に、(ドラゴン族に似ていることが理由で)都市民から迫害を受けるようなことはない。(織田氏)
新規エリア解説その5:アバラシア雲海
アバラシア地方はイシュガルドの東側に位置するエリア。雲海と名づけられているとおり、こちらも上空に浮かぶフィールドだ。高低差の激しいエリアになっており、フライングマウントを活用することで到達できる場所も多い。
◆新種族のバヌバヌ族は、このアバラシア雲海で暮らしている。(前廣氏)
◆フィールド作りの手順は、世界設定班の側が文書でエリアやランドマーク的な建物を提案。それをもとに、BGチームのスタッフがアイデアを広げるという流れ。世界設定班が指示していない部分にBGチームのこだわりが入ってくるため、我々の知らないあいだにすごいものが仕上がってくる。このためBGチームが仕上げた物から着想を得て、ストーリーに取り入れた要素もある。(織田氏)
新規エリア解説その6:???
エリア解説の最後に公開されたのが、下の1枚の写真。
◆ぶっちゃけると魔大陸(笑)。ここにも広大なフィールドが存在し、しっかりとした冒険が用意されている。(前廣氏)
◆このエリアの命名作業を行った結果、なぜか遺伝子組み換え技術についてかなり詳しくなった(笑)。(マイケル氏)
◆4月27日に公開されるベンチマークソフトで楽しめるムービーの中に、“映ってはいけないもの”が入り込んでいる。気がついて修正を依頼したときには、すでに締め切られてしまっていた。(前廣氏)