『スターオーシャン5 Integrity and Faithlessness』キーマン3人にインタビュー! シームレスに進化した『SO』の見どころとは

『スターオーシャン5』の開発に関わるSQEX プロデューサー小林秀一氏、トライエース ディレクター小川 浩氏、トライエース シリーズメインコンセプター五反田 義治氏のインタビューをお届け。

 先日電撃発表された、スクウェア・エニックスのプレイステーション4/プレイステーション3用ソフト『スターオーシャン5 Integrity and Faithlessness(インテグリティ アンド フェイスレスネス)』(発売日、価格未定)。長く沈黙を保っていた『スターオーシャン』(以下、『SO』シリーズ)の新たな展開に、多くのRPGファンが胸を躍らせたことだろう。

 ここでは、本作のキーマン3人のインタビューをお届け。『SO5』の世界観とキャラクターや、“シームレス”がカギとなるシステムなどについて、たっぷりと語っていただいた。
※本記事は、週刊ファミ通2015年4月30日に掲載されたインタビューに、加筆・修正を行った完全版です。
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写真左
スクウェア・エニックス プロデューサー
小林 秀一氏 Syuichi Kobayashi
スターオーシャン』シリーズ、『ヴァルキリープロファイル』シリーズ、『ラジアータ ストーリーズ』の宣伝プロデューサー、『インフィニット アンディスカバリー』のビジネスプロデューサーなどを手掛けた。

写真中央
トライエース ディレクター
小川 浩氏 Hiroshi Ogawa
ヴァルキリープロファイル』ではプランナー、『スターオーシャン3 Till the End of Time』ではメインプランナーを、ほかには『インフィニット アンディスカバリー』ディレクターなどを務めている。

写真右
トライエース シリーズメインコンセプター
五反田 義治氏 Yoshiharu Gotanda
トライエース代表取締役社長であり、R&Dリードプログラマー。代表作は『スターオーシャン』シリーズ、『ヴァルキリープロファイル』シリーズなど多数。

●6年ぶりに動き出したファン待望の最新作

――前作『SO4』の発売から6年が経過したいま、ついに再始動となりましたね。

五反田 最新作の話は何度かあったのですが、なかなか開発まで進まなかったんです。2013年に、小林さんが「やろう」と声をかけてくれて、本格的に動き出せました。

小林 僕自身も、『SO』シリーズの最新作をずっと作りたいと思っていました。ただ、僕はもともとマーケティング担当だったので、誰かやってくれないかなって思っていたのですが……(笑)。ですので、僕が企画を立ち上げてしまおう、と思いました。僕の人生を『SO』に懸ける思いで部署異動を行い、プロデューサーを担当しています。

――部署異動を決意するほど、『SO』シリーズへの情熱を強くお持ちだったのですね。

小林 そうなんです。別の会社にいたときに『SO2』にハマッてしまって。旧エニックス入社後は、『スターオーシャン ブルースフィア』の終盤から宣伝を担当するようになったのですが、きっちり関わった『SO3』はとくに思い入れがありますね。ですから今回、『SO3』の開発に携わっていた五反田さんと小川さんが参加してくれたのがすごくうれしくて。自分にとっての『SO』の本道は『SO3』なんです。だから『SO5』には、『SO3』のエッセンスを色濃く取り入れたかったんです。

――『SO』シリーズの生みの親である、五反田さんが参加されるのは自然な流れだと思いますが、小川さんが参加された経緯は?

五反田 小川は、『SO2』と『SO3』の開発に携わっていたので、声をかけました。

小川 『SO4』開発当時の僕は、『インフィニット アンディスカバリー』の開発チームにいたので、今回は久しぶりですね。

――まず、『SO5』のお話をうかがう前に、皆さんが考えられている『SO』らしさとは何か、教えていただけますでしょうか。

五反田 やっぱり、バトルと世界観かなぁ。

小林 そうですね。多くの人が感じる『SO』らしさと言えば、五反田さんがおっしゃったように、SFとファンタジーが融合した世界。そして、爽快なアクションバトルではないでしょうか。ただ、僕の中での『SO』は歴史モノなんですよね。『SO』のように、シリーズで壮大な歴史を描いているRPGは少ないと思います。

――『SO4』は宇宙歴10年、『SO3』は宇宙歴772年のお話と、同じ世界でも、かなり時代が離れた出来事が描かれていますよね。

小林 じつは僕は、「五反田さんが『SO』シリーズでやりたいことは、『SO4』までである程度終わったのかな」と思っていたんです。もともと『SO1』から『SO3』までが三部作だと言われていて、『SO4』はその三部作の前の出来事を描く、“エピソード0”のようなお話だったので。ですので、つぎに作る新作は、「『SO』というタイトルのまま、違う世界観で作りませんか」と五反田さんに伝えました。「『SO』は僕の中でも思い入れがあるので是非」と言われ、よっしゃっ!! とガッツポーズをとったのを鮮明に覚えています。後日、五反田さんが企画書とともに「宇宙歴537年の話をやりたい」と言われて、驚くとともにときめきました。「そのほうが、より『SO』らしいものになる」とも思いましたし。これまで登場したことがない惑星が舞台というのも魅力的でした。『SO』は、宇宙の広がりが無限であるように、物語としても可能性が無限にあるタイトルだと思います。

――小川さんは、『SO』らしさとはどのようなものだと考えていますか?

小川 『SO』シリーズは、お客さんが気持ちよく遊べるタイトルであるべきだと思っています。シリーズは、一貫してアクションバトルを採用していますが、決してアクションゲームではありません。『SO5』でも、プレイヤースキルに依存しない形で気持ちよくプレイしてもらい、世界観やキャラクターを楽しんでもらえるように開発しています。

●サブタイトルに込めたさまざまな意味

▲“Integrity”は“誠実さ、清廉さ”という意味と、“完全な状態、ひとつにまとまっていること”という意味を持つ言葉。一方、“Faithlessness”は、“不
誠実な、うその”という意味や、“信仰心のない”という意味を持つ言葉だ。この相反する言葉が象徴すサブタイトルを訳すと……? る本作の物語は、どんな内容なのだろうか。

――ここからは『SO5』の内容に関してお聞きしたいと思います。まずは、サブタイトルに込められた意味を教えてください。

五反田 お話を作る前から、このサブタイトルは決まっていました。ストーリーのネタバレになってしまうので、詳しくは教えられないのですが、このサブタイトルには複数の意味がありまして。最後までプレイするとわかると思います。

小林 マーケティング的にサブタイトルはもう少しわかりやすいほうがよいかもと、五反田さんと相談したりしたのですが、ストーリーを理解すると、「『Integrity and Faithlessness』しかないよね」という結論になりました。というのも、同じ意味の英単語に書き換えると、まったく異なる意味になってしまうんですよ。

――どんな意味が隠されているのか、早くプレイしてみたいですね。ちなみに、タイトルロゴのデザインが、『SO3』までと同系統のものになりましたが、こちらの意図は?

小林 どちらかと言うと、『SO4』のロゴが特殊でして。『SO4』は、『SO』シリーズの壮大な歴史の礎となる時代を描いた作品だったので、ロゴデザインを考えるときに、スーパーファミコン版の『SO1』のような、SFっぽい雰囲気のロゴにしたんです。ただ、今回は昔からのシリーズファンの方に安心感を与えたいことと、SF+ファンタジーの世界であることを再度アピールしたくて『SO3』のようなデザインにしています。

小川 『SO3』やプレイステーション・ポータブル(以下、PSP)版の『SO1』、『SO2』を遊んだ方にとっては、『SO5』のロゴは非常にとっつきやすいのではないでしょうか。

――確かに、本作のロゴは『SO』シリーズの作品だということがわかりやすく伝わってくるロゴですよね。今回は、宇宙歴537年のエピソードということで、過去作との関連性も気になるところですが……?

小林 本作もこれまでのシリーズの作品と同じく、宇宙歴という壮大な歴史の線上にあります。当然、何かしらつながりはありますが、それをお話するとネタバレになるので……。“宇宙歴537年は重力ワープが開発された年”という情報は以前から公開されていますので、そちらも、何かしらお話に関わってくるのではないでしょうか。

小川 ファンの方がニヤリとする要素は用意していますので、ご期待ください。バトルの技は、過去作に登場したものがけっこう出てきますよ。

小林 皆さんが「懐かしい!」と思う技がたくさん登場します。そういう意味でもシリーズ作品的なつながりといえますね。

▲主人公フィデルが空中からくり出している技……これは“ヴァーティカル・エアレイド”!?

――主人公もヒロインも未開惑星の人間という状況は、シリーズでも珍しいですね。

小林 今回は、過去の作品と比べてファンタジーの要素が強くなっているのも特徴です。

五反田 そうですね。『SO』シリーズは、新しい作品ごとにSFの割合が少しずつ変わっています。『SO1』のときに、SFが1、ファンタジーが9の割合だったのが、続編が出るたびにSFの要素が増えていき、『SO4』で最高の割合になりました。ただ、今回はSF要素をやや抑えて、ファンタジーの要素を増しています。