話題沸騰中の『パンチライン』ゲーム版を独占直撃!
2015年4月9日からフジテレビのノイタミナ枠で放映される、アニメ『パンチライン』。先日の先行上映試写会で、本作のゲーム版が発表され、『パンチライン』の原案&脚本を担当する打越鋼太郎氏へのインタビューで、もともとはゲーム版の企画をきっかけにスタートした、アニメとゲームの同時進行企画だったことが明かされた(インタビュー記事は→コチラ)。本日(2015年3月22日)、東京ビッグサイトで開催された“Anime Japan 2015”のステージ“ノイタミナイト powered by dアニメストア~サイコな彼女のパンチラ in AJ~”では、『パンチライン』のゲーム版について、ティザーサイトのビジュアルなどが公開された。本記事では、そんなゲーム版に関する打越氏へのインタビュー後編をお届けする。『パンチライン』ゲーム版の詳しい情報に加え、さらなる新作の情報もちょっとだけおうかがいした。
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・ノイタミナアニメ『パンチライン』ゲーム版発表! アニメ&ゲーム制作のきっかけを、打越鋼太郎氏に独占インタビュー(前編)
■プロフィール
打越鋼太郎氏
代表作は『Ever17』、『極限脱出 9時間9人9の扉』、『極限脱出ADV 善人シボウデス』など。(文中は打越)
そうそうたるメンツが手掛けるゲーム版
──続いて、ゲーム版『パンチライン』は、アニメとどのような点が違っているのかをおうかがいしたいのですが。
打越 ゲームは、インタラクティブ性がありますので、いちばん重要なのが、幽体離脱をした遊太くんが、ほかの部屋に住んでいる女の子たちの暮らしに干渉できるという点ですね。ただ読み進めていくだけには留まらないシステムになりますのでご期待ください。詳しくはまだ言えないのですが……(笑)。
──今後の発表が楽しみです。
打越 あと、ゲームのスタッフも豪華なんです。ディレクターをしているのが中澤くん(中澤工氏。『Ever17』のディレクターや『ルートダブル』の原案、監督などを務める)で、MAGES.の松原さん(松原達也氏。『シュタインズ・ゲート』などのプロデューサー)にも参加していただいていますし。『Ever17』を知っている方だったら、そのスタッフがまた……という風に思っていただければ。
──アドベンチャーゲームのそうそうたるメンバーが集まっていますね。ちなみに、遊太くんが干渉するとのことですが、それはちょっとエッチな感じのものもありそうですが……?
打越 はい。そういうものもあります。とはいえ、パンツを見ると世界が滅亡するので、プレイヤーの皆さんにはパンツを見ないようにがんばってもらいたいなと(笑)。
──それは試されますね!(笑)。パンツと言えば、アニメに出てくるパンツが細かく描かれていますよね。
打越 そうですね。監督が、すごくこだわっていて、パンツ専門のデザイナーがいるくらいなんですよ。
──えーー! それはすごい(笑)。打越さんのオススメは、どれですか?
打越 パンツですか(笑)。
──パンツです(笑)。
打越 (笑)。僕はまだラフでしかパンツを細かく見ていないので、わからないんです。
──それは残念……! では、キャラクターで、お好きなキャラクターは?
打越 うーん、やっぱり全員に想い入れがあるんですよね。みんな、それぞれ変わった特徴がありまして。その変わった特徴が、物語が進んでいく中で判明していって、いろいろなつながりがわかったりして……。
──隠されたものが、いろいろあるわけですね。
打越 そうなんです。だから、たとえば、成木野みかたんがメインヒロインで、遊太くんと彼女の話がメインになる……というものではなく、遊太君とヒロイン4人ずつが主役のお話になると思っていただければ。
──なるほど。全体像がまだまだ見えない情報展開になっているのは、意図的なんですね。
打越 たぶん言えないんだと思います。言えないことが、相当いっぱいあると思うので。
──そういう展開も含めて、本当にアドベンチャーゲームのような雰囲気ですね。
打越 ああ、確かにそうかもしれませんね。観ていただくと、アドベンチャーゲームを作っていた人が作ったアニメ、みたいな特徴にはなっているかなと思います。
──では、ゲームのジャンルとしては、アドベンチャーゲームなのでしょうか?
打越 大枠で言うとアドベンチャーですが、いわゆるふつうのキャラクターの会話を中心に進むようなものではありません。大きな仕掛けがありますので、詳細発表を楽しみにしてください。
打越氏のさらなる新作も……?
──『パンチライン』のゲームは、打越さんがメインとなるものとしては、久しぶりの作品です。お名前を出されるゲームとしては、『シュタインズ・ゲート 線形拘束のフェノグラム』で、シナリオを書かれて以来だと思うんですが、それまで何をされていたのかお聞きできますか?
打越 そのあいだは、本当にいろいろと仕込みをしていたんです。じつは、この『パンチライン』の企画自体を初めて考えてまとめていたのが、2011年12月なんです。
──3年以上前ですか!
打越 そのときは1ページくらいの草案で、“アパート”というタイトルでした。それは、女の子が多く出るといったものではなく、アパートの中に暮らしている人々の人間模様を描くもので、幽体離脱という設定は入っていました。その後、2012年2月くらいに“憑りつき荘”という企画に変わったりして、いろいろと練っていたんです。
──それでは、ついにお披露目になるということなんですね。
打越 そうなんです。週刊ファミ通の“2015年の抱負”特集でも、「2015年はいくつかのタイトルを連続して発表できることになると思います」と書かせていただきましたが(記事は→コチラ)、今年はこの『パンチライン』だけに留まらず、まだ発表ができるものがありますので、そちらも注目していただきたいですね。
──さらなる新作ですね。個人的には、『極限脱出ADV 善人シボウデス』の終わりかたからも、その続編を期待したいところですが……。
打越 そういう声をたくさんいただいているのはわかっていますし、海外からも届いていますが、これについてはまだ何も……(笑)。
──期待しています! いまおっしゃられた通り、『999』と『善人シボウデス』は海外ファンの評価がいまだにすごいですよね。
打越 はい。ものすごいですね。ありがたいことに。
──海外で、とくに受けている部分はどんなところなんでしょうか?
打越 日本で言うところのサウンドノベルだったり、テキストアドベンチャーだったりが、海外ではビジュアルノベルという括りになっていて、たぶん向こうではあまりなかったジャンルなんですよね。たぶん。それが、最近一部のファンのあいだで急速に知られるようになって、「こんなに、おもしろいのか! 日本人すげえな!」となっている……んだと思っています。先日、うちの小高(小高和剛氏。『ダンガンロンパ』シリーズのシナリオライター)がGDC(Game Developers Conference)に行って、向こうで『ダンガンロンパ』が受けている要因などの話を聞いたら、やっぱり、海外ではビジュアルノベルのことをあまり知らないから、カルチャーショックを受けているようだと。僕らは、たとえば、『街』や『かまいたちの夜』といったサウンドノベル、そしてギャルゲーの文脈があって、いまの作品を作っているんですが、海外の方はそういった過程を抜いて、いきなりいいとこ取りをしたような作品をプレイされているので、本当にショックがあるようなんですね。
──もともと、ローカライズされずにアドベンチャーが輸出されていなかったところに、急に広がり始めたという。
打越 そうですね。たとえば『Ever17』などはローカライズはしていて、ジワ売れはしていたんですが、そういった知る人ぞ知るというニッチなジャンルだったのが、以前より拡大して注目され始めたようなんです。
──『パンチライン』も、海外のファンは注目を集めるでしょうね。
打越 そうなってもらえるとうれしいですね。
──では最後に、アニメ『パンチライン』、そして新作ゲームの『パンチライン』、両作品に期待をしている読者にメッセージをお願いします。
打越 くり返しになりますが、アニメのほうは、おもしろさが凝縮した内容になっているので、観ていただくだけで、ものすごくおもしろいと思います。ゲームのほうは、よりキャラクターの深みがあるというか、それぞれのキャラクターについて、濃く描いていますし、まだ言えませんが仕掛けもありますので、両方を体験していただければ、さらに楽しんでいただけると思います。
──期待しております! ありがとうございました。
アニメ版、ゲーム版プロデューサーからのコメント
2015年4月9日から放映されるテレビアニメ版『パンチライン』、そして発売が控えるゲーム版『パンチライン』どちらも期待が高まるところ。最後に、『パンチライン』アニメ版、ゲーム版のプロデューサーから、それぞれ打越氏を起用した意図や、ゲーム版の見どころといったコメントをいただいた。こちらをお届けして、本記事の締めとさせていただく。
■テレビアニメ版プロデューサー 木村誠氏(フジテレビジョン)
・打越さんを脚本に起用された意図は?
打越さんの代表作である『Ever17』のような、さまざまなロジックを組み合わせてひとつの物語を作り上げる優れた構成力、そして活き活きしたキャラクターメイク、という2点がポイントでした。もともと『パンチライン』は打越さんが温めていらっしゃった企画でもあるのですが、「パンツを見たら、人類滅亡!?」というキャッチコピーにも惹かれましたね。
・あがってきた脚本を読んでのご感想は?
何にも考えなくても見られるけど、いろいろ考察しながらも見られるという、ふつうは両立しないふたつの要素がひとつになっているところがすごいなあ、と。最後までご覧になっていただけたら、きっと打越ワールドに振り回される楽しさに気づいていただけるはずです。
・どういった部分に注目して見てほしいですか?
“おパンツ様”&随所に散りばめられた伏線にご注目いただきたいです。
・ファミ通.com読者にメッセージをお願いします。
『パンチライン』は打越鋼太郎さん、小室哲哉さん、しょこたん●でんぱ組(●はハートマーク)など、ふだん違う業界で活躍している多様なスタッフ皆で、いろいろチャレンジしながら制作している作品です。ぜひ、オンエアを楽しみにしていただければと思います。
■ゲーム版プロデューサー 市川和弘氏(MAGES.)
・『パンチライン』の企画書を初めて見たときの感想は?
いままで打越くんと仕事をするときは、始めに何らかのオーダーをするんですが、今回は完全オリジナルの持ち込み企画なので打越節全開って感じでしたね。基本的にやりたい方向性は似ているので、一発で気に入りすぐに動き回った気がします。
・ゲーム版『パンチライン』の見どころを教えてください。
弊社としても初のゲーム、アニメ連動企画なのでどうなるかわかりませんが、これまでにも増して力を入れています。とくにスタッフ陣がとても豪華で、アドベンチャーゲームでは最高峰の人材ではないでしょうか。すでにシナリオもほぼ終わっていますし、つまりつまらなくなる要素がひとつもないです。
・ファミ通.com読者にメッセージをお願いします。
アニメとゲーム、それぞれの特徴を活かしたおもしろさを追求しているので、ぜひアニメとゲーム両方を楽しんでください。ゲームの詳細発表は少し先になりますが、期待は絶対裏切りません。どうぞご期待ください。
■『パンチライン』放送情報
<放送情報>
2015年4月9日より毎週木曜24時55分~フジテレビ“ノイタミナ”にて放送!
(初回放送は24時50分~放送)
ほか各局でも放送!
<スタッフ>
原作:MAGES./フジテレビ
監督:上村泰
キャラクターデザイン:岩崎将大
制作:MAPPA
脚本:打越鋼太郎
音楽:小室哲哉
<主題歌>
オープニング・テーマ:しょこたん●でんぱ組 「PUNCH LINE!」
(●はハートマーク)