自分のスキルが上がっていく感覚が楽しい

 日本マイクロソフトから2015年3月11日配信予定のXbox One/PC用ソフト『Ori and the Blind Forest (オリとくらやみの森)』(Xbox 360版の配信日は未定)。個人的なお話になるが、同作は、昨年記者が印象に残ったタイトルの1本。E3 2014gamescom 2014などでのプレゼンを受け、その繊細なタッチの絵柄ときめ細かいゲーム性に、「これは、きっと日本のユーザーにも愛される!」と確信したものだ。東京ゲームショウ 2014では試遊も可能で、もとファミ通Xbox 360編集長の松井ムネタツも、「思わず号泣!」とのプレイリポートを寄せている。

[関連記事]
※『Ori and the Blind Forest』開発陣に聞く 日本の影響を受けて開発された、どこか心が癒やされる1作【E3 2014
※『Ori and the Blind Forest』は世界各地に散らばるクリエイターが4年をかけて丹念に作りこんだ1作【gamescom 2014
※『Ori and the Blind Forest』プレイリポート 思わず涙腺が……【TGS 2014

『Ori and the Blind Forest (オリとくらやみの森)』を先行体験 とにかくじっくり遊んでみたくなる1作_14

 詳細はそれぞれの記事をご覧いただくとして、かいつまんで本作の特徴をピックアップすると以下の通り。

・本作は、“メトロイドヴァニア”のゲームを作ってほしい“というユーザーからのリクエストに応える形で開発された。
・ビジュアルは緻密かつ、ピクセル単位で調整されている。
・世界観は、日本のアニメ、ことに宮崎駿監督作品に大きな影響を受けている。
・ビジュアルの使いまわしは一切なし。
・開発を担当しているのはMoon Studio。実際の開発スタジオは持っておらず、世界中に散らばるクリエイターがSkypeなどで連絡を取りながら開発に取り組んでいる。

『Ori and the Blind Forest (オリとくらやみの森)』を先行体験 とにかくじっくり遊んでみたくなる1作_15

 そんな注目度も高い同作だが、先日日本マイクロソフト本社で試遊の機会があった。試遊に先駆け登壇した日本マイクロソフト 南雲聡氏は、「試遊では、自分のスキルがどんどん上がっていくところとパズル要素を満喫していただきたいです」とコメントした。今回試遊できたのは、物語冒頭にあたる“SUNKEN GLADES(水中の森の空き地)”と、後半以降のパズル的要素が強くなる“GINSO TREE(ギンソウ樹)”と“FORLORN RUINS(忘れられた廃墟)”だ。

 本作の舞台となるのは“ニブルの森”。ある日、突然やってきた強力な嵐の影響で、森は大きな悲劇に見舞われることになる。故郷を守るため、オリが勇気を振り絞って暗黒の“敵”に立ち向かう……というのが本作のストーリーだ。最初は何もできないオリだが、森を探索することによって成長。そして成長することによって、探索できる範囲を広げていくことになる。つまり、オリの成長とともにプレイヤーとしてのスキルも上がり、ゲームプレイの幅も広がっていくというわけ。本作では、何回も失敗をくり返すことでプレイの“コツ”をつかんでいくことになる。「自分のスキルが上がっていくところ」が楽しい、という南雲氏の言葉はまさにその通りで、少しずつスキルを上げていってゲームを先に進めていくと、「ゲームの腕前がどんどん上がっていくなあ」という実感があって楽しい。正直なところ、記者のゲームの腕前は壊滅的だったりするわけだが、それでも、「少しずつ前進しているなあ」という感覚があって、何回も同じようなミスをくり返したりするわけだが、あんまり気にならないから不思議だ。実際のところ、よりパズル要素の濃くなった“GINSO TREE(ギンソウ樹)”と“FORLORN RUINS(忘れられた廃墟)”では、何回も同じミスをくり返して、同行者の失笑を買ったりもしたのだが、「もうやめたい」という気には一切ならなかった。考えるに、それもこれも、おそらくは「レベルデザインが緻密で、細部に至るまできめ細かく作りこまれている」(E3でのディレクター・トーマス・マーラー氏のE3での発言より)からで、「この世界に浸っていたい」と思わせるからなのではないか。

『Ori and the Blind Forest (オリとくらやみの森)』を先行体験 とにかくじっくり遊んでみたくなる1作_17
『Ori and the Blind Forest (オリとくらやみの森)』を先行体験 とにかくじっくり遊んでみたくなる1作_16

 ちなみに、この“自分のスキルを上げていく”という点で、ゲームプレイを大いにサポートしているのが、“ソウルリンク”の存在。この“ソウルリンク”があれば、マップの任意の地点にゲームをセーブするためのポイントを作れるのだ。試遊中は、関係者から幾度となく「ここでセーブポイントを作っておくといいですよ」というアドバイスを受けたのだが、「ここは詰まりそうだから、ちょっとセーブポイントを設定しておこう」といったプレイも可能になるのだ。“緻密な作り込み”は、こんな点にも及んでいるというわけ。

 『Ori and the Blind Forest (オリとくらやみの森)』は、とにかくじっくり遊んでみたくなる1作です。以下、“SUNKEN GLADES(水中の森の空き地)”、“GINSO TREE(ギンソウ樹)”、“FORLORN RUINS(忘れられた廃墟)”の最新画像をお届け!

【SUNKEN GLADES(水中の森の空き地)】
 ゲームの導入部となるステージ。最初は何もできなかったOriが、フィールドを探索していくことで、さまざまな能力を身につけていく。ジャンプで敵をかわしたり、立ちふさがる毒草を“クイックフレイム”で倒して通路を通れるようにしたりといったアクションが楽しめる。マップに散らばる“キーストーン”を集めて、“精霊のゲート”を開けるまでが描かれる。いわゆるチュートリアル的なステージ。ちなみに、“エナジーのかけら”を集めて“エナジーセル”にパワーが補充され、“ソウルリンク”を作れるようになる。闇雲に“ソウルリンク”を作れるというわけではないので、どこで使うかが問われることになりそうだ。

『Ori and the Blind Forest (オリとくらやみの森)』を先行体験 とにかくじっくり遊んでみたくなる1作_01
『Ori and the Blind Forest (オリとくらやみの森)』を先行体験 とにかくじっくり遊んでみたくなる1作_02
『Ori and the Blind Forest (オリとくらやみの森)』を先行体験 とにかくじっくり遊んでみたくなる1作_03
『Ori and the Blind Forest (オリとくらやみの森)』を先行体験 とにかくじっくり遊んでみたくなる1作_04

【GINSO TREE(ギンソウ樹)】
 gamescom 2014で出展されていたのと同じステージ。洪水が押し寄せる中、上へ、上へと上昇していくOriのスピード感が印象的なステージだ。ここで不可欠になるのが“打撃”のスキル。こちらを駆使することで、ランタンや敵の発射物の近くで発動、敵を倒したり障害物を壊したり、高いところにジャンプできるようになる。

『Ori and the Blind Forest (オリとくらやみの森)』を先行体験 とにかくじっくり遊んでみたくなる1作_05
『Ori and the Blind Forest (オリとくらやみの森)』を先行体験 とにかくじっくり遊んでみたくなる1作_06
『Ori and the Blind Forest (オリとくらやみの森)』を先行体験 とにかくじっくり遊んでみたくなる1作_07
『Ori and the Blind Forest (オリとくらやみの森)』を先行体験 とにかくじっくり遊んでみたくなる1作_08

【FORLORN RUINS(忘れられた廃墟)】
 このステージでは、光った物体を背負うことで、重力を無化。壁や天井を歩くことができるようになる。天井を障害物が塞いでいたら、光った物体をいったん落として、地面に着地し、進む……といったことが可能。南雲氏いわく「パズル要素が濃い」というゆえんだ。実際のところ、天井での操作になると操作方法も逆転するので、記者のような頭の固いおっさんだと操作にとまどうことしきり。そのほかギミックが盛りだくさんで、「練り込まれているなあ」と感嘆することしきり。

『Ori and the Blind Forest (オリとくらやみの森)』を先行体験 とにかくじっくり遊んでみたくなる1作_09
『Ori and the Blind Forest (オリとくらやみの森)』を先行体験 とにかくじっくり遊んでみたくなる1作_10
『Ori and the Blind Forest (オリとくらやみの森)』を先行体験 とにかくじっくり遊んでみたくなる1作_11
『Ori and the Blind Forest (オリとくらやみの森)』を先行体験 とにかくじっくり遊んでみたくなる1作_12
『Ori and the Blind Forest (オリとくらやみの森)』を先行体験 とにかくじっくり遊んでみたくなる1作_13