セクシー女優のパワー恐るべし!
2015年1月28日(水)~2月1日(日)、台北世貿中心(台北ワールドトレードセンター)にて、台北ゲームショウ2015が開催。日本を代表するゲームクリエイターの登場で賑わったソニー・コンピュータエンタテインメント台湾(SCET)ブース。そのオーラスを飾るべく、開催最終日の2月1日(日)に行われたのが、セガ『龍が如く0 誓いの場所』のスペシャルステージだ。このステージ、ある程度予想されたこととはいえ、開始前からとんでもない数の来場者が詰めかけていた。お目当てはただひとつ。そうセクシー女優さんたちだ。イベントが始まり、いきなり有村千佳さん、紗倉まなさん、上原亜衣さん、初美紗希さんの4人のセクシー女優さんたちが登壇するや、「来場者全員がカメラ構えているんじゃないの?」というくらいの、とんでもないカメラ&スマートフォンが一斉に壇上に向けられたのだ。中には、いま流行りのスマートフォン用自分撮り一脚“セルフィースティック”を高く伸ばして撮影に挑む強者もおり、後方に陣取った記者団からすれば、迷惑この上ない。「なんてこった。撮れないじゃないか!」(たぶん)などという怒声が飛び交うなか、5分あまりも撮影タイムは続いたのでした。以下、そんな状況下で撮影した、セクシー女優さんたちのショットをお届け。
と、セクシー女優さんの撮影タイムがひと息ついたあとで登壇したのは、『龍が如く』シリーズ総合監督の名越稔洋氏。名越氏は、まずは本作の舞台を1988年に設定した理由に言及し、「1980年代はバブルの時代でお金が溢れていました。お金が人を狂わせる、スリリングな時代を描いてみたかった」と説明。さらに、本作は“金”、“女”、“暴力”のわかりやすい3つがコンセプトだと続けた。“金”では、桐生一馬は不動産屋の社長になり、一方の真島吾朗はナイトクラブを経営して、それぞれお金を稼ぐことができる。“女”では、セクシーも過激に演出されており、女どうしの格闘“キャットファイト”を鑑賞できる。また、セクシー女優とゲーム中に交流することも可能だ。“暴力”では、桐生一馬と真島吾朗で、それぞれ3つのスタイルを選んでバトルを楽しめる。ちなみに本作には経験値がなく、プレイヤーはバトルに勝利すると、お金を報酬としてもらえることになる。
ここからはプロデューサーの佐藤大輔氏が参加。実機によるデモプレイが披露された。佐藤氏が紹介してくれたのは、桐生一馬と真島吾朗のバトルスタイル。桐生には“チンピラスタイル”、“ラッシュスタイル”、“壊し屋スタイル”が、真島には“喧嘩師スタイル”、“ダンサースタイル”、“スラッガースタイル”が、それぞれあることを教えてくれた。また、デモではサブストーリーなども紹介。サブストーリーのキャラクターとして、セクシー女優30人が起用されており、サブストーリーをこなすことで、彼女たちのスペシャルムービー(実写)が見られるようになることなども明らかに。真島篇のサブストーリーのデモでは、真島が蒼天堀を歩いていると、見ず知らずの女性にいきなり「付き合ってくれ」と声をかけられ……という顛末の一部が紹介された。佐藤氏が、「今日はここまでです。続きは製品版で……」とデモを中断すると、会場からは期せずして「えーーー!」という不満のため息が。「どんだけほしがりなんだか」といったところだが、それだけゲームに入り込んでいたということが言えるだろう。
ちなみに、舞台となる神室町や蒼天堀には、テレホンカード(なつかしい!)が落ちており、セクシー女優30人分が存在するとのこと。しかも、“A”、“B”、“C”の3種類あり、“A”を拾うと、“B”がどこかに出現するという仕掛けになっている。“A”→“B”→“C”と進むたびに露出度は高くなっていくとのことだ。セクシー女優ファンたるものコンプリートするしか。
最後に、『龍が如く0 誓いの場所』の重大発表として、台湾のゲームファンにふたつの新情報がもたらされた。ひとつは、本作の敵役に台湾の俳優サム・リーさんが起用されること。もうひとつが、本作の台湾における発売日が2015年5月14日に決定したこと。合わせて、“PlayStation4 龍が如く0 桐生一馬/真島吾朗 Edition”がソフトと同日に発売されることも明らかにされた。最後に名越氏は、「セクシー女優のパワーに押されがちでしたが、ゲームはそれだけではありません。充実した内容になっていますので、よろしくお願いします」とイベントを締めくくった。
「ゲームはある程度のところでシンプルさを保つべき」
ステージイベントの後に行われた合同インタビューでは、期せずして「台湾でのセクシー女優の人気をまのあたりにしてのご感想は?」との質問が日本の記者から発せられた。それに対して名越氏は、「日本でもセクシー女優さんにイベントに来ていただいていますが、これに負けないくらいの熱気があります。台湾……というよりも、どこへ行っても人気があります。男はみんな好きだなというのを感じます。ただ、セクシー女優さんをゲームコンテンツと絡められるのは世の中で『龍が如く』だけなので、この作品を表すシンボリックなイベントになったのかなと思っています」とのことだ。
ゲーム内容に関する質問もいくつかあった。まずは、「バトルスタイルは個人的には“ダンサースタイルが印象的でしたが、考案した理由は?」というもの。こちらには佐藤氏が返答し、バトルを担当するスタッフが、スタイルはスタンダード、スピード、パワータイプの3種類で行こうと考えたと説明。そのうえで、真島のトリッキーな動きは何をベースにしているのかを考えたのだという。最終的に本作を通して、桐生も真島もいまのスタイルに成長していくことをコンセプトとして持っているので、真島の場合は、トリッキーな動きの要素として「ダンスが入っているのでは?」との分析から、ダンススタイルになったのだという。
また、「マップは神室町と蒼天堀だけなのか?」との質問に対しては、「バトルのスペシャルステージはあるが、基本は神室町と蒼天堀だけです」と佐藤氏。それに補足するように名越氏が、「マップはふたつですが、行けるところは飛躍的に広がっているので、“深くなった”と考えていただけるといいかもしれません。けっして狭いマップでありません」と説明した。
“経験値”がなくなった理由を尋ねる質問もあった。それに対し佐藤氏は、「本作は、“金”、“女”、“暴力”というコンセプトで作られています。1988年のバブル期はお金が溢れていて、お金でいろいろなものが得られる時代でした。“お金”というキーワードを強調するために、お金を自分に注入してパワーアップする方法を考えました」とのこと。一方名越氏は、「別の角度からお話すると」と前置きしたうえで、『龍が如く0 誓いの場所』のゲームシステムは、できるだけシンプルなものにしたかったという。「昨今のゲームはシステムが複雑になっていると思っています。ハードウェアが進化して、ゲームに対する理解度が上がっていくので、ゲームがある程度難しくなるのは理解できます。とはいえ、個人的には複雑になっていくのがいいことだとも思わないし、“手軽さ”がスマートフォンアプリの市場を広げている一面もあることは事実です。そういった意味では、複雑になりがちなのを止めて、ある程度のところでシンプルさを保つべきだと思っています。この方針はこれからも変わらないです」と、ゲーム作りのポリシーを語った。
バブルというある種特殊な時代を扱うことに対して、「台湾の人には遠いと感じられるかもしれませんが、感じてほしいところは?」との日本の記者からの質問も。それに対して名越氏は、「日本だから、台湾だからに関係なく、どんな時代の設定にしてもおもしろいドラマは万国共通で受け入れられるというポリシーを持っています。それぞれの国で、仕事で悩んでいる人もいれば、お金で悩んでいる人もいます。ドラマに対する感覚はいっしょです。『龍が如く』シリーズでは、世界中の人たちが感動するものを目指しているので、決して遠いものだとは思わないです」とのことだ。
「本作では、桐生と真島が出会うシーンが見られるのか?」とのストレートな質問も。この質問に対しては、名越氏は「見られます」と即答。「そこに興味を持っている方が大勢いると思うので……。“ゼロ”からの物語が見られますよ」とのことだ。さらに、「『龍が如く 維新!』ではシェア機能は2周目から一部可能となっていたが、本作ではどうか?」とのディープな質問も。こちらに対しては佐藤氏が返答し、「同様の仕様になっています」とのことだ。
台湾の記者からは、「台湾の街を舞台にした『龍が如く』はどうですか?」との、提案とも要望とも言える質問が飛び出している。「ああ、なるほど、そんな期待があるのかー」といった感じだが、名越氏は、「サイン会のときにもファンの方から要望されました。シリーズの中文版を望んでいたマーケットの大きさを考えると、可能性はゼロではないと思います。『龍が如く』シリーズが中文版に正式に対応したのは、本作が始めてです。そういった意味では、反響が大きくなっていけば、その可能性も大きくなっていくと思います」と返答した。桐生一馬が台湾に行って暴れまくるなんていう展開は、日本のゲームファンも遊びたくなるかもしれないなあ……と思いつつ、取材を終えた記者でした。