200万ダウンロードを達成したら、コンシューマー版の実現を改めて約束

 2015年1月28日(水)~2月1日(日)、台北世貿中心(台北ワールドトレードセンター)にて、台北ゲームショウ2015が開催中だ。開催初日の28日(水)には、バハムートブースにてミストウォーカーの坂口博信氏による『テラバトル』のトークイベントが行われた。バハムートは、台湾最大のゲームサイトで、今回のイベントは、同サイトの編集者(とおぼしき)司会役が、坂口氏に質問を投げかける……というスタイルで行われた。で、なぜ坂口氏がこのタイミングで台北ゲームショウに登場するかというと、ずばり『テラバトル』の台湾および香港での配信が2015年4月に決定したからだ。坂口氏は冒頭で、「ストーリーが進むに連れて、マップも広がっていく」、「キャラクターは200人以上にも及び、ジョブチェンジを取り入れている」といった感じで、『テラバトル』の概要を紹介した。

『テラバトル』台湾・香港で4月から正式配信が決定! 坂口博信氏がスマホアプリ開発の醍醐味などを大いに語る【台北ゲームショウ2015】_01

 台湾での配信はこれから……ということで、話題は勢い『テラバトル』の開発経緯に。それに対して坂口氏は、『ブルードラゴン』や『ロストオデッセイ』、『ラストストーリー』などのコンシューマータイトルを経て、かつて仲間だったスタッフと集結。かつて『ファイナルファンタジー』が少人数体制で楽しかったことに想いを馳せ、「いいスタッフが揃ったので、少ない人数でいい作品が作りたいと思っていたときに、スマートフォンの市場が大きくなってきて、タイミングがよかったです」と説明。「自分が好きな作りかたで、好きなスタッフといっしょに開発できた」と『テラバトル』の開発が幸運だったことに言及した。

 ちなみにスタッフとの打ち合わせはミーティングというよりも、飲みながらそしてケンカをしながら「どうやって作っていくか」を話しあうことが多いという。その場合坂口氏はだいだい3日に1回くらいは怒ってしまい、ワイングラスをテーブルにドンと置くという。そして、ワイングラフがポキっと折れてしまうのだとか……(笑)。

 最初は『ファイナルファンタジー』のように、画面を横に使って戦うスタイルを採用していたという『テラバトル』だが、「スマートフォンで遊ぶときにタテでもって遊ぶことは簡単なことのようだけれど、すごく大事なことだと思った」という坂口氏は、発想を変えつつタテ持ちでの操作に変更。さらに日本のはさみ将棋をモチーフにしたことを語った。「はさみ将棋は、単純なルールなので、将棋だと勝てない親父にも勝てました」と『テラバトル』の“原点”を明らかにしてくれた。

『テラバトル』台湾・香港で4月から正式配信が決定! 坂口博信氏がスマホアプリ開発の醍醐味などを大いに語る【台北ゲームショウ2015】_02

 スマートフォンアプリの醍醐味といえば、何と言ってもアップデートによるタイトルの進化。ことに『テラバトル』の場合は、ダウンロード数により、新要素を実装していく“ダウンロードスターター”を実施(⇒詳細はこちら)。つい先日70万ダウンロードの公約だった協力プレイが実装され、これから100万ダウンロードの公約である対戦プレイの開発に入るという。さらに、30章をもって一区切りとなった『テラバトル』だが、31章から新しいお話の展開が続いていき、「すでにあそんでいらっしゃる台湾の方もいるかと思いますが、4月からきちんとリリースされますので、新しいイベントも楽しんでもらいたいです」と坂口氏。

 また、進化の道筋として、ボイスの可能性を問われた坂口は、ボイスの収録の予定はないとした上で、「いま、いろんなアイデアが出ています。中身の改良はすごく大事なので、これからどんどん追加していって、できたら1~2年経ったときに、いまよりももっと進化した『テラバトル』にしたいです」と意気込みを語った。

 さて、先ほど触れた“ダウンロードスターター”では、200万ダウンロードを達成すると、“コンシューマー版の開発開始”の公約が設定されている。坂口氏は「200万いくとは思っていなかったので、軽い気持ちで“作ります”といったのですが……」と会場を笑わせた上で、『テラバトル』はただいま150万ダウンロードを達成しており、台湾のユーザーが4月からの配信でダウンロード数を上乗せしてくれれば、「やらなければいけない!」と確約。いまはアイデアはないが、「約束したことだし、作るとなったらおもしろいものにしたいなと思っています」という。

『テラバトル』台湾・香港で4月から正式配信が決定! 坂口博信氏がスマホアプリ開発の醍醐味などを大いに語る【台北ゲームショウ2015】_03
▲記者の隣りでイベントを観覧していた人は、トークを聞きながら『テラバトル』をプレイ。坂口氏の語りについゲームを遊びたくなってしまった模様。

 ちなみに、『テラバトル』の“ダウンロードスターター”は、現状200万以上は設定されていない。その先を問われた坂口氏は、新しいアーティストとのコラボや、コンサートなどのイベントをやりたいと語りつつも、「スマートフォンアプリの醍醐味は、どんどん追加されて進化していくことと、それを遊んでくれる人とお祭みたいに楽しめることです。これからもどんどん、みんながいっしょに長いあいだお祭をやれるようにがんばっていきたいです」とのことだ。

 坂口氏が楽しいトークをくり広げたイベントもあっという間に最後。『ブルードラゴン』や『ロストオデッセイ』を台湾でリリースしたころから、台湾のゲームファンがゲームのことをすごく愛してくれていることを実感したという坂口氏は、こうして『テラバトル』が配信されることで、もう1回台湾に来られたことがうれしいとコメント。さらに、「『テラバトル』はフリーダウンロードタイトルで、僕が言うのもなんですが(笑)、あまり課金しなくても楽しめるように作ってあるので、ぜひダウンロードして、お金をかけなくてもいいので楽しんでもらいたいです」と締めくくり、拍手を浴びながらステージを後にした。

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『テラバトル』台湾・香港で4月から正式配信が決定! 坂口博信氏がスマホアプリ開発の醍醐味などを大いに語る【台北ゲームショウ2015】_05
▲イベントの終了後はクイズに正解すれば坂口氏のサイン入りポスターがもらえるという催しも。見事ゲットできた方はうれしそうでした。