1日目はしっとりとピアノの独奏
2014年12月20日から21日の2日間、東京ビッグサイトで行われた、“ファイナルファンタジーXIV ファンフェスティバル 2014”。本稿では、両日のラストに行われたスペシャルライブをリポートする。
ファンフェス1日目のスペシャルライブは、ピアノソロによるステージ。演奏者は、クラシックからジャズまで幅広いジャンルで活躍するKeikoさん。先日の2014年12月17日に、『新生FFXIV』初のアレンジアルバム『From Astral to Umbral〜Arrangement Album〜』が発売されたが、ピアノアレンジパートのアレンジと演奏を手掛けたのも、このKeikoさんだ。今回のステージでは、アレンジアルバムに収録されている6曲+αが披露された。ステージの模様を写真とともにお届けしよう。
曲間のMCでは、アレンジアルバムのレコーディング秘話も明かされた。今回のアレンジアルバムに限らず、『新生FFXIV』のサウンドトラックはBDM(Blu-ray Disc Music)を採用しており、96KHz/24bitという、CDの何倍もいい音で収録することができる(CDは、44.1KHz/16bit)。ピアノアレンジは、この超高品質での収録に加え、5.1chサラウンドを3系統も用意しているほどのこだわりようだ。さて、このピアノアレンジが収録されたのは、横浜市・青葉台のフィリアホール。レコーディングする際にとくに注意を払うのがノイズだが、電源や照明はとくにノイズが混入しやすい要素だという。こうした音楽用のホールの場合、機材に供給する電源と照明用の電源は分けられていることが多く、通常は気にならないレベルなのだそうだが、エンジニアの浜田純伸氏が「客電がついていると空気の流れが悪くなる」と指摘。そのため、ホールの照明を一切落とし、Keikoさんの手元を照らすLEDライトだけで演奏をこなしたとのこと。祖堅氏は「これでよく弾けるなあ」と感心したという。
■1日目セットリスト■
静穏の森〜黒衣森フィールド〜
水車の調べ〜グリダニア〜
MC
西風に乗せて〜ラノシアフィールド〜
偉大なる母港〜リムサ・ロミンサ〜
Intermission(腐敗遺跡 古アムダプール)
MC
灼熱の地へ〜ザナラーンフィールド〜
希望の都〜ウルダハ〜
MC
Torn from the Heavens / 天より降りし力(連弾)
2日目はイケイケのロックステージ!!
ファンフェス2日目のスペシャルライブは、1日目とは対照的なロックのステージ。アレンジアルバムのために結成された“THE PRIMALS”が登場し、アルバム収録曲を中心に、計9曲(アンコール含む)を披露した。
『雷光雷鳴〜蛮神ラムウ討滅戦〜』が終わると祖堅氏が、『新生FFXIV』に登場する蛮神“以外”の存在としてモグル・モグXII世を紹介。このモグル・モグXII世とのバトルで流れるBGMの歌詞翻訳を始め、なんと歌まで担当しているというマイケル・クリストファー・コージ・フォックス氏がステージに呼び込まれた。実際の楽曲では、4体のモーグリが入れ替わり立ち替わり歌う(そのうち3体がマイケル氏担当)構成になっているが、今日はその4体すべてをマイケル氏がこなすというムチャ振り!
ライブもいよいよ終盤。祖堅氏が『堕天せし者〜蛮神ガルーダ討伐戦〜』を演奏することを告げると、続けて「誰か“Now fall !!”って叫びたい人?」と客席に問いかけ。手を上げたファンがステージに引き上げられるという、粋な演出が!
ラストはやはりこの曲『過重圧殺! 〜蛮神タイタン討伐戦〜』。“Bow down overdweller”→“under the weight”のコール&レスポンスで会場の盛り上がりはピークに。
アンコールは会場からのリクエストで『混沌の渦動〜蛮神リヴァイアサン討滅戦〜』に。そのままの勢いで、本日2回目の『過重圧殺! 〜蛮神タイタン討伐戦〜』になだれ込み!!
■2日目セットリスト■
原始の審判〜蛮神イフリート討伐戦〜
混沌の渦動〜蛮神リヴァイアサン討滅戦〜
MC
忘却の彼方〜蛮神シヴァ討滅戦〜
MC
雷光雷鳴〜蛮神ラムウ討滅戦〜
MC
Good King Moggle Mog XII / 善王モグル・モグXII世
MC
堕天せし者〜蛮神ガルーダ討伐戦〜
MC
過重圧殺! 〜蛮神タイタン討伐戦〜
[encore]
混沌の渦動〜蛮神リヴァイアサン討滅戦〜
過重圧殺! 〜蛮神タイタン討伐戦〜
感動のエンディングへ! 涙を見せるコアメンバーも
ライブの興奮冷めやまぬまま、イベントはエンディングへ。吉田直樹プロデューサー兼ディレクター以下、イベントに参加した開発コアメンバーがステージに勢揃い。各人のコメントを紹介しよう。
鈴木健夫氏(リードデザイナー)
最初にファンフェスの話を聞いたとき、開発の作業がきつくて、本当にやれるのかと心の中では思っていた。また来年、再来年とファンフェスを実施できるようなタイトルに育てていきたい。
河本信昭氏(リードゲームデザイナー)
来てよかった。会場には来ていない100人、200人のスタッフたちといっしょに、一刻も早くパッチ2.5、パッチ2.51、そして拡張ディスクのバージョン3.0を届けようとがんばっています。みなさんの声を現場に伝えていこうと思います。
皆川裕史氏(リードUIアーティスト)
ひとこと、楽しかったです。これだけの人にご支援をいただいて、パワーをもらいました。これから開発の追い込みですが、皆さんにエオルゼアで楽しんでいただけるようにがんばっていきたいです。
前廣和豊氏(メインシナリオライター)
ファンの方と交流させていただいて、皆さんの『FFXIV』への思いを受け止めることができました。
権代光俊氏(リードバトルプランナー)
皆さんに楽しんでいただけるように、これからもがんばっていきます。
高井浩氏(アシスタントディレクター)
昨日はピアノの演奏で泣かされ、今日は河本にうるっとさせられると思いませんでした(苦笑)。そして、みなさんのこの光景を見ていて、声が詰まる思いです。ゲームを通して、少しでも楽しんでもらえるように、がんばっていきたいです。
祖堅正慶氏(サウンドディレクター)
ステージ上から見るこの光景がロックフェスみたいです。『FFXIV』すげえなって。また明日から開発業務です。応援のほど、よろしくお願いします。
マイケル・クリストファー・コージ・フォックス氏(ローカライズ部シニアトランスレーター)
日本のファンフェスサイコー! フォーティーンサイコー!
吉田直樹氏(プロデューサー兼ディレクター)
おっさんになって涙腺が弱くなっているので、(声援を飛ばすのを)やめてもらっていいですか(苦笑)。THE PRIMALSのライブ中、ニコ生のコメントを見ていて、「よしだああああ」の弾幕を見て感極まってしまいました。サービスインのときも(涙を流して)恥ずかしいところを見せてしまいましたが、今回はこうもっちゃん(河本氏のこと)のせいですね(笑)。
この歳になると素直に言う機会があまりないんですけど、プレイヤーの皆さんのことが大好きでゲームを作り続けています。みなさんとキャッチボールを続けながら、この先も一緒に歩めるゲームでありたい。よろしくお願いします。