『新生FFXIV』公式バンド“THE PRIMALS”のシークレットライヴに極秘潜入。叫べ「Now fall」!!

『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』のアレンジBDMが、2014年12月17日に発売される。これをプレイするバンド“THE PRIMALS”が、ファンフェスティバルでのステージのリハーサルを兼ね、10月初旬に都内のライヴハウスでシークレットライヴを行った。社内関係者のみが立ち入ることを許された会場に潜入。その模様をリポートする。

●ライヴの模様はアレンジBDMに収録

▲白と黒に切り替えられたアシエンのジャケットが目印。

 東京ゲームショウ2014で催された“出張プロデューサーレターLIVE in 幕張”にて製作が発表された、『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』(以下、『新生FFXIV』)の楽曲のアレンジBDM(ブルーレイディスクミュージック)、『From Astral to Umbral~FINAL FANTASY XIV: BAND & PIANO Arrangement Album~』。これは、蛮神バトルの曲とフィールドや街の曲を、バンドとピアノという対極したアレンジサウンドで1枚に収めたものだ。発売にあたって同作のサウンドディレクターを務める祖堅正慶氏がロックバンド“THE PRIMALS”を結成し、バンド活動をスタートさせたことでも話題を呼んでいる。<公式サイトはこちら>

 ここでリポートするシークレットライヴは、“THE PRIMALS”のスクウェア・エニックスの社内的なお披露目として催されたもの。最大の目的はアレンジBDMに収録するライヴ映像の撮影で、同時に、ファンフェスティバルでのステージのゲネプロを兼ねていた。また、BDMでは楽曲に紐付いた蛮神バトルのプレイを編集したPVを楽しめるのだが、この映像収録に週刊ファミ通やコネクト!オンのスタッフが協力(UI表示を消して極蛮神戦をプレイ!)したため、今回の独占取材が叶ったというわけだ。このあたりの顛末は、また別の機会にお届けしよう。
 「目下パッチ2.4制作の最終追い込み中なので、今回のライヴは50~60名ほど、来られる人だけが観に来ています」と話すのは、『新生FFXIV』プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏。さらに詳しくうかがうと、開発スタッフに加え、国際色の豊かなローカライズセクションの人々、なかには所属が法務部という熱心な『新生FFXIV』プレイヤーなど、さまざまな人が足を運んでいる模様。

●爆音で演奏される蛮神バトルの曲ってヤバイでしょ!

 開演10分前。オールスタンディングでひしめき合う観客で、ライヴハウス全体に熱気が立ち込め始めていた。人波をかいくぐって楽屋に押しかけると、リラックスと緊張が入り交じった祖堅氏の姿が。いわく、直前まで歌詞を一生懸命覚えているという。「ファンフェスティバルで本当に演奏するかどうかは、今日のデキしだいなんですよ。(吉田氏を指して)審査員が隅に控えているので」とうそぶく祖堅氏。作曲時には、まさか自分でライヴ演奏することになるなどとはまったく考えておらず、「いろいろてんやわんやです」と祖堅スマイル。祖堅氏と談笑していたバンドメンバーの皆さんは、「プロ中のプロ」(祖堅氏)による助っ人とのこと。

 それまでスピーカーから流れていたクリスタルのテーマが止むと、喧噪が止んだ。するとステージ袖からは、赤い仮面を着け、なんとアシエンのテーマとともにアシエンの装束を纏ったメンバー4人が登場。拍手と歓声がわき起こる。ドラムのカウント、続くギターの重いリフとともに始まったのは『原始の審判』、イフリートのバトル曲だ。メロディーラインはほぼそのままだが、メタル色の強い引きずるようなリフが印象的なアレンジがなされている。観客も曲に合わせてうねるように身を揺らしていた。

 MCも挟まず、汗だくで始まった2曲目は『混沌の渦動』。リヴァイアサンだ。アシエンローブのフードを跳ね上げた祖堅氏が「Leviathan, Leviathan」とそのままマイクにかぶりつく。対する観客は疾走感の強いアレンジに対し、「oi! oi!」とタテノリで拳を突き上げ、「Leviathan」のところを「パン屋さん」とコーラス(笑)。

 曲が終わっても興奮が収まらない観客に向けて祖堅氏が「うるさい!(笑)」と一喝。続けてアシエン装束を脱ぎながら、「今日はパッチ作業の締め切り前だというのにお越しいただき、ありがとうございます」と挨拶を述べると、(現実に引き戻すような発言は)「止めろ!」と観客が叫び、会場にドッと笑いが起きた。今回のライヴの盛り上がりを撮影し、アレンジBDMに収録する旨を祖堅氏があらためて説明すると、会場後方から「業務命令! 跳ねろ!」と吉田氏が挟み込むなど、内輪ならではのレアなやり取りが続き、そのままメンバー紹介。ギターがGUNN氏、ベースがイワイエイキチ氏、ドラムがたちばな哲也(SPARKS GO GO / ultraUB)氏だと明かされた。

▲「この方たち、ガチンコのプロです。私のようなド素人がギターを弾くのはたいへんおこがましいですが、今回ムリを言ってですね、ゼニで解決しました」と会場の笑いを取りに来る祖堅氏。

 3曲目は女性ヴォーカルふたりを迎えての演奏。もじもじとステージに現れた女性の正体は、『FFXIV』ローカライズ部の村田あゆみさんと、オンラインサービス推進部の池谷茜さん。「お疲れさまです」、「よろしくお願いします」と上品に挨拶をした村田さんだったが、アップテンポでメロディアスな曲が始まると豹変。野太いシャウトで観客を驚かせた。なおこの曲は、取材陣にとっては初お披露目となる、パッチ2.4での公開を控えたシヴァの曲『忘却の彼方』。だが、さすがは身内ライヴ。ライヴ直前までまさにシヴァ戦を手がけていたスタッフもおり、ノリノリでいっしょに歌っている人を多く見かけた。

▲村田氏(左)がメインヴォーカルを担当。池谷氏は高音パートなど、サブヴォーカルを務めた。

▲かわいらしいのに、ギャップのある歌声。「ゲームでの収録時でも「ドヴェアアア」って歌って、終わったら「すいません」と帰っていった」と祖堅氏が明かした。

 「つぎはジジイの曲をやります」という祖堅氏のMCで4曲目に披露されたのは、池谷さんが歌うラムウのバトル曲『雷光雷鳴』。今回のセットリストのなかで唯一スローテンポな曲であったため、これまでとは一転してしっとりとしたムードで観客を魅了した。

▲池谷氏は開発にこそ関わっていないが、いわゆるガチプレイヤー。先日キャラクターの平均アイテムレベルが110になったということだ。

 ここでバンドメンバーは一度休憩。そのあいだ、ステージでは祖堅氏のトークが続く。蛮神バトルには英語で歌詞が付いているが、その歌詞を付けている人物として、ローカライズ部シニアトランスレーターのマイケル・クリストファー・コージ・フォックス氏がステージに呼ばれ、祖堅氏のトークに巻き込まれた。マイケル氏は、『FFXI』を初めとするスクウェア・エニックス作品のローカライズには欠かせない人物でもある。『新生FFXIV』ではじつは“善王モグル・モグXII世”のバトル曲なども歌っているということで、ここで「ヘルメット持ってきてー」という祖堅氏の掛け声とともに、モーグリのポンポンに見立てて4色の風船がつけられたヘルメットが用意された。

▲祖堅氏のムチャぶりに、「収録のときは別録りだったじゃないですか!」と焦っている芝居(笑)。

 楽曲では歌うモーグリが全部で4体登場。そのうち3体をマイケル氏が歌っている。その話を引き合いに出し、この場で、パートごとに対応するモーグリのヘルメットをかぶって歌おうという縛りを架せる祖堅氏。抵抗するマイケル氏をよそにカラオケがスタート。ゴネていたはずが次第にノリノリになるマイケル氏。歌が始まと、腕を大きく左右に振りながら、情感たっぷりに声色を使い分けてGood King Mogを称え始めた。

▲テノール風の声やかわいらしい裏声を駆使して愛嬌たっぷりに歌い上げたマイケル氏。役者です。

 「残り2曲!」という祖堅氏に、会場からはブーイングが。「だって蛮神の曲ってそれしかないじゃん」と笑いを誘う。そして始まったのが6曲目となるガルーダの楽曲『堕天せし者』。『新生FFXIV』の楽曲の中でも人気が高いだけあって、観客のボルテージも急上昇。ヴォーカルを務めるのはマイケル氏と池谷氏。のびやかなハミングに、「Now fall……!」というシャウト。そして高笑いを響かせる!

▲池谷氏は、ガルーダを彷彿させる緑の羽をまとって再登場。

▲「under the weight!」 ヤバいくらいの盛り上がり!

 ライヴの最後はもちろん、タイタンのバトル曲『過重圧殺!』。祖堅氏の呼びかけで、ゲームのレコーディングでコーラスを担当したというローカライズ部の人たちが実際に聴きに来ていることもわかった。「彼らが陣頭指揮をとると思うので、間違ってもいいので大きな声でコーラスするように!」と、今日いちばんの盛り上がりを要求する祖堅氏。ファンフェスティバルに赴くプレイヤーも、「under the weight」のコーラスができるようにしておいたほうが絶対に楽しめるだろう。

 一旦ステージを去った後、アンコールに応える祖堅氏たち。演奏曲からもう一度聴きたい曲を募ったところ、意見が割れたために吉田氏に決定権を委ね、最新の曲ということでシヴァのバトル曲を再演奏。シークレットライヴは大盛況のうちに幕を下ろした。

 ふつうなら、いいライヴを体験したあとは、しばらく熱気と余韻を存分に味わいたいところだが、とにもかくにもこの日はパッチ2.4の追い込み時期。祖堅氏のシメの言葉は、「お疲れさまです、皆さん仕事に帰ってください!」であったし、言われた観客も「さて、仕事に戻るぞ」と口ぐちに言ってライヴハウスを後にしていた。その姿に悲哀はなく、モノ作りをするチームの結束力や充足感が見て取れたような気がして、あらためて『新生FFXIV』という作品と、それを生み出し続ける人々に魅力を感じた。

 終演後、楽屋で祖堅氏と吉田氏にコメントをいただいた。

祖堅氏 今回は社内の人ばかりだったので緊張はしなかったんですが、このメンバーの中ではオレだけ個人練習が必要だと思いました。もっと練習します。本番ではお客さんの数が何百倍にもなるわけで、武者震いします。観てくださった方が楽しんでくれれば幸いです。

吉田氏 祖堅がスゴイと思いました。作曲と演奏のスキルはまったく違うし、ただ弾くのと人前で弾くのはまた違うので。なんだか、彼の仕事にリテイクが出しづらくなりました。……いや、ウソです。これからも容赦なくいきます(笑)。ライヴを観にいらしてくださるファンの皆さんには、「パン屋さん」でも「オイヨイヨ」でも、「よしだああああ」でも何でもいいですから、思い思いの楽しみかたで思う存分飛び跳ねてほしいですね(笑)。ファンフェスティバルでは“出張エオルゼアカフェ”もやる予定なので、ライヴのあとは飲み物でノドを潤していただくこともできますし……。そうして皆さんで盛り上げてくだされば、2回、3回と未来に続く催しにできると思います。THE PRIMALSも末永く活動を続けていくそうですよ。ただ、そう簡単に曲が増えないのが問題ですね(笑)。

▲おまけ。アシエンの衣装はこんなにも本格的!

 気になるファンフェスティバルでの演奏は、日本公演は今回のメンバーが出演し、海外はツアーサポートメンバーが出演するそうだ。海外での演奏が気になる人は、有料でストリーミング放送が見られるので、専用サイトで視聴方法を確認しよう。

 最後に本日のセットリストを掲載してリポートを終える。

■セットリスト■
1)原始の審判 ~蛮神イフリート討伐戦~ Primal Judgment
2)混沌の渦動 ~蛮神リヴァイアサン討滅戦~ Through the Maelstrom
3)忘却の彼方 ~蛮神シヴァ討滅戦~ Oblivion
4)雷光雷鳴 ~蛮神ラムウ討滅戦~ Thunder Rolls
5)善王モグル・モグXII世 Good King Moggle Mog XII ※カラオケ
6)堕天せし者 ~蛮神ガルーダ討伐戦~ Fallen Angel
7)過重圧殺! ~蛮神タイタン討伐戦~ Under the Weight
en.)忘却の彼方 ~蛮神シヴァ討滅戦~ Oblivion