“EVO”出場権を懸けた激闘! 『ウルトラストリートファイターIV』日本大会【TGS 2014】

東京ゲームショウ 2014最終日となる2014年9月21日には、ゲーム周辺機器メーカー“マッドキャッツ”ブースで『ウルトラストリートファイターIV』日本大会が開催された。

●全国から集まった64人のプレイヤー

2014年9月18日から21日の期間、千葉・幕張メッセで開催された東京ゲームショウ 2014。最終日となる2014年9月21日にマッドキャッツブースで開催された『ウルトラストリートファイターIV』日本大会の模様をリポートする。

 この大会は、『ウルIV』をはじめとした多くの対戦格闘ゲームのプレイヤーをサポートするマッドキャッツが主催するもの。優勝者にはアメリカで開催される世界最大級の対戦格闘ゲーム大会“EVOLUTION”『ウルIV』部門への出場権が獲得できるとあって、全国からプレイヤーが集結。また、マッドキャッツ所属のプロゲーマーや、海外から招待された大物プレイヤーも参加しており、開始前から激闘が予想された。また、試合の模様はマッドキャッツにより世界にネット配信され(英語による解説のチャンネルもアリ)、世界中の『ウルIV』ファンが注目する大会にもなった。本作の杉山晃一プロデューサー、綾野智章アシスタントプロデューサーが登場(なお、本稿終わりに杉山氏と綾野氏のインタビューを掲載)。実況の“アール”氏とともに開幕宣言がコールされて、いよいよ大会がスタートした!


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 大会のルールは、8ブロック64人によるシングルトーナメント戦。2勝を先に奪ったプレイヤーが勝利(各ブロックの代表が決まった後(=準々決勝以降)は5勝で勝ち抜け)となる。ブロック代表戦までは、4台で進行。ほかの大規模大会でもおなじみの強豪プレイヤーの戦いがあちらこちらで見られて、さすがは日本大会という感じだ。1回戦からすべての戦いが見られないのが惜しいほどだ……。ウメハラ、ふ~ど、ジャスティン・ウォンといったプロゲーマーや、猛者プレイヤーによる注目の戦いはステージ上でくり広げられて、すべての観客が固唾をのんで見守っていた。
 2014年4月のアーケード版稼動、そして同年8月の家庭用発売以降、各プレイヤーも『ウルIV』ならではの戦いかたをきっちり自分のモノにしている様子。“EXレッドセービング”を駆使したコンボや5体の新キャラクターを使いこなす姿も随所に見られて、新世代の戦いを感じさせるものとなった。また、プレイヤーの使用キャラクターもいわゆる“強キャラ”とされる特定のキャラクター”に集中することなく分散しているのもポイント。最新作ならではのゲームバランスを象徴するキャラクターの構図となった。


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●名実ともに“猛者”が揃ったベスト8

 各ブロックを勝ち抜いた選手は、ウメハラ、ぺぺだい♪、いんこ、板橋ザンギエフ、スーパーウリアッ上、マゴ、かずのこ、ボンちゃんの8人。そうそうたるメンバーが揃ったベスト8。ここからは壇上での戦いになる。注目は九州を拠点に活動する全国1位フォルテ使いのぺぺだい♪。このキャラクターはダッシュからさまざまな派生技をくり出して相手を翻弄するという戦いのスタイルが持ち味だが、その派生技のバリエーションはほかでは見ない個性的なもの。また、ふたつのボタンを使うため技ゆえに使いこなすのが非常に難しい無敵突進技“EXケサディーヤボム”を、絶妙なタイミングでくり出して、これが最大の武器に。準々決勝であのウメハラ(殺意の波動に目覚めたリュウ)、準決勝でいんこ(ルーファス)と当たり“見たことがない動き”で両氏を撃破。決勝戦へ進出した。
 もう一方の決勝戦の相手は、サガットを使うプレイヤーとしていまや世界規模の大会でも活躍するボンちゃん。壇上でかずのこ、マゴといった猛者を倒して勝ち上がってきただけに、あと1勝に向けて気合十分で決勝戦に挑むといったところ。


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●エル・フォルテが幕張を沸かした!

 決勝戦ではタイガーショットを不用意に出せない不利な立場ながら、強力な対空や得意の接近戦で一気にラッシュ攻撃を仕掛けるボンちゃんのサガットに対して、スピードで翻弄しながら、豊富な技の“引き出し”を駆使して奇襲で攻め立てるぺぺだい♪といった構図になった。ここでもEXケサディーヤボムが大活躍。密着状態や、相手のバックステップに合わせるといった意外な使いかたでくり出し、これがことごとく決まる。また、状況に応じてとっさにアバネロダッシュからの派生技を巧みに使い分けて、空間を縦横無尽に使う戦いを披露。高度かつ柔軟な“判断のセンス”も見せた。一時は3勝3敗まで両者並んだ激闘になったものの、最後はぺぺだい♪が悲願の優勝! 
 熊本でプレイしているぺぺだい♪。大会を最初から最後まで観戦していたカプコン小野義徳エグゼクティブ・プロデューサーからのトロフィー授与の後、インタビューでは九州勢の『ウルIV』シーンをともに盛り上げる福岡ゲーマーズクラブ(FGC)の仲間に感謝の意を語ったあと、「6年間プレイして、最初の1年は勝率20%もないほどで負け続けていました。それでもめげずにずっとエル・フォルテでプレイしていて、こういう舞台で勝てたのが本当にうれしいです」と感極まって言葉を詰まらせた。


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●カプコン杉山氏&綾野氏インタビュー

 大会後にカプコン杉山氏と綾野氏からコメントをいただくことができた。まさかの発表で話題となった『ウルIV』の新モード“オメガエディション”についても振り返ってもらった。

――まずはお疲れ様でした。『ウルIV』関連では“オメガエディション”の発表というサプライズがありました。

綾野智章氏(以下、綾野) とても大きな反響をいただき、感謝すると同時に我々自身が驚いています。ツイッターでも“バズ”(いわゆる口コミのことで、ネットでは引用による反響のこと)が起こり、話題のキーワード(トレンド)のランキングで“オメガエディション”が1位となったほど。ちなみに2位が“夕焼け”。圧倒的に対象が多い自然現象を“オメガエディション”が抜きました!(笑)

杉山晃一氏(以下、杉山) 綾野はうれしくて、思わずその画面を携帯で撮影していたほどです(笑)。

綾野 でも、その反響のぶん「真剣に作っていかなくては」と気が引き締まる思いです。リリース時期はまだ未定ですが、みなさんの声に応えるべくがんばります。

――しかし、追加機能とはいえ、『ストリートファイター』シリーズならではのお約束ごとを大きく変える大胆な仕様ですね。

綾野 『ストリートファイター』シリーズが継続されることで、逆に一部の人には「少し窮屈になっちゃったかな?」という感じられる部分もあるのかと思いました。その窮屈さを壊すにはどうしたらいいのだろうと考えたときに、いきなり新作として提示するのではなく、『ウルIV』の“エディションセレクト”機能で選べるものとして登場させてみなさんに評価していただくのがいいだろうと考えた次第です。配信は無料なので、リリースされたらぜひ体験してみてください!

――あくまでオマケ的な存在であり、『ウルIV』の新たな楽しみ方ができるバリエーションのひとつということですね。

綾野 そういうことです。

杉山 じつは今日も、会場で“カプコンTV”(カプコンによるストリーム配信)の放送をしていました。ステージ上の発表では、あまり時間がなくてすべてをお見せできなかったのですが、この放送ではトレーニングモードを使って“オメガエディション”の新技を披露しています。

綾野 トレーニングモードではEX必殺技の新技も自由に出せますからね。録画もありますから、ぜひチェックしてみてください(カプコンTVはこちら)。

――そして、最終日に開催された『ウルIV』日本大会。素晴らしい大会でしたね。ぺぺだい♪選手はさまざまな逆境を乗り越えての優勝でした。観戦していかがでしたか?

杉山 エル・フォルテというキャラクターは強化されたポイントがあるとはいえ、使いこなせる人はそうそういません。ぺぺだい♪さんは極めて高いレベルで使っていたことが驚きです。これまで血のにじむような努力をされたことが想像できます。そして、『ウルIV』の可能性を開いてくれたことがうれしいですね。ぺぺだい♪さんも参加するゲーム団体“FGC”について、2014年8月30日に開催された“一秋千撃杯”大阪予選でも数チームのエントリーがあったりと、福岡を拠点に活発に活動されていますね。これからは『ウルIV』の大きな勢力にもなるのではないでしょうか?

綾野 福岡はゲーム会社もたくさんありますからね。福岡とゲームカルチャーはとても相性がいいのかもしれません。

――九州っ子ならではの気風というか、東京・大阪には負けないぞという心意気もあるのかもしれませんね。それにしても大会には観客が多く集まり、さまざまな来場者に『ウルIV』の対戦のおもしろさが紹介できたのではないでしょうか?

杉山 非常に多くの方が集まってくださり、すごい熱気がありましたね(笑)。2014年で東京ゲームショウの“マッドキャッツ”ブースで開催する大会は2回目ですが、それだけゲームファンの方に認知されているんだなと感じました。

綾野 舞台で選手が輝いてくれることが、何よりも『ストリートファイター』シリーズのアピールにもなってくれます。我々はその舞台を提供する役割に過ぎません。今後も選手が主役となる対戦格闘ゲームのシーン作りにがんばっていきたいですね。