『バトルフィールド ハードライン』の開発元であるVisceral Gamesのスティーブ・パプーシス氏にショートインタビューを行った。ここでは、その模様をお届けしよう。

●『バトルフィールド』らしさとは?

 2014年8月13日(水)~17日(日)の5日間、ドイツ・ケルンのケルンメッセにてヨーロッパ最大のゲームイベントgamescom 2014が開催。開催初日に行われたエレクトロニック・アーツによるカンファレンス“EA's 2014 gamescom Press Briefing”にて(⇒関連記事はこちら)、ひときわ注目を集めていたタイトルといえば、こちら、『バトルフィールド ハードライン』ではなかろうか? カンファレンスでは、キャンペーンモードのプレイ動画が初お披露目されたほか、マルチプレイモードとして“ホットワイヤー”と“レスキュー”の存在も明らかにされた。と、そんなてんこ盛りの発表を受けて、本作の開発元であるVisceral Gamesのスティーブ・パプーシス氏にショートインタビューを行った。以下、その模様をお届けしよう。

――『バトルフィールド ハードライン』は警察と犯罪者の戦いを描いています。これまでの『バトルフィールド』シリーズからすると、少し意外な印象を受けますが、なぜこの設定にしたのですか?
スティーブ 『バトルフィールド ハードライン』のアイデアの背景にあるのは、数年前に知り合ったDICEのカール・マグナス(ゼネラルマネージャー)との会話がきっかけになっています。私は『バトルフィールド 1942』からシリーズのファンで、彼は私が開発していた『Dead Space』をプレイしていて、お互いに尊敬しあっているという仲です。
 『バトルフィールド』はこれまで、第二次世界大戦や2042年の未来、ベトナム戦争、そしていまと、多様な設定を経ていますが、『バトルフィールド』はつねに『バトルフィールド』であり続けています。その真髄はマルチプレイへのアプローチにあると思っています。バトルの構造が、じゃんけんのグー・チョキ・パーのようにしっかりできているんです。地上戦、乗物を使った対戦、空中戦の3つですね。そこで、その点さえわきまえていれば、異なる設定やテーマで展開してみても問題ないのではないかと思い、カールに「警察と犯罪者のテーマを考えたことはあるか?」とアイデアをぶつけてみたんです。すると、カールから「そのアイデアは、DICEでもかなり前から考えていたが、むしろViscealで開発するというのはどうだろう?」という逆提案があり、そこから『バトルフィールド ハードライン』のプロジェクトが始まりました。
 ただ、すぐに開発に入るのではなく、先に『バトルフィールド 3』拡張パック(エンドゲーム)の開発を行い、さまざまなモード作りを体験しました。これによって、楽しいマルチプレイヤーモードが作れるかどうか、テストをしたんです。それがうまくいったので、警察と犯罪者の物語に取り掛かることにしました。

――戦争は国と国との戦いでスケールが大きいですが、警察と犯罪者ではスケールが小さくなるという印象があります。「ユーザーに受け入れられないのでは?」という懸念はなかったのですか?
スティーブ たしかに、最初にE3で発表したときには(⇒関連記事はこちら)、反対意見が出るのではないか、という懸念はありました。そこで発表した直後に、すぐにゲームファンに遊んでもらえるように、ベータテストを開始したんです。発表してからすぐにプレイしてもらい、ユーザーに『バトルフィールド ハードライン』のことをきっちりと知ってほしかったからです。結果は、良好で、ほっとしました。で、そこからフィードバックをもらい、気に入ったことや気に入らなかったことを聞いて、ゲームに反映し、ゲームプレイを強化したんです。

――E3のあとにすぐベータテストがスタートしたのには、そういう目的があったんですね。
スティーブ そうなんです。「これが自分たちのゲームだ!」ということで、すぐにプレイしてほしかったんですね。

――ちなみに、ベータテストでは、どんなフィードバックを?
スティーブ 肯定的な意見、否定的意見いろいろありました。200万人にプレイしてもらったので、“テレメトリー”を駆使してデータを検討しました。プレイヤーで共通しているポイントを見つけて、デザインやフィーチャーの変更に活かしています。コミュニティーの嗜好をベースに、ゲームを向上させたことになります。たとえば、“サバイバル”というパークでは、“バリスティック”で撃たれた場合は、エピペンを刺すと生き返ることができるようにしていました。これが賛否両論で「強力過ぎる」という意見も多かったんです。撃ち合いになった際に、「殺した」と思った相手が生き返るので、プレイヤーはまた撃たなくてはならない。気が抜けないんですね。そこで、やりかたを変えて、ペンを持っていて爆発物にやられたときに限って復活できるようにしました。対面になっているときではなくて、爆発物に近いところで行う。このほうが、バランスが取れてうまくいくと思いました。

――けっこうきめ細かく対応しますね。
スティーブ 一部のヘビーな武器が、警察と犯罪者というフィクションに合わないという意見もありました。ロケットランチャーは、実際にテレビや映画に登場しますが、「ゲームというフィクションには合わない」という方もいたんです。そこで、ヘビーな武器はカスタマイズする際に、クルマのトランクに入れておくことにしました。そして、そのクルマを見つけて自分のものにしたあとで、トランクを開けて使う。すぐにロケットランチャーが使えるのではなくて、リスクとリワード(報酬)があるのでバランスが取れるというわけです。さらに、ロケットランチャーがマップ上にあれば、自分のチームがそれをコントロールすれば優位に立てるようになる。これによって、ゲームプレイにさらにおもしろさが加わると思ったんです。

――ところで、カンファレンスでは、「『バトルフィールド』のコアとなる部分を残しながらも……」といった主旨の発言が聞かれましたが、『バトルフィールド』のコアとは?
スティーブ チームプレイ、戦略、チェスト(軍事関連への興味くらいの意味か)です。そして、予想外の展開ですね。

――今回、マルチプレイヤーモードとして、“ホットワイヤー”と“レスキュー”のふたつが発表されましたが概要を教えてください。
スティーブ “ホットワイヤー”は、マップ上に置かれた乗物を集めることがゴールです。乗物を長くコントロールしながらポイントを稼いで、より多くポイントを獲得したほうが勝ちとなります。乗物を集めるので敵から逃げたり、乗り物を取られないように予防線を張ったりするので、レース状態にもなります。“レスキュー“は、5vs5で、Eスポーツにフォーカスしたモードです。ひとりは1回のマッチに1回しか死ねないんです。1回のマッチは6ラウンドあり、4ラウンドを先に制したほうが勝ちです。警察は人質を犯罪者から救出し、犯罪者はそれを阻止します。

――なるほど、両方とも警察と犯罪者という、設定にマッチしたマルチプレイヤーモードなんですね。『バトルフィールド ハードライン』にマルチプレイヤーのモードはいくつあるのですか?
スティーブ これまでに発表したのは、“ホットワイヤー”と“レスキュー”に、これまで発表していた“コンクエスト”と“デスマッチ”を加えた4つです。現状公式に発表しているのは、ここまでですね。

――最後に、日本のゲームファンに向けてのメッセージをお願いします。
スティーブ 日本の皆さんにも『バトルフィールド ハードライン』を近々プレイしていただけるので、とてもわくわくしています。『バトルフィールド』シリーズは、日本でも人気が高いと聞いています。東京ゲームショウでお目にかかれるのを楽しみにしています。

(取材・文 編集部/F)