●期待の『サイコブレイク』のアレコレを三上氏が語る!

 今年のE3のベセスダ・ソフトワークスの目玉は、三上真司氏率いるTango Gameworksが開発する『サイコブレイク』。ファミ通.comではすでに体験リポートをアップしており(→<こちら>、発売中の週刊ファミ通(2014年6月26日号)でも編集者のインプレッションを掲載している。ここでは、E3最終日に行った、三上真司氏へのインタビューを公開。E3の手ごたえ、開発終盤の様子、本作のアクションやホラー演出へのこだわりについて話をうかがった。(聞き手:週刊ファミ通編集長 林克彦)

――E3最終日ですが、3日間を通して、さまざまな反響があったと思います。まず、手ごたえから教えてください。
三上 開発チームががんばって開発していて、その大部分は受け入れられたと感じています。

――実際に会場では、20分から30分の体験でしたよね?
三上 そうですね。実質20分くらいです。

――もう少しプレイさせたかった、との思いも三上さんにはあるのでは? と思ったのですが。
三上 まさにその通りです(笑)。ブツ切りだと、伝わらないことが多すぎるので、正直あまり本意ではない。会場のモニターとの相性もイマイチで、ちょっとのっぺり感が出てしまった。じつはいろいろあったE3だったのですが、それでもポジティブな意見を多くいただけたことはよかったな、と。そういう意味では、ホっとしています。

――E3前に、ありがたいことに事前にプレイさせていただいてとても印象的だったのが、アクション部分の辛さと楽しさでした。サバイバルモードでプレイしたのですが(ほかに、照準が合いやすいカジュアルモードも実装)、シビアで、辛い、だけど楽しい。ゲームプレイがプレイヤーのモチベーションをけん引すると感じたのですが、そのあたりのバランスは意識されたのでしょうか?
三上 強く意識したわけではないです。でも、僕はもともとゲーム屋さんじゃないですか。やっぱり、コントローラーを握ったときに、緊張感や怖さがわき出るようなゲームバランスにしたい。その部分は、しっかりやっているつもりです。

――途中で何度もやられたからわかったのですが、ランダム性も強いですよね。敵の出現パターンも行動パターンも相当にランダムで、同じ場所のくり返しになっても、緊張感が途切れない。まさに三上さんらしいと感じました。
三上 昔から、僕はランダムの配置をけっこう使うんです。プレイヤーのうまさだったり、プレイスタイルだったりに応じて、けっこうランダムに変わります。遊びが固定化せず、幅は広がったかなと思います。

――まさにそう感じました。また、弾数を気にしながらおそるおそる先に進むプレイ感や、途中で弾数がなくなったときの絶望感は、本作ならではだと感じます。改めて、その意図を教えてください。
三上 これまでホラーゲームはたくさん出ているので、ホラーゲームの怖さのパターンって知り尽くされていますよね。だから、雰囲気や演出による怖さだけではなくて、ゲームのシステム面や難易度もギリギリを突いて、その両方で怖がらせないとダメだと思ってるんです。料理を作るのと同じで、細かく、いろいろなところに手を加えています。何度も何度も微調整をくり返しました。それは本当に、スタッフのがんばりのおかげです。

――ホラーの演出についてですが、いろいろなホラーが融合されていて、怖がらせかたのパターンも統一されていないですよね? だから神経が昂ったり擦り減ったり泣きたくなったり、それこそ感情がヤバいことになったのですが(笑)、ホラーの演出の部分で、三上さんのお気に入りのシーンは?
三上 貞子みたいなやつがいるんですけど、あれは本当に怖いです。僕はいまだに怖い。今回はスタッフのアイデアがたくさん入っているので、おっしゃる通り、混沌としたホラーになっていると思います。

――今回の試遊にも出てきた、スーパー貞子みたいなやつですね。あれはヤバいです。一目散で逃げたくなります(笑)。弾数は、今後の調整でもっとシビアになるのでしょうか?
三上 はい。もっとシビアにします。この前遊んでいただいたバージョンよりも、きびしくなりますよ。

――それは、いろいろな解法が用意されていることを知っているとはいえ、相当にシビアですね。
三上 最初は、弾数もゆるい設定にしていたんです。でも、シューティングがうまいプレイヤーは、それだけでいけちゃう。ふつうのサバイバルホラーと変わらないじゃん、ってなっちゃったんです。一方で、あまりにきびしくすると、コントローラーを投げられちゃう。そのバランスをどうとるかで相当悩んだのですが、やっぱりサバイバルホラーって、絶望的にしんどい状況を乗り切ったときの達成感がないとダメなんです。だったら中途半端はやめようと。シビアにして、スニークキルや、難しい手段になりますけどトラップで倒すとか、そういった戦術を駆使するように調整しました。カジュアルモードも、別ゲームではないので、まあいいかな、と。

――では、すでに調整は終えられているのですね。
三上 予定では(笑)。今週で終わるはずだったんですけど、E3で遅れました。いまは、スニークキルを1、2回使わないと、弾数がきびしくなるようなバランスにしています。……僕がプレイしても、難しくておもしろいんですよ(笑)。それって相当のことで、デバックチームからは、本当にこのバランスで出すの? って聞かれるんですけど、でも、それくらいじゃないとダメだと思っていて。難しくてきびしい……と感じたときにはカジュアルモードがあります。100点満点を取るのではなく、あえて難易度は妥協しないようにしよう、と思っています。

――楽しみにしています! アクション部分では、クロスボウといった使い勝手のある武器もあって、工夫のし甲斐があります。
三上 武器は、最初からある程度装備できるようにして、あとはユーザーさん次第で使ってほしい、という考えかたです。ちょっと原始的な武器が多いのですが、それは、一般的なシューターにしたくなかったから。遊びの自由度は序盤から用意しているので、工夫して楽しんでほしいと思います。マシンガンのような武器が登場しないのも、そのためです。

――おそらく最初のプレイは、わけもわからず逃げ回りながらクリアーして、全貌がつかめないと思います。そういう意味では、2周目も必至のゲームだと思うのですが。
三上 そうですね。ストーリーも突き放して、わかりにくくしています。2周目で落ち着いてプレイすると、自分なりの輪郭が浮かんでくるかな、と。正解をぽんと示すようなことはしません。でも、だからこそ、知りたいという気持ちになると思います。ゲーム中のファイルや新聞気記事を見て、自分なりに考えてくれるとうれしいですね。

――ちなみに2周目をする際の引き継ぎ要素などは?
三上 まだ言えません(笑)。

――わかりました(笑)。それから、予約特典も用意されますよね?
三上 それはもちろんです。あまり見たことがないような特典を考えています。驚いてもらえるとうれしいな、と。発表は、もう少し待ってください。

――『サイコブレイク』、本当に完成を楽しみにしています。ありがとうございました!