E3で発表されたタイトルは、ほぼ日本でも展開予定
2014年6月10日~12日(現地時間)、アメリカ・ロサンゼルスで開催される世界最大のゲーム見本市E3(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ)2014。その前日にあたる6月9日に行われた“Xbox E3 2014 Media Briefing”(⇒関連記事はこちら)の後で、日本の取材陣を対象として、日本マイクロソフト・泉水敬氏への囲み取材が行われた。ここでは、その模様をお伝えしよう。詳細は、以下のやりとりをご覧いただくとして、今回ブリーフィングで発表されたタイトルは、ほぼ日本でも展開予定であることや、この6月に国内での展開を発表予定であることなどが明らかにされている。
――今回、ゲーム推しのブリーフィングとなりましたね。
泉水 Xbox Oneは、さまざまなエンターテインメントを扱えるものの、その中心にあるのはゲームです。ですので、Xboxの原点に戻って、Xbox Oneで遊んでもらえるゲームを見てもらいたいとの思いからゲーム推しとなりました。とくに、E3に注目していただいているファンの皆様にとってはゲームが大切ですので、ゲームを盛り上げていきたいです。
――原点回帰とのことですが、今回発表されたタイトルがどれくらい日本で出るのか、気になるところです。
泉水 基本的には、ほとんどすべてのゲームが日本で展開されます。日本発のゲームもいくつかありまして、プラチナゲームズさんとのコラボでゲームを鋭意製作中です。
――ゲーム推しは、海外においてゲームで巻き返しを図ろうという意図によるものでしょうか?
泉水 巻き返しというか、昨年のE3からいろいろとファンの皆さんの声を聞かせていただいて、「ファンの皆さんにとって大切なものは何か?」ということを今回集中してお見せした形になります。
――Kinectを同梱しないバージョンが北米では本日(6月9日)から発売されますが、それもゲームファンに訴求したいとの思いからですか?
泉水 まずはゲームを遊んでいただくうえで、遊んでいただくためのハードルを下げて、購入価格を下げることによって、より多くの方に触れていただく。そこからXbox Oneの本当のフルの体験を、Kinectも含めてしていただけるような展開を考えています。
――Kinectタイトルがなかったですが、あえて外したのですか?
泉水 今回はお見せしませんでしたが、今日発表されたタイトルもKinectをフィーチャーした何らかの要素を取り込んでいますので、実際に遊んでいただくうえでは、Kinectの体験も楽しんでいただけるようになると思います。
――ちなみに、Kinect同梱とKinectなしの販売割合としては、やはりKinectなしが多いと想定していますか?
泉水 そのへんはユーザーの皆さんが判断されることなので、我々としてはユーザーさんの動きに対応できるように準備を進めています。
――『ファントムダスト』の新作が発表されてびっくりしました。
泉水 我々がこれまで展開してきたさまざまなフランチャイズがありますが、今日発表された『ファントムダスト』など、初代Xboxで展開されたIPを、今後も育てていこうというスタジオの意図によるものですね。新しいフランチャイズをゼロから作るものと、以前のIPをさらに積み上げていくものと、両方の展開があります。
――協力プレイタイトルが多かったように思いますが、Xbox Oneでは協力プレイを推していこうと?
泉水 そうですね。最近はこれまでのような対戦型ではなくて、協力型ゲームの人気も高まっています。協力型ゲームを中心に展開していこうという現れだと思います。
――今回お披露目されたタイトルで気になるのは?
泉水 やはりプラチナゲームズさんのタイトルは気になりますね。あと、これまで10数年Xboxの事業に関わってきたので、『ファントムダスト』も気になります
――Xbox Oneは、北米での発売から11ヵ月遅れてしまいますが、そのずれは取り返せますか?
泉水 この期間に発売されたタイトルも遊んでいただけるように、日本でも順次発売していきますので、そういった意味では、日本のユーザーの皆さんは、Xbox Oneのローンチ以降、非常に多くのゲームを短期間で遊んでいただけると思います。
――ずばり、プレイステーション4と比べてのXbox Oneの魅力を教えてください。
泉水 ラインアップに関しては、非常にユニークなものを持っていると思います。数もそうですが、バラエティーに富んでいますので、日本のユーザーの皆さんにも遊んでいただけるものを揃えられていると自負しています。あとはKinectを使った体験や、ゲーム以外のエンターテインメントも数多く提供していきますので、そういったものを総合したプラットフォームとして、多くの特徴を打ち出していければ……と思っています。
――発売がプレイステーション4から出遅れましたが、ユーザーを取られているという印象はありますか?
泉水 スタートは出遅れましたが、9月4日からゲームとゲーム以外のコンテンツを数多く提供していきますので、日本のユーザーの皆さんにも、Xbox Oneを楽しんでいただけると思います。
――ワールドワイドでは、少しプレイステーション4に水を開けられているようですが……。
泉水 ワールドワイドでは、Xbox Oneは昨年11月に13ヵ国で展開していますが、今後展開地域を順次広げていくことによって、ワールドワイドでのインストールベースもより広がっていくと思います。
――ゲームだと、マルチタイトルが多く、Xbox Oneオンリーが少ないように思いますが、今年の年末商戦に向けて、ゲーム以外でも「こういうコンテンツを展開していきたい」といったように、国内で発表する予定はありますか?
泉水 まずゲームについては、今日発表させていただいた中でも、Xbox Oneオンリーというのは数多くあります。Xbox Oneでしか展開されないタイトルですとか、Xbox Oneのみで展開されるコンテンツですとか、こういったものも数多くありますので、ゲームだけでも差別化できると思います。一方で、ゲーム以外のコンテンツサービスについても、日本独自のものを予定しています。今月中には日本での展開も発表させていただく予定でいます。ゲームタイトルもそうですし、ゲーム以外のサービスも予定していますよ。
――日本はソーシャルゲームが人気ですが、Xbox Oneはそういったユーザーにも訴求する?
泉水 スマホやタブレットを中心としたカジュアルゲームは、ゲーム人口を増やした効果があると思っています。こういった多くの方々のなかから、よりハイエンドで、没入感の高いタイトルを数多くプレイしたいというユーザーの皆さんが出てくると思っています。そういった意味では、どちらかがどちらを圧倒する……というよりも、今後も共存していくことになるのではないでしょうか。
――ライトユーザーとヘビーユーザーは共存していく感じでしょうか?
泉水 Xbox Oneで体験できるものは、必ずしもヘビーユーザーのみが楽しめるものではありません。オンラインで配信されているカジュアルゲームもあります。Xbox 360でも非常に多くのユーザーさんに遊んでもらっている『マインクラフト』であるとか、比較的気軽に遊んでもらえるタイトルも、長く遊んでもらっています。そういったゲームを今後Xbox Oneで展開することで、ヘビーユーザーの皆さんのみならず、カジュアルゲーマーにも楽しんでもらえるプラットフォームにしていきたいですね。
――いまゲーム業界は、シリーズものが多くなっているように思いますが、ライトユーザーを取り込むために有効なのでしょうか?
泉水 シリーズものはそれだけ多くの方がコンスタントに楽しまれるものなので、きちんと展開していく必要があると思っています。一方で、新しいものを出していくことも大切だと考えていまして、そういった取り組みをマイクロソフトはもちろん、サードパーティーの方といっしょに進めていきたいです。
――そのへんはインディーに力を入れていく?
泉水 そうですね。やはり大手のメーカーさんとは違ったアイデアが、中小規模のゲームクリエイターさんからどんどん出てきていますので、そういった中から新しい遊びかたや新しいゲームが生まれてくるのではないかと、期待しています。
――今後の日本での展開をお教えください。
泉水 今回E3を通して数多くのゲームタイトルを発表しましたが、日本の発売に向けて、ゲームのラインアップやゲーム以外のコンテンツ、サービスを近々お伝えしたいと思っていますので、ご期待ください。
(取材・文 編集部/F)