1stソロライブの開催も決定した原由実さんが4thシングルを語る
声優、歌手として活躍する原由実さんの4thシングル『Rose on the breast』が2014年6月25日に発売される。同シングルの表題曲『Rose on the breast』は、プレイステーション3用ソフト『神様と運命覚醒のクロステーゼ』のダブルエンディング曲の1曲に、カップリング曲の『In the rain』は、プレイステーション Vita用ソフト『コープスパーティー ブラッドドライブ』のダブルオープニング曲の1曲に起用されるなど、タイアップも豪華なCDとなっている。そんな4thシングルについて、原さんに語ってもらった。
ふだんの3倍の時間をかけた表題曲
――まずは、4thシングルを出すことが決まって、どんなお気持ちでしたか?
原由実さん(以下、原) 今回は、4枚目のシングルのことをお伝えいただくと同時に、声優としても出演させていただく『神様と運命覚醒のクロステーゼ』(以下、『神クロ』)の曲だと教えていただいたので、ダブルの喜びがありましたね。声優としても、アーティストとしても、いい表現ができるようにがんばろうと思いました。
――声優として参加される作品の曲を歌うとなると、いつもとは異なる雰囲気で歌われたりするのでしょうか? また、どのような気持ちで歌いましたか?
原 私が『神クロ』のなかで演じさせていただくのは、“東江アルル”という天才研究者なんですが、作品やアルルとリンクしているような歌詞になっているので、そのイメージは意識しました。ただ、これはアルルのキャラクターソングではないので、アルルのことを考えつつも、“原由実”として表現できるようにというのは気をつけましたね。
――レコーディングの際に印象に残った出来事はありましたか?
原 この曲は、すごくキーが高いんです。おウチでも小声でしか練習することができなくて、実際にスタジオで歌ってみたところキーが高すぎて、“表現する”という域まで届かなかったんです。すごく苦しそうに歌っているように聞こえてしまって。フルサイズを練習で歌ったときも最後は力尽きてしまいました。エンジニアさんやプロデューサーさんも、私の歌声を聞いて、ちょっと難しいのかなと思われたようで、「キーを下げてみますか?」と提案をしていただいたんですね。そこで実際にキーを半音下げて歌わせていただいたら、それだけでずいぶん楽になって、苦しさもなく、自分の表現したい歌いかたができるようになったんです。でも、この曲を作品として考えたときに、本来、『Rose on the breast』が持っている勢いが半音下げることでなくなってしまうように思えて。せっかく素敵な曲を橋本由香利さんに書いていただいたのに、それでは悔しいなと感じて、スタッフさんたちと相談した結果、元のキーのまま歌うことになりました。でも、あまり歌いすぎてしまうと声が尽きてしまったり、喉がカスカスになったりしてしまうので、注意しながら歌いました。この曲はハモリも多くて、録る部分がすごく多いので声が尽きないようにしつつ、でも苦しい歌いかたのまま録るのはイヤだったので、喉の調子を見ながら歌いました。スタッフさんも、私自身納得できる状態になるまで収録を待ってくださったので、レコーディング時間としてはいままでの3倍くらいかかったんじゃないかと思いますが、結果、悔いのない仕上がりになったと思います。
――3倍も!? その苦難を経て、ご自身で成長した部分は感じていますか?
原 キーを変えるまえに歌ったテイクが、私的には本当にダメ過ぎて、自分はまだまだだなと痛感したんです。でも、それがある意味大事なことだったと思えました。自分が思うような表現ができなくて悔しい思いをするレコーディングもこれまでにはありましたが、今回のテイクは、衝撃の仕上がりだったんです。今後はスタッフの方から「キーを下げましょうか」と気をかけてもらうようなことが起きないように、ちゃんと自分のダメだったところに向き合っていかないとダメだと思いました。
――先ほどのお話を聞いていて、ハモリもご自分で歌われていることに驚きました。
原 今回は量がものすごく多くて(笑)。そのあとに作曲の橋本さんにお会いしたときに、「これ全部自分で録ったんですね!」と驚かれるぐらい、追っかけの部分にも上下があったりするので、本当にたくさんありました。でも、自分の声で録ったほうが、本線の音になじむので、自分で録ることを選びました。
――ハモりと本線では歌いかたを変えたりはしているのですか?
原 本線ではニュアンスをつけようとか、サビは勢いがあるので、その勢いを乗せた歌いかたをしようと表現を豊かにしています。でも、“ハモリや追っかけの部分は、色を出しすぎないように”というディレクションだったので、「御国は来たりぬ」といった歌詞の部分は、ちょっと棒読みっぽく、あまりニュアンスを入れないように歌いました。
――『Rose on the breast』で原さんが気に入っている点はどこですか?
原 追っかけの部分になるんですけど、“ハレルヤ”とか“ホサナ”と言っているところがあるんです。その単語が入ることで、曲が幻想的に、宗教音楽チックな感じになるので、この曲にとっては非常に大切な持ち味になっていると思います。そのほかでいうと、Dメロのところの“正解のない世界で”という歌詞がアルルちゃんに通ずる内容になっているんです。レコーディングのときもアルルちゃんのニュアンスを込めるように気をつけて歌ったので注目していただきたいですね。
――ちなみに、原さんが演じる東江アルルは、どのようなキャラクターなのでしょう?
原 神様を作ることができる天才研究者さんで、悪魔です。天界に捕虜として捕まっているんですが、天界としてはアルルちゃんに神様を作って欲しいから、ある程度の自由を許されているんです。すごくかっこいい感じで、セリフも難しい言葉がたくさんでてきたんですが、この子はカップラーメンが好きで、そこが私とそっくりだと思いました(笑)。私は、許されるなら毎日カップラーメンを食べていたいぐらい大好きなんです。でもアルルは実際に1日に3食もカップラーメン食べるような勢いなので、すごくうらやましいです(笑)。
――『神様と運命覚醒のクロステーゼ』のプロモーションで、今井麻美さんと徳島で開催された“マチ★アソビ”にも行かれたそうですね。
原 “マチ★アソビ”では、麻美さんが演じる宙海ジュピエルちゃんと、私が演じるアルルちゃんのふたりで歌っているキャラクターソングを初披露させていただきました。『Prayer』という曲で、すごくカッコいい曲です。キャラクターソングなので、『Rose on the breast』よりもアルルちゃんの声と同じ“低音”を出すことを意識して歌いましたね。“マチ★アソビ”自体も楽しかったです。イベントでは『神クロ』という作品が、“究極の選択”をテーマにしているので、私と麻美さんの“どちらが究極の選択を出せるか!?”という勝負をしました。
――原さんが出した“究極の選択”はどんなものだったのですか?
原 私は3つ出しまして。ひとつ目は、“40度の暑さか、-40度の寒さだったらどちらがいいか?”。ふたつ目は“すごい腹痛に襲われるか、すごい頭痛に襲われるならどちらがいいか?”。そのふたつはお客さんの意見が、わりと半々に分かれて麻美さんに勝っていたんです。ところが最後の、“自分の胸がKカップになるか、A’カップの一生まな板のままなら、どちらがいいか?”という質問を出したら、思っていた以上に皆さんKカップが嫌みたいで、みんなA’カップを選んでいたんですよ。一生まな板ですよ? 私的には半々に分かれると思っていたのでビックリしました。イベント後の皆さんの反響として「“まな板”、“まな板”と、今井さんに言い続けるのがすごかったです!」というメールをいただいたりして、麻美さんは“まな板”じゃないのに、「あれ?」と思ったんですが、皆さん的には好評だったみたいでよかったです(笑)。
『コープスパーティー』はクリアー済み!?
――4thシングルのカップリング曲となる『In the rain』は、どのような曲ですか?
原 『コープスパーティー ブラッドドライブ』の曲ということで、ホラーチックな雰囲気のある曲です。作曲は、私の曲をよく書いていただいているJohnny.kさんに担当していただいていまして、Johnnyさんっぽいロック調と『コープスパーティー』のホラーの雰囲気が合わさって、切なくもカッコいい曲に仕上がっています。今回、Johnnyさんは8~9曲ほど曲を作って、その中からいいものを選んで提出してくださったそうで、すごく情熱を傾けて今回の楽曲制作に取り組んでいただいたと聞いて、とてもうれしかったです。たくさんの楽曲の中から、ご自身が自信を持って提出してくださった曲だけあって、とても素敵で個人的にも気に入っています。麻美さんの歌う『化身』とともに、ダブルオープニングとなっているのですが、『コープス』っぽさはあるものの、方向性がまったく違っているので、ふたつのオープニングの両方とも楽しめる内容になったと思います。
――『コープスパーティー』のイベントで初披露されたそうですが、歌ってみた感想は?
原 緊張しましたが、歌いやすいと感じました。最近レコーディングを行った曲が、『Rose on the breast』など、若干苦労する曲が多かったんですが、この曲はすんなり歌うことができたんです。イベントでは初披露にも関わらず、ずっと前から歌ってきたかのように、自分になじむ曲でした。
――レコーディングで印象に残っていることは?
原 作曲のJohnnyさんがレコーディング現場にいらっしゃったので、すごく緊張しました。でも、それ以外は本当に平和に終わりました。『In the rain』を録ったスタジオが私の大好きなスタジオで、その近くに中華料理屋さんがあるんですが、そこの担々麺が私は大好きなんですよ! 両親が東京に来たときに絶対に食べさせてあげたいと思うぐらいおいしくて。そのスタジオで収録があるときは、よく担々麺を注文していただけるので、「今回もきっと担々麺が食べられる!」と思いながらレコーディングに臨みました。すごく幸せな時間でしたね(笑)。
――(笑)。同曲がオープニングとなっている『コープスパーティー』ですが、原さんは『コープスパーティー -THE ANTHOLOGY- サチコの恋愛遊戯・Hysteric Birthday 2U』(以下、『2U』)から水原さつき役で参加されていますよね。原さんから見た、『コープスパーティー』の魅力はどんなものですか?
原 じつは、『コープスパーティー』は1作目(※PSP用ソフト『コープスパーティー ブラッドカバー リピーティッドフィアー』)をプレイさせていただいているんです。麻美さんが何年も前に自宅でプレイされていて、「おもしろそうですね」と言ったら貸してくださったんです。その後、最後までプレイしたんですが、効果音やイラストが怖かったですね。ただ、単純に怖いだけの作品ではないです。最後までやり込みたくなってしまう、クリアーしたいと思えるような作品でした。途中何度もやられちゃったりもするんですが、引き込まれる何かがあるんですよね。『ブラッドドライブ』のシナリオもすべてを知っているわけではないのですが、それぞれのキャラクターにも、いろいろ抱えているものがあったりして。私が演じさせていただいた水原さつきちゃんも、ふだんからポテチを食べて、いつでも元気な女の子なんです。初登場となった『2U』は、ラブコメタッチだったので怖いシーンはなかったんですよ。でも、今回の作品では彼女の過去も描かれていて、とても衝撃的な過去というか、悲惨な過去なんです。そういう面を知ることでキャラクターひとりひとりの個性が際立って、作品の魅力につながっているんじゃないかなと思います。
気になるノンタイアップ曲。そしてDVD付盤の詳細は?
――3曲目の『オレンジ色の季節』はノンタイアップの楽曲ということですね。レコーディングはまだ行われていない(※取材当時)とのことですが、どのような感じの曲なのでしょうか?
原 4thシングルに収録されている、ほかの2曲はシリアスめな楽曲なので、3曲目はガラっと雰囲気を変えたいと思っていました。どんなものがいいかを考えたときに、ファンの皆さんから、「かわいい感じの曲も聴いてみたいです!」という声をけっこういただいていたので、少しかわいさを意識した曲にしたいとお願いしました。キュンキュンしたかわいさは私には似合わないかなと思っていたので、ナチュラルなかわいさのある、恋する気持ちを歌った曲になっています。曲は爽やかで、歌詞は甘酸っぱいような、そんな恋の歌です。
――原さんの楽曲の中で爽やかな恋の歌というと『Splash mind』が思い起こされますが、それとはまた異なる感じなのでしょうか?
原 『Splash mind』のほうが勢いがありますね。『オレンジ色の季節』はのんびり、ゆったりとした雰囲気です。
――なるほど。どんな曲に仕上がるのか楽しみにしています。そのほか先日、4thシングルのミュージックビデオとジャケットの撮影を先日行われたそうですが、ジャケットはどんな雰囲気のものになりそうですか?
原 どんな感じになるんでしょうね(笑)。今回のミュージックビデオは『Rose on the breast』を意識して、2パターンのぜんぜん雰囲気の違う衣装を用意していただきました。ひとつは白い衣装でマリア様のような空気感があって、そちらの衣装を着ているときは背景も白くしてあります。もうひとつの赤い衣装は、後ろが黒い背景になっていて、画面自体も暗い雰囲気になっているんです。天使と悪魔といった感じで光と影をテーマにしたミュージックビデオになっていますね。今回はミュージックビデオ自体、いままでに挑戦したことがないものになっているんです。光の当てかたが独特で、影を意識した作りになっていて、シルエットで見せるカットがたくさん入った幻想的な内容になっています。ジャケットも、きっとギャップを楽しんでいただけるような……………………いや、ジャケットだとどちらか1枚しか使われないですよね(笑)。
――いまはまだわからないんですね(笑)。
原 そうなんです!(泣)。
※『Rose on the breast』ミュージックビデオ(Short ver.)はこちら
――さらに、DVD付盤にはバースデイライブのダイジェスト映像が入るそうなんですが、こちらはご覧になりましたか?
原 観ました! 観ているうちに当日緊張していた感覚が蘇ってきましたね。私がチェックさせていただいた段階では、何曲分か入っていてボリューミーな内容だったんですけれども、今回は失敗したところもカットせずにそのまま入っています(笑)。当日来られた方はそのときのことを思い出しやすいと思いますし、当日参加できなかった方も雰囲気がわかっていただける映像になっていますので、ぜひ観ていただきたいです。
――ライブといえば、1stライブの開催も決まりましたね。ぜひ意気込みをお願いします。
原 バースデイイベントのときには、12曲ぐらい歌わせていただいたんですけれど、今回はがっつり“ライブ”なので、曲数もどどんと増えます! 私名義の曲というか、1stアルバムや4thシングルの3曲を全部歌わせていただいて、なおかつプラスアルファで別の曲も歌いたいなと思っています。ボリューム満点の内容でお届けできると思いますし、バースデイイベントがすごく好評だったので、それに負けないように、来ていただいた方に満足して帰ってもらえるようにしたいと思います。詳しくはまだ決めていませんが、私の好きなバンドの曲なんかも、ぜひ歌いたいですね。ふだんから「こんなことをしてみたいな、こういうことはできないかな?」というアイデアをお風呂のなかで考えていたり、いろいろとメモをしていたりするので、自分からもアイデアを出して、ライブをいいものにできるようにがんばります!
――ライブの内容はまだ決まっていないと思いますが、原さんの中ではどんなアイデアがあるのでしょうか?
原 一応、考えていることはあるんですが、実現しない可能性もあるので、まだ関係者やスタッフさんにも伝えていないんです(笑)。自分なりにいろいろと試してみて、実現できそうになかったら誰も知らないアイデアになると思います。ただ、カバー曲はやりたいと思ってます。私の好きなバンドの曲を毎回歌っているような気もしますが(笑)、また歌えたらいいなと思います。
――『Rose on the breast』は発売記念キャンペーンが5回、タワーレコード新宿店でのイベントが1回行われます。こちらはどんな内容にしたいですか?
原 私の発売記念イベントでは、お渡し会や握手会などのときに恒例になっていることがあるんです。それが私お手製のプレゼント用意するということです。いままで私が作ったのは、“布を切った名札と呼ばれるもの”でしょ、“ティッシュをこより状にした線香花火”でしょ、あと、(2014年)1月のバースデイイベントが“Place of my love”というタイトルだったので、“ハートを紙にいっぱい書いてジョキジョキ切ったもの”をお渡ししました。ぜひ、今回も何かプレゼントを作りたいと思っているので楽しみにしていただきたいです。あとはライブがある場所がタワーレコード新宿店さんと、ゲーマーズなんば店さん、AKIAHABARAゲーマーズ本店さんのみと、回数が少ないので、いいものがお届けできるようにがんばりたいなと思います。
■原由実さん4thシングル「Rose on the breast」
発売日:2014年6月25日発売予定
価格:【DVD付盤】2300円+税/【通常盤】1700円+税
【収録内容】
【CD】収録曲数:3曲+off Vocal
01. Rose on the breast(作詞:谷ユカリ/作曲・編曲:橋本由香利)
02. In the rain(作詞:宮藤優矢/作曲・編曲:Johnny.k)
03. オレンジ色の季節(作詞:松本流花/作曲:L75-3/編曲:南 利一)
04、05、06 各off vocal を収録
【DVD】※DVD付盤のみ
・「Rose on the breast」Music Video
・「Rose on the breast」Music Video メイキング
・“原 由実 バースデーイベント2014 Place of my love”ダイジェスト映像
発売日:2014年6月25日発売予定
価格:2300円+税
発売日:2014年6月25日発売予定
価格:1700円+税