「黄昏ジュヴナイル」は夕暮れにピッタリの曲
週刊ファミ通のニュースページ“エクスプレス”にて連載中の、ゲームに関連した著名人へのインタビューコーナー“Face”。誌面スペースの都合などからカットした部分を網羅した完全版を、ファミ通.comでお届け! 今回のゲストは、アークシステムワークスのプレイステーション Vita/プレイステーション3用ソフト『魔都紅色幽撃隊』のエンディングテーマを歌っている、声優アーティストの遠藤ゆりかさんです。
■魔都紅色幽撃隊
プレイステーション Vita、プレイステーション3
アークシステムワークス
2014年4月10日発売予定
各6800円[税抜](各7344円[税込])
霊を視る力を持つ高校生たちの青春を描くアドベンチャーRPG。“感情”と“感覚”の組み合わせで主人公の行動を表現する“五感入力システム”や、敵の行動を読みながら戦う“行動予測システム”などを搭載。
遠藤ゆりか
Yurika Endo
2012年、第6回全日本アニソングランプリの決勝に進出。同年、第2回ぽにきゃん声たまオーディションでプリンセスを受賞する。2013年、ユニット“YURI*KARI”でメジャーデビュー。2014年2月、GLAYのHISASHIプロデュースのもと、テレビアニメ『Z/X IGNITION』のエンディングテーマ「モノクロームオーバードライブ」でソロデビューを果たした。現在、歌手・声優として活動の幅を広げている。
魔都紅色幽撃隊EDテーマ 『黄昏ジュヴナイル』 遠藤ゆりかミュージックビデオ
■ワンコーラスで採用決定!
――初めに、『魔都紅色幽撃隊』のエンディングテーマを遠藤さんが歌うことになった経緯から教えてください。
遠藤 今井さんがエンディングテーマを歌う人を捜しているときに、幸運なことに、お声をかけていただいたんです。「どんな声か聴いてみたい」ということで、3曲ほど歌わせていただくことになったんですが、1曲目をワンコーラス歌ったところで「もういいよ」って言われて。
――えっ、ワンコーラスですか!?
遠藤 そうなんです。すごくドキッとして、「ダメだったのかな……」と思ったんですけれど、その後「それでは、エンディングテーマをお願いします」と言っていただけて。そのときは、ホッとした気持ちと、うれしかった気持ちがすごく大きかったですね。
――ちなみに、予定では、どんな曲を3曲歌う予定だったのですか?
遠藤 おもにアニソンをチョイスしたんですけども、1曲目では黒崎真音さんの「Crimson roses」を歌いました。もともと、かなり練習していた曲だったので、この曲を通じて自分の声を知っていただけると思ったんです。
――では、晴れて遠藤さんが歌うことになったエンディングテーマ「黄昏ジュヴナイル」は、どのような曲なのかを教えていただけますでしょうか。
遠藤 本当に疾走感溢れる曲で、ロックなんですけれども、どこか哀愁漂うサウンドになっています。『魔都紅色幽撃隊』の物語は“夕暮れ”がキーワードになっていますが、本当に夕暮れにピッタリの曲です。
――「黄昏ジュヴナイル」を歌うのは難しかったですか?
遠藤 難しかったです! 楽曲のイメージと、歌いかたのイメージをうまく融合させるのが難しくて……伸びやかでまっすぐだけど、しっとりした雰囲気も出してほしい、とのことでしたので。
――ストレートさと大人っぽさ、どちらも欲しい、ということだったんですね。
遠藤 はい。今井さんの書かれる歌詞は、独特の世界観でしたので、それを自分なりに噛み砕いて表現していきました。
――「黄昏ジュヴナイル」について、とくに遠藤さんが気に入っているところはどこでしょうか?
遠藤 出だしがすごく好きなんです。しっとりした歌から始まる楽曲なのですが、そこからAメロが始まるまでに、一気に爽やかなサウンドになっていくんです! その流れが聴きどころだと思います。あとはやっぱり、サビの盛り上がりですね。ハーモニカの音がいいんです! デモ曲をいただいた段階では、ハーモニカの音は入っていなかったのですが、その後にハーモニカが入ったバージョンを聴かせていただいて。切なさ、夕暮れのイメージがグッと増していて、楽器ひとつでこれだけ雰囲気が変わるのかと驚きました。
――この曲がゲーム本編で流れるシーンは、ご覧になりましたか?
遠藤 はい! 本当に、アニメのエンディングみたいで、感動しました。ゲーム本編の最終話では、フルコーラスで流れるとのことなので、聴くのが楽しみです。
――ライブでも、みんなで盛り上がれそうな曲ですよね。
遠藤 歌いたいですね! 生ハーモニカといっしょに。『魔都紅色幽撃隊』が発売された後、皆さんに聴いていただける機会があればいいなと思います。
■メガネの巫女さんに萌えないわけがない
――また、遠藤さんは、声優としても本作に出演されていますね。
遠藤 “曳目てい”ちゃんという、巫女の女の子を演じています。エンディングテーマを歌わせていただくことが決まった後、「じつは、まだ声の担当が決まっていないキャラクターがいて……」と、出演のお話をいただいたんです。もうデザインができあがっていたので、見せていただいたんですけども……メガネで巫女さんということで。これで萌えないわけがない! と思いまして(笑)。でも、萌え萌えしすぎず、落ち着いたところがあるのも魅力だと感じました。
――メガネで巫女で弓道部なんて、条件が揃いすぎですよね(笑)。
遠藤 こんな高嶺の花のような女の子が実際にいたら、きっと、柱の陰からこっそり見てしまいますね(笑)。会いたいばかりに、自分も弓道部に入っちゃうかも!?
――曳目ていは、どんな性格の子なのでしょうか?
遠藤 見た目の通り、心やさしい、柔らかい感じの子です。一方で、戦っているときは、落ち着いてながらも凛々しいところが見られます。必殺技を叫ぶのは、楽しかったです! 小さいころはやっぱり、魔法少女とかを夢見ていたので……。自分の中に潜む“中二心”を出しながら演じました(笑)。
■ゲームもアニメも小さいころから大好き!
――ところで、この『魔都紅色幽撃隊』では高校生たちの物語が描かれますが、遠藤さんは、どんな高校生活を送っていましたか?
遠藤 幽霊に遭遇するなんてアドベンチャーはありませんでした(笑)。部活は軽音楽部に所属していました。部活は本当に楽しくて、ガールズバンドを組んでいたんですけど、みんなでいる時間が長い分、深いところまで打ち解けることができました。それから、積極的にバンド活動をするようになって、アニソンのバンドで歌ったりもしましたね。そのころの経験が、いまの自分の根っこにあるのは間違いないと思います。
――アニソンは、昔からお好きだったんですか?
遠藤 私、予定がない日はアニメをずっと見る生活をしていて。小さいころは、『おジャ魔女どれみ』や『セーラームーン』や『カードキャプターさくら』が好きで、小・中学生のころは少年マンガにハマっていたのですが、高校生になってから、なぜか深夜アニメが好きになって……毎クール、アニメを20本くらい見ていました(笑)。
――20本って、そのクールのアニメ、ほとんど全部じゃないですか(笑)。
遠藤 (笑)。私は最後に「えーっ!」ってなるようなアニメがとくに好きで、いままで見た中では、『シュタインズ・ゲート』がいちばん好きです。原作のゲームもプレイしました。
――ゲームもお好きなんですか?
遠藤 昔からネットゲームが好きです。叔父に組んでもらったゲーム用のPCで、いまは『AVA』をプレイしています。プライベートでオフラインイベントを見に行きました! ほかには推理モノも好きで、『逆転裁判』や『ダンガンロンパ』にハマっています! ストーリーが綿密に組まれているゲームが好きなので、『魔都紅色幽撃隊』の概要をうかがったとき、とても自分好みだな、と思いました。「このゲームのエンディングが歌えるんだ」と思ったら、本当にうれしくて、発売が楽しみです。
■遠藤さんのこれからのチャレンジ
――遠藤さんは2月にソロデビューされたばかりとのことですが、これからどんな活動をしていきたいですか?
遠藤 ありがたいことに、新人ながら歌手、そして声優のお仕事をいただけているので、どちらもがんばっていきたいと思っています。声優活動については、いろんな役に挑戦してみたいです。これまでは、だいたい自分と年齢が近いキャラクターを演じさせていただいたのですが、もっと小さい子や、年上のお姉さんにチャレンジできる機会があればうれしいです。まだまだ自分の声については手さぐりなので、“遠藤ゆりか”という個を確立していけるようにがんばりたいです。
――では、歌手活動について、今後チャレンジしてみたい歌やジャンルはありますか?
遠藤 私はハードな曲が好きで、これまで歌ってきたのですが、これからさらに自分のスキルを磨いて、“ハードな自分の曲”を完成させたいと思っています。それから、かわいらしい曲。これまであまり歌ったことがないので、恐る恐るなんですけれども、挑戦してみたいですね。
――これからの遠藤さんの活躍を楽しみにしています。それでは、最後に『魔都紅色幽撃隊』を楽しみにしている読者に、メッセージをお願いします。
遠藤 『魔都紅色幽撃隊』は、世界観とストーリーがしっかりと練られている作品で、私も、いちユーザーとして遊べることを楽しみにしています。本当にいろいろな要素が詰め込まれていて、最初から最後まで楽しめるゲームになっていると思いますので、発売日まで「どんなキャラを仲間にしようかな?」と妄想しつつ、お待ちいただければと思います。エンディングテーマは、毎話聴いてください!