日本発売もほぼ決定(と断じて間違いなし!)
2013年9月19日~22日(19日、20日はビジネスデイ)、千葉県・幕張メッセにて東京ゲームショウ2013が開催。会期にあわせて、日本マイクロソフトによるXbox One用Xbox Live アーケードタイトル『Crimson Dragon』のプレゼンが行われた。ご存じの通り同作は、開発グランディング&ランド・ホー!という、日本メーカー開発による唯一のXbox Oneロンチタイトル。2010年の東京ゲームショウで発表され(⇒記事はこちら)、ファンが発売を首を長くして待望しているタイトルでもある。ここでは、『Crimson Dragon』のディレクターであるグランディングの二木幸生氏に、同作の進捗などを聞いた。
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※『Crimson Dragon』はXbox Oneでさらに進化する、会場で二木幸生氏を直撃
ドラゴンを駆使して戦う3Dシューティングである本作。ドラゴンが登場するというと、ファンタジーの世界観を想像しがちだが、設定は、「ファンタジーではなくてSFで、ドラゴンの棲息する植民地に移民した人類が、その土地で遭遇したいろいろな脅威に立ち向かう」(二木氏)とのこと。本作では、RPG的な要素もふんだんに盛り込まれており、プレイヤーは用意された6体のドラゴンを自由に育てていくことになる。ドラゴンは3つの属性があり、それぞれ3段階まで進化する。スキルもカスタマイズすることが可能で、どの餌を与えるかによって、獲得できるスキルが変化するようになっている。スキルによって、メインとサブの攻撃が変化するのだ。
「E3でお披露目したときよりも、またけっこう変わっているんですよ」という二木氏だが、今回デモで始めて披露されたのが、パートナードラゴンの存在。いわゆるサポートをしてくれるドラゴンのことだ。パートナードラゴンは、なんとKinectを介して音声で呼び出すことができる(コントローラーでも呼び出せるようにするかも、とのこと)。音声でパートナーに指示を与えるような感覚だ。パートナードラゴンは、友だちの育てたドラゴンをリーダーボードから呼びだすことができる。「ソーシャル的な要素を加味しました」(二木氏)とのこと。パートナードラゴンは、Kinectの極めて有効な活用方法と言えるだろう。
基本は決められたラインに沿って移動する、いわゆる“レイルシューター”にあたる本作だが、ボスバトルではフリーフライトになる。このへんは、コントローラー対応になったからこそ加味されたゲーム性だと言える。実際のところ、「コントローラーで遊びたい」というユーザーからの熱烈な声に応える形で、Xbox One版はコントローラーメインで行くことを決断した時点で、ゲーム内容は、Kinect専用として開発を進めていたXbox 360から大幅に変化。「最初は移植のつもりだったのですが、結果として内容は大幅に変わってしまいました。『1』と『2』ほども違いますね」(二木氏)という。それは当然だろう。コントローラーで遊ぶとなると、エネミーセットも変わるし、カメラの見る範囲も変わる。長時間遊べるので、ドラゴンの育成要素も作り込むことができる。まさに、「別のゲームになっている」(二木氏)のだ。とはいえ、Kinect専用の『1』(と便宜上表記します)が劣るのかというと、決してそうではない。Kinect専用とコントローラー+Kinectのハイブリッドでは、求められる方向性がまるで違うからだ。「そういう意味では『1』(しつこいですが、あくまで便宜上の表記です)を出す意義はあるのではないですか?」と記者が問うと、「そうですね」(二木氏)とのお答え。Xbox 360版の行く末については。「まだ、お話しできる段階ではありません」(二木氏)とお茶を濁されてしまったが、Xbox One版好評なら、Xbox 360版もリリースされるのでは? とか、記者は勝手に思ってしまった。
さて、2010年の正式発表から3年――いよいよリリースされることになる『Crimson Dragon』だが、感慨を聞いてみると「けっこうお待たせしてしまって申し訳なかったのですが、めったにないロンチタイトルとして出せるようになったので、うれしいです」と二木氏。実際のところ、ロンチタイトルとしてリリースすべく、本社マイクロソフトスタジオとガッツリ組んで開発には取り組んできた模様。日米欧のプレイヤーの嗜好を比較してのゲームデザインの反映もそう。たとえば、欧米のゲームユーザーはくり返しのゲームプレイが嫌い。一方、日本人はくり返しプレイしてレベルをあげるのも厭わない。というわけで、『Crimson Dragon』では、うまい人はガンガン進めるようにしつつも、シューティングが苦手な人はレベルを上げていけば、クリアーできるようになるという、絶妙なゲームバランスを実現しているのだ。
テストプレイを何度もくり返しているとのことで、「『Crimson Dragon』はロンチタイトル屈指の完成度なのでは?」と二木氏に話を振ってみると、「ロンチタイトルだからといって、粗くていいわけではなくて、どのタイトルも完成度は高いと思いますよ」と大人のお答え(笑)。とはいえ、完成度の高さには、かなりの手応えを感じているようだ。
そんな『Crimson Dragon』は海外では19.99ドルという価格で発売。極めて安価な価格だが、戦略的な価格と受け取っていいだろう。ちなみに本作は、じつは国内での発売は正式には決まっていない。とはいえ、ディレクターの二木氏が、「日本語版も作っていますし、(日本でも)ロンチタイトルとしてお安い価格で出せると思うので、ご期待ください」とのことなので、日本でもリリースされることは間違いなさそうだ。
完成度も高く、そしてお手頃価格。ということで、『Crimson Dragon』を遊ばない手はない!