とにかく、細密な描写が際立つ
“4K”という単語を、記者が初めて耳にしたのは、数年前のことだ。会社の同僚から、「フルHDのつぎは4Kが来る」と言われ、「4Kなにそれ?“キツイ”、“汚い”、“危険”のこと?」、「それは3Kだろう!」などと、恥ずかしい会話を交わしたのを記憶している。それからいくばくかのときが流れ、いよいよ4K対応テレビも市場に出回り始め、家電量販店でも4K対応テレビのデモンストレーションを見かけるようになった。「やっぱり、4K気になるよなあ……」などと、新しもの好きの記者は思ったりするわけだが、そんなさなか、アトラスより“4K対応テレビ<ブラビア>X『ドラゴンズクラウン』体験会”が実施されるとのリリースが届いた。「おお、これは興味深い!」ということで、記者は会場の銀座・ソニーショールームまで足を運んでみた。
ゲームユーザーにはくだくだしい説明は必要ないかと思うが、『ドラゴンズクラウン』は、アトラスから2013年7月25日発売予定のプレイステーション3&プレイステーション Vita用ソフト。横スクロールタイプの2DアクションRPGだ。“ゲーム史上もっとも美しい2Dグラフィック”をセールスポイントのひとつとしており、今回の4K対応テレビを使っての、プレイステーション3版の体験会は、そんな『ドラゴンズクラウン』の美麗なグラフィックを堪能してもらうべく企画されたものだ。体験会が行われたのは、ソニーショールームにある“パーソナル コンシェルジュ”という、理想のリビングルームを実現したかのようなゴージャスな空間。事前エントリー制で、参加者は15分間たっぷりとゲームを遊ぶことができた。
使用されたテレビは、2013年6月1日に発売されたばかりのブラビア X9200A 65V型で、お値段は74万9800万円(!)。さすがに記者には高嶺の花というところだが、このテレビのすぐれているところは“4Kアップスケーリンク”というテクノロジーを搭載しているところ。これは何かというと、本来フルHDだった映像を4K解像度に自動的に変換してくれる機能で、この“4Kアップスケーリンク”により、『ドラゴンズクラウン』も4Kクオリティーの映像で楽しめるというわけ。
ちょっと時間があったので、少しプレイさせてもらったのだが、フルHDの約4倍と言われる画素数を誇るだけに、画面の高精細ぶりは相当なもの。誠に月並みな表現になってしまって、申し訳ないが、まさに「綺麗!」のひと言。ほのかに立体的に見えるのも、4K対応ならではと言える。ガイド役を務めてくれたアトラスの担当の方によると、「4Kにより、ディテールがより詳細に表示されますね」とのこと。担当者の方が例示してくれたのは、背景の細密な描写や、モンスターの鱗などだが、たしかに精密なグラフィックが臨場感を盛り上げる。『ドラゴンズクラウン』の開発を手掛けるのは、2Dゲームの開発に定評のあるヴァニラウェア。同社にとって、『ドラゴンズクラウン』は初の1080pの作品とのことで、それが“ゲーム史上もっとも美しい2Dグラフィック”というセールスポイントにもつながっているわけだが、4K対応テレビでの体験は、まさにこの“ゲーム史上もっとも美しい2Dグラフィック”を遺憾なく味あわせてくれたと言えるだろう。テレビがフルHDになったときに、タレントなどから「シワや肌荒れがくっきりと見えるようになるから困る~」などといった意見が聞かれたが、逆もまた真なりということで、美麗なグラフィックは、さらに美麗さが際立つ……といったところだろうか。
とまあ、記者の感想ばかりでも微妙に信憑性が薄いので、せっかくの機会ということで、実際に体験された方に感想をうかがってみると、「もともと『ドラゴンズクラウン』は購入するつもりだったのですが、どんなゲームなのか体験したくて、今回応募しました。4Kは画面が細密でよかったです」、「プレイステーション4かと思うくらい、4Kの画面は綺麗でした」、「最高峰のグラフィックを体験できるということで、今回応募しました。4K対応テレビは圧倒的な迫力がありますね」といった声が聞かれた。みなさん、『ドラゴンズクラウン』の美麗なグラフィックを改めて認識されたようです。