『エクスブレイズ コード:エンブリオ』森Pインタビュー! 物語の舞台は『ブレイブルー』の150年前!?

アークシステムワークスより2013年7月25日に発売予定のプレイステーション Vita・プレイステーション3用ソフト『エクスブレイズ コード:エンブリオ』。本作のプロデューサーを務める森利道氏のインタビューをお届けする。

●森Pが『エクスブレイズ』の魅力を語る!

 アークシステムワークスより2013年7月25日に発売予定のプレイステーション Vita・プレイステーション3用ソフト『エクスブレイズ コード:エンブリオ』。同社の人気対戦格闘ゲーム『ブレイブルー クロノファンタズマ』の世界とリンクしているという本作の魅力を、プロデューサーの森利道氏にうかがってみたぞ。

アークシステムワークス
プロデューサー
森利道氏

――『エクスブレイズ コード:エンブリオ』というタイトルに込められた意味を教えていただけないでしょうか?

森 利道氏(以下、森) まず、すべての世界の中心に“蒼”という力があり、そのまわりには“境界”という謎に包まれた大きな空間が存在しています。『エクスブレイズ』や『ブレイブルー』の世界は、境界の外側に存在しているさまざまな世界のひとつです。『エクスブレイズ』というタイトルには、それらの“世界が交わる”、“クロスする”という意味が込められているんです。まぁ、簡単に言うと、世界の中心に蒼という力があって、それがいろいろな世界に混ざり合っているというイメージです。

――そういった深い意味が込められていたんですね。それでは、『エクスブレイズ』と『ブレイブルー』の世界は、具体的にどのようにリンクしているのでしょうか?

 ふたつの世界がどのようにリンクしているのかということを詳細に話してしまうと、『ブレイブルー クロノファンタズマ』(プレイステーション3、2013年10月24日発売予定)のネタバレにもなってしまいますので、具体的なことは語れません。つまり『エクスブレイズ』を読み解くことによって、『ブレイブルー』の世界も読み解ける可能性もあるということです。

――なるほど。ふたつの作品には、“ドライブ”、“魔素”など、共通したキーワードが多いのもそのためなんですね。

 ちょっと意味が異なっていたり、文字を変えていたりしますけどね。だから、どちらかの作品をプレイした後に、もう一方の作品をプレイすると「おや?」と感じる部分も出てくると思います。

――『ブレイブルー クロノファンタズマ』のストーリーモードには、『エクスブレイズ』をプレイしておくとさらに楽しめるような仕掛けがあるということでしょうか?

 もちろんあります。というか、かなりありますね。当然、どちらか一方の作品だけプレイしても問題ないような作りにはしてあります。

篝 橙八(かがり とうや)
声:菊池 幸利

Es(えす)
声:野村 真悠華

姫鶴由貴(ひめづるゆき)
声:磯村知美

ゼクス
声:杉田智和

――楽しめる仕掛けというものを少しだけ教えていただけないでしょうか?

 たとえば、ヒロインのEs(エス)がいるじゃないですか。Esという言葉には5という意味があるんです。そしてゼクスは6。それではラグナ(『ブレイブルー』の主人公)は?など、キャラクターの名前も『ブレイブルー』とのつながりを意識してつけています。

――ほほう。それは注意深く見ないといけないですね。キャストもつながりを意識しての配役なのでしょうか?

 もちろんです。磯村さん以外は意識しました(笑)。

――え?(笑)。

 磯村さんは『ブレイブルー』とのつながりというより、姫鶴由貴というキャラクターの性格とすごくマッチしていたので担当していただき……いや、やっぱり磯村さんもつながりがあるかもしれないと言っておきます(笑)。ほかにも『エクスブレイズ』と『ブレイブルー』の両方に出演している声優さんは……と、いろいろ想像を膨らませてもらえれば。

――なるほど。そういった部分を見つける楽しみもありそうですね。

 はい。ぼんやりとした回答が続いたので、ひとつだけ明言します。『ブレイブルー クロノファンタズマ』は2200年の出来事で、黒き獣が出現したのが2099年(2100年に活動開始)です。そして、『エクスブレイズ』は、2050年前後という設定になっています。つまり、『エクスブレイズ』は『ブレイブルー クロノファンタズマ』から約150年前の物語ということです。これ以上は教えられません。

――おお。ふたつの作品のつながりを明確にする重大な発表ですね。ということは、『ブレイブルー クロノファンタズマ』にも『エクスブレイズ』のキャラクターが出てくるなんてことも……?

 そのあたりはもう『エクスブレイズ』を実際にプレイしてもらって、想像してほしいですね。ファンからすればつながりがバレバレのキャラクターもいますけど、それを僕が明言してしまってはつまらないと思うんです。とくにアドベンチャーゲームは。たとえば、『シュタインズ・ゲート』(5pb.の名作アドベンチャーゲーム)を友だちに薦めるときに、ネタをさきにバラしませんよね? 余計な情報が入ると楽しさが半減してしまうので「とにかく遊んでみて」と薦めるじゃないですか。

鵜丸総一朗(うのまるそういちろう)
声:櫻井孝宏

――確かに、アドベンチャーゲームはプレイ前にストーリーの真相を知ってしまうとつまらなくなりますね。

 いまここで僕が答えを公式に明言してしまうと、「じつはこうつながっているんじゃないか?」などと妄想できなくなってしまうと思うんですよ。見て明らかにわかるようなことでも、明言していなければ、「ひょっとしたらこうなのかも?」と、プレイヤーの妄想を掻き立てられると思うんですよね。だから『エクスブレイズ』は、そういったゲーム性を意識しながら制作しました。

――なるほど。そういった要素がゲーム内に散りばめられているわけですね。

 はい。まずは、キャラクターのセリフまわしに注目してほしいですね。とくにヒロインのEsや御剣機関の鵜丸総一朗、十聖のゼクスは、なかなかおもしろいことを言っているので注意深く聞いてください。

TO(i トイ)は、本作の世界で流行している情報収集アプリ。使用者が興味を持つ記事を解析し、インターネット上から自動的に情報を収集してくれる。どの記事を閲覧したかによって物語が分岐していく。また、誰がどの記事をチェックしたのかも表示される。

――物語の分岐に大きな影響を及ぼすTOiシステムですが、どういった経緯で搭載されたのでしょうか?

 “情報をまとめた便利なツール”。“選択肢を使わない物語分岐”。このふたつをいまの人たちがすんなり入れる形に落とし込みたいと考えたんです。たとえばいまでは、ブログやTwitter(ツイッター)などのSNSで情報を得て、それをもとにどこのお店に行こうかとか、自分の行動を決めることが多いじゃないですか。そういった日常的な行動をゲームシステムとして形にしたものがTOiシステムなんです。

――なるほど、“情報ツールをもとに行動する”というのは、“TOiの記事を読むことで物語が分岐する”という形と同じですものね。ゲーム中に選択肢を入れないということは、始めから決めていたのでしょうか?

 最初からですね。プレイ中に選択肢が出てくると、それまでせっかくゲームに入り込んでいたのに、突然客観的になってしまうと思うんです。それがどうしても嫌だったので、物語に入り込んでいる人がそのままプレイできるように選択肢をなくしました。

――物語に集中してプレイできそうですね。ただ、物語の分岐点がどこなのかわからないため、別のルートを探すのが難しそうですが……?

 まずは、何も考えないでプレイしてもらえばいいと思いますよ。もしそれでバッドエンドに行ってしまうようであれば、すべてのTOi記事を読んでみるといいんじゃないですかね。一度最後まで行ければ、2周目以降にはルート分岐を見つけやすくする仕掛けも用意してありますので。

――ちなみに、TOi記事のバリエーションもすごくたくさんありますね。“『マジカルビート』がアニメ化!”など、ゲームにまったく関係ない記事もありますし(笑)。

 それがおもしろいんじゃないですか(笑)。そういうくだらない記事をEsとかがチェックしてたりすると、物語の中ではなかなか見えないキャラクターの特徴が見られるので。ちなみに、TOi記事は全部で200くらい用意してありますよ。

――本作には情景描写のテキストがなく、セリフのみで構成されてるのも特徴ですが、それにはどういった意図があるのでしょうか?

 僕はアドベンチャーゲームをオートプレイで遊ぶことが多いのですが、その際に情景描写のテキストが入ると読まされることになるんですよ。「全部音声で聞かせてくれよ!」と言いたくなるんです。音声を聞いていて、突然情景描写のテキストを読まされると、やはり客観的になってしまうので、『エクスブレイズ』はセリフのみで構成しました。ドラマCDを聞くような感じでプレイできると思います。

――情景描写のテキストがない分、画面レイアウトや演出には気をつかわれたのでは?

 そうですね。棒立ちのキャラクターイラストを置くだけではなく、顔のアップなど、通常のアドベンチャーゲームにはないようなアニメっぽい構図を入れました。また、カット割りを効果的に使って、視覚的に飽きさせないような工夫も凝らしました。アニメを見ているような感覚になると思いますよ。

――カット割りのパターンが多いため、グラフィックスタッフはかなり苦労されたのではないでしょうか?

 苦労しましたね。本作ではキャラクターがアニメーションするわけではないので、画面レイアウトやカット割りが重要になってきます。そのため、画面レイアウトは何度もリテイクを出したので、ディレクターの増澤を中心とした担当スタッフは相当苦労していました。ほとんど家に帰れない時期も多かったようですから(笑)。

――そんなにたいへんだったんですか!?

 はい。無数にあるカット割りのパターンを作成して、それをシーンごとに当てはめていくという地道な作業を増澤ら複数のスタッフで延々と行いました。最初のほうに作ったカット割りと、後半に作ったカット割りで、クオリティーの差が出てくる場合もありますから、すべてのパターンを作り終えたあとに再度見直して作り直したりと……。膨大な時間がかかったと思います。もちろん、画面効果の使い方も、アニメなどを参考にしてかなり研究しました。夕方の教室のシーンではオレンジのグラデーションを入れて統一感を出したり、背景の位置や大きさも試行錯誤しました。

本作は、さまざまな構図の画面に切り替わるカット割りの演出で物語が進行していく。

担当スタッフが試行錯誤を重ねたという夕方の教室のシーン。

――もうひとつ本作の特徴的なシステムとして、前回まであらすじをキャラクターが説明してくれるA.O.S.があります。これはどのくらいのパターンがあるのでしょうか?

 100パターン以上用意してあります。トロフィー機能にも対応していますので、ぜひすべてのパターンを見ていただきたいですね。あらすじは、語り手のキャラクターがそのシーンでの心情も話してくれるので、より物語を深く楽しむこともできるはずです。一気に最後まで遊ばず、休み休みプレイしていただけると。

――100パターン以上あるのはすごいですね。

 もう話をまとめるのがすごくたいへんでした。あらすじは1話に1個ではなく、1話の前半と後半であらすじが変わってきますから。ここでも話をまとめていたスタッフが相当苦労したと思います(笑)。

――それだけたくさんの話があるということは、プレイ時間はどのくらいになるのでしょうか?

 1話1時間はありますよ。ルート分岐もありますから、すべて遊ぶには30~40時間はかかると思います。もちろん、おもしろいTOi記事やギャグルートなどの遊び要素もありますので、隅々まで遊んでいただけるとうれしいですね。とくにギャグルートのカレーネタは必見です。声優の杉田くんも「どんだけカレー好きなんだ!」と笑っていましたし(笑)。

プレイ再開時にそれまでのあらすじを見ることができるシステム“A.O.S.”。さまざまなキャラクターが当時の心情を交えながら、あらすじを語ってくれる。

――それでは最後に、本作の発売を待ち望んでいるファンへのメッセージをいただけますか?

 まずは、これまで『ブレイブルー』シリーズをプレイしたことのある人にはぜひ遊んでいただきたいですね。『エクスブレイズ』をプレイしておくと、2013年10月発売の『ブレイブルー クロノファンタズマ』がすごく楽しめるようになります。アレがアレになるとかね(笑)。

――アレがアレとかぜんぜんわかりませんけど(笑)。

 まぁ何度も言っていますが、『エクスブレイズ』と『ブレイブルー』は、ふたつの作品のつながりをプレイヤーが妄想できるということを意識して作っています。単にストーリーを追うだけではなく、「境界って何?」など、ふたつの世界の構造に注目して遊んでいただけるとうれしいですね。そうすることによって見えてくるものもありますので。もちろん、両方遊ばないと話がわからないということはありませんので、安心して手にとってください。それでもし、おもしろいと感じたらもう一方の作品も遊んでいただければ。


エクスブレイズ コード:エンブリオ
メーカー アークシステムワークス
対応機種 PS3プレイステーション3 / PSVPlayStation Vita
発売日 2013年7月25日発売予定
価格 各7140円[税込]
ジャンル アドベンチャー / アクション
備考 PS Store ダウンロード版は各5800円[税込] プロデューサー:森利道、ディレクター:増澤寛晃、キャラクターデザイン:樋口このみ

(C)ARC SYSTEM WORKS ※画面は開発中のものです。