ブッ飛んだ歴史のifモノの快感×オールドスクールFPS魂=最高ッス。
E3会期中にお伝えしきれなかったニュースを引き続きお届けする。ベセスダ・ソフトワークスブースでは、『Wolfenstein: The New Order』の新しい面をデモで見せていた。
本作はFPS(一人称視点シューティング)の元祖のひとつ『ウルフェンシュタイン』シリーズ最新作。ナチスが第二次世界大戦を勝利した……という架空世界の1960年代を舞台に、超絶科学力で発展したナチス帝国に対して主人公B.J.ブラスコヴィッツが戦いを挑む。
そんなわけでプレE3イベントでのプレイリポートの通り、ストーリー面では歴史のifモノとして歴史的に有名な事象の“ナチバージョン”を仕込んでいたり、ナチスが登場する映画でいかにもありがちな表現(嫌味な将校など)などのオマージュ/パロディもたっぷり。
E3トレイラー(速攻で日本語版を公開するのは素晴らしい!)でも第二次世界大戦終戦やビートルズやNASAの有名な写真の“ナチ版パロディ”を見ることができる。
しかし、ストーリー面の突飛な設定ばかりが目に付くかもしれないが、ゲームシステムにも90年代のFPSの愛がこめられており、やりごたえのあるFPSとなっている。
本作はヘルス&アーマー(アーマーがある間はダメージ低減)制を採用しており、自動回復などはなし。カバーリングやリーン(遮蔽物から覗きこんで撃つ動作)などはあるのだが、薄い壁は敵の銃撃でボロボロ崩れたりもする。
そこでカバーリングに頼りっきりになるよりも、タイミングを見計らって飛び出して敵を倒し、ヘルスとアーマーを回収して次の敵を仕留めていくという、前に出て戦っていくスタイルが推奨されている。少々のダメージは承知で前に出て敵を倒していくというこのスタイルは、確かに自動回復しながらカバーリングでチマチマ撃つ現在のトレンドからするとちょっと古いかもしれないが、ハマると非常に気持ちが良く、ランボーにでもなったかのような感覚が味わえる。
今回のデモでは、前半部に前もあった特急列車でのシーン(車内で中年女性将校に絡まれる非戦闘場面)を披露した上で、新たなシーンとして、何か大事故が起きたらしい橋での戦闘シーンがフィーチャーされていた。
事故後の混乱状態とはいえ、こっちはひとりであっちは沢山という状況だし、ナチのパワーローダーなど強力な敵も登場するので相手に不足はなし。
そこを手近な敵の前に飛び出てショットガン一発で黙らせ、今度は流れるように機関銃を両脇に抱えて弾薬を大量にばら撒きながら道を強引にこじ開けていくというのは、80年代のマッチョ映画のようで「これぞ娯楽!」といったところ。
“撃つ楽しさ”に関しては結構イケてるし、世界もブッ飛んでる(しかも日本語音声、日本語字幕によるフルローカライズを実施予定とのこと)。シングルプレイのFPSとして、これ以上何を求めるのか?