かなりの次世代機シフトで定番の大作はもちろん、復活IPもバンバン投入!
2013年6月10日、ロサンゼルスで行われたエレクトロニック・アーツのカンファレンスの模様をお届けする。
マイクロソフトのカンファレンスでRespawn Entertainmentが手掛ける超大作FPS『Titanfall』を発表し、度肝を抜いたエレクトロニック・アーツ。自前の発表会でもしっかりとサプライズネタを投入!
ひとつは、すでに発表されていた、「スターウォーズ」版権のゲームの続報。ディズニーと契約し、複数年・複数タイトルのゲーム化権を獲得したことが発表されていたが、なんとそれが『スターウォーズ バトルフロント』であるということが発表されて会場内は大盛り上がり。DICEにより『バトルフィールド4』にも使われているフロストバイト3エンジンで開発される模様だ。
そしてもうひとつは、こちらもDICEの『ミラーズエッジ』の復活。セールス的には大成功とはいかなかったものの、一人称視点でのパルクールアクションというアイデアが評価されている本作、続編の噂はたびたびあがっていたが、ついに公式アナウンスということで歓声があがっていた。プラットフォームはXbox One、プレイステーション4、PCとなっている。
そして未発表タイトルということならもうひとつ、カンファレンス冒頭でタワーディフェンスゲーム『プラント vs. ゾンビ』初のTPS(3人称視点シューティング)となる『Plants vs. Zombies: Garden Warfare』が発表。
フロストバイトロゴや冒頭の演出が『バトルフィールド』風で、「お?」と思わせておいて、その『バトルフィールド』のライバルである某モダン・ウォーフェア風のパロディも仕込みまくっている本作、プレイヤーは『プラント vs. ゾンビ』のユニークな能力を持った植物たちとなって、押し寄せるゾンビに対処する。少なくとも4人プレイ(恐らく協力プレイ)が可能で、ギャグかと思いきや結構おもしろそう。Xbox OneとXbox 360でリリース予定だ。
なお本作を発表したPopCapの代表いわく、同じく人気カジュアルゲームの続編『Peggle2』も開発中の模様。
FPSはふたつの超大作がヤバすぎる!
お次はFPSを紹介していこう。まずは『Titanfall』。本作の特徴をひとつ挙げるならば、マルチプレイでシングルプレイのような体験ができるという部分になるのではないだろうか。
もちろんジェットパックや壁走りなどのアクション、機動性の高いロボ(タイタン)での戦闘などもかなりイケているのだが、マルチプレイマッチの開始前や最中にも挿入されるキャンペーンモードのような演出が加わることで、これらのインパクトも増し、戦場のヒーローのような感覚でマルチプレイを戦えるのだ。リリースは2014年の春を予定しており、Xbox One以外にも、PCとXbox 360でも発売予定。ちなみにXbox 360版は外部開発会社による移植になるとのこと。
そして『バトルフィールド4』ではマルチプレイで戦況に応じた指揮を行うコマンダーモードが発表され、64人プレイでのデモでは、コマンダー役のプレイヤーが兵士からのリクエストに応じて空爆を命じるシーンも。ちなみにコマンダーモードはタブレットでプレイでき、タッチスクリーンで指示を出せる。
破壊表現もパワーアップしており、地下の柱を破壊することで道路を陥没させて戦車を落とすといったテク(地下からは戦車が見えてないのでコマンダーとの連携が不可欠)や、リアルタイムに超高層ビルが倒壊するといった思わず顎が外れるシーンも。これはもう「スゲェ」としか言えないので、ぜひ動画をチェックしてみてほしい。
『ドラゴンエイジ』最新作は2014年秋発売、ニード・フォー・スピードは映画化進行中!
BioWareのファンタジーRPGシリーズ最新作『Dragon Age: Inquisition』は、2014年秋発売を発表。最新トレイラーも公開され、どうやらシリーズおなじみの魔法使いモリガンらしきキャラクターも。
また本作は、シリーズ初のオープンワールドRPGとなる。シリーズ第三作でオープンワールドRPGへ転換という点では、(EAとは関係がないが)CD Projektの『Witcher 3』と比較してみるのも面白い。オープンワールドRPGでは一般的にストーリーテリングの点でやや制約がつきがちとされているが、両作ともストーリー重視であることを強調しており、BioWareが得意なディープなシナリオによるストーリーテリングがオープンワールドでどこまで実現されるのか注目したい。
レースゲーム『ニード・フォー・スピード ライバルズ』は、売りのひとつである、シングルプレイとマルチプレイの境目のない乱入システムをデモで披露。シングルプレイでレースをしている友達に警官役で乱入していたのだが、アクションゲームのようにとにかくカッ飛ばして勝つ本作らしい機能と言えるだろう。
正直、これが一分一秒を争うシビアなタイプのレースゲームだったら、タイムアタック中に乱入でもしようものならとてもアレだが、本作なら「乱入したのを後悔させてやるぜ!」ってな感じに自然とバトれるんじゃないだろうか。
そしてハリウッド俳優のアーロン・ポールも登壇し、ドリームワークスによる映画化の進捗も公開。現在撮影中で、アメリカでは2014年3月14日よりロードショーとのこと。
スポーツタイトルは共通エンジンによりパワーアップ
EAスポーツのラインアップでは、既報の通り次世代機で“IGNITEエンジン”を複数タイトルで共有する。これは選手のモーションの計算やAIや大量の観客の処理など、スポーツならば共通する部分をいちいち各チームが開発せずに済むという戦略だ。
エレクトロニック・アーツはグラフィックや物理演算などに長けたフロストバイト3エンジンをレースゲーム『ニード・フォー・スピード ライバルズ』などにも使っており、さらなる大規模化が想定される次世代機クオリティのゲーム開発において、共有できるところは共有し、その分だけそのゲーム固有の面白さを追求する部分に注力しようという発想が明確に見て取れる。
技術共有はIGNITEエンジンの機能として表向き出ている部分以外にもあるようで、ゲームの機能を見ていっても、かなり似ている部分が見いだせる。
たとえばバスケットボールゲーム『NBA LIVE 14』ではBounceTekというドリブルを物理計算でリアルに処理するというシステムが入るのだが、これはサッカーゲーム『FIFA 14』の新機能であるリアルボールフィジックス(シュートなどを物理計算してリアルな軌道を描く)やプレシジョンムーブメント(選手の身体の運動をちゃんと一歩一歩計算し、重心の置き方や、より正確な加速・減速などを再現する)に通じる部分が多分にある。
アメフトゲーム『Madden NFL 25』の新機能“TRUE STEP”も、このプレシジョンムーブメントと似ていて、アメフト選手の敏捷かつ力強い動きを実現する細かな足運びを、ありもののモーションの再生で済ませず、ちゃんと一歩一歩計算して表現するというものなのである。
というわけで何が言いたいのかというと、EAスポーツ久しぶりの格闘技タイトルとなる『EA SPORTS UFC』も、共有して使えるところはガンガン使って、バリバリの総合格闘技ゲームに仕上げてほしいということなのです! 本作は2014年春にXbox Oneとプレイステーション4で発売予定。