いよいよ2月21日に発表されたソニーの新ハード“プレイステーション4”。まだまだ不明点も多いが、いったいどんなハードなのだろうか?

●いろいろ気になるぜ!

 いよいよ発表された、ソニーの据え置き新ハード“プレイステーション4”。現在わかっている情報を読み解きつつ、気になる点などを洗い出してみた。

■ソフトはデジタル配信+パッケージ。その他のビジネスモデルは?
 本誌が行ったSCEワールドワイドスタジオの吉田修平プレジデントへのインタビューでは、「すべてのタイトルがデジタルで出ますが、ものによってはパッケージでも出る。という感じになると思います」とのこと。PS Vitaで行なっているのと似たような形態になるようだ。
 なお、光学ドライブはBlu-rayマルチドライブで、Blu-rayディスクは6倍速、DVDは8倍速の読み出しに対応。

 また、PS Storeでデジタル販売されるタイトルの試遊にクラウドゲーム技術を使う予定があるようで、これが実現すれば手軽に体験版をプレイすることができそう(クラウドゲームならば、ちょっと試したいだけなのに結構な容量のダウンロードを待つようなことはない)。
 さらに、ゲーム本編は最低限必要なデータが揃ったところで起動できるようで、購入時にダウンロード完了前から遊び始められるという。

 一方売り切り以外のビジネスモデルを使ったタイトルについてはあまり明言されていない。F2P(基本プレイ無料)や、月額契約、エピソード販売などはプレイステーション3でもあったが、PC版『ディアブロ3』のリアルマネーオークションハウス(現金でゲーム内アイテムのオークションの決済が可能)や、たとえば『マインクラフト』のようなα版販売が可能なのかは気になるところ。

■じゃあ旧プラットフォームのタイトルを遊ぶには?→クラウドで対応する模様
 先述したようなアーキテクチャの変更もあってか、本誌が行ったSCEJ河野弘プレジデントへのインタビューでは、PS3のパッケージタイトルは現状動作しないとの回答。
 ではまったく遊べないのかというと、ソニーが傘下に収めたクラウドゲーミング技術の会社Gaikaiの技術を活用し、PS3タイトルをはじめとした旧作を提供していくとしている。ゲームの処理をサーバー側で行い、本体は映像処理しか行わないクラウドゲームなら、たとえ本体が旧作のゲーム処理を行えなくても問題ないというわけだ。
 製品ディスクを持っていればそのままプレイできるのか、あるいは割引きで購入できるのかなど、すでにソフトを購入したプレイヤーに対してどういった形で提供されるのかは不明。

■アーキテクチャはx86系に、GPUはGPGPUなどにも対応
 プレイステーション3で採用していたCELLからうってかわって、AMDのJaguarコアのx86-64(いわゆるx64。x86アーキテクチャの64bit拡張)の8コアCPUを採用。技術的にはかなりPCに近い存在になったと言える。
 今世代でしばしば聞かれた、最適化の難航や、それ以前に小中規模のデベロッパーがマルチプラットフォーム開発を断念するといったことも減るのではないだろうか。
 Unreal Engine 4(エピック・ゲームズ)やLuminous Studio(スクウェア・エニックス)、コードネーム“Panta Rhei”(カプコン)など、各社からゲームエンジンのPS4対応も続々と発表されている。

 そのほか、AMDのRadeonシリーズをベースにしたグラフィック用プロセッサ(GPU)の処理性能は、18個のユニット合計で1.84テラフロップス。また、176GB/秒のGDDDR5メモリーを8GB搭載するとしている。
 昨今、GPU(グラフィックプロセッサ)は3Dレンダリングなどの計算以外にも、物理演算やAI、大量のパーティクル処理などにも使われるが、こういったGPGPU処理も容易に行えるという。
 詳細なスペック表が出ておらず、わかっている部分の数字から推測するしかないのだが、とてつもなく抜きん出た性能というわけはなさそうなものの(※)、なかなか広い帯域幅を持つ高速なGDDR5メモリーを8GBも積んでいるというのは十分に興味深い点。今までならプリレンダームービーを用意しておくようなところも、超絶映像のリアルタイムカットシーンから直接ゲームプレイに突入……なんてこともあるかも?

※ちなみに、先日NVIDIAが発表した最新GPUのGTX TITANは単精度4.5テラフロップス、倍精度1.3テラフロップスの性能を持ち、メモリバンド幅は288.4GB/秒。もちろんTITANは999ドルもするボードなので、数字の単純比較はあまり意味がないのだが参考までに。

■ゲーム映像の投稿・生配信機能を搭載
 据え置きゲーム機として、Ustreamなどの映像配信サイトへのゲーム映像の生配信に対応するというのは中々のビッグニュース。
 それだけでなく、ゲームプレイ映像はリアルタイムに録画されており、いつでも直前の数分の映像やスクリーンショットをFacebookなどにアップロードできる機能を搭載する。

 すでに『コール オブ デューティ ブラックオプス2』などで同様の機能が実装されているように、海の向こうでもTwitch.tvなどの配信サイトでゲームが生配信されるのは最早当たり前の文化。禁止するよりもいっそシステム側で実装してしまい、勢いのあるコミュニティを取り込むというのは納得できるところ。
 当然、ネタバレされると困るタイトルなどもあるわけで、その辺りの処理がどうなっているかが今後の焦点となる。全タイトルで可能なのか、またはゲームメーカーが特定のゲームモード(例えばマルチプレイ対戦)や、特定の範囲に限定(例えば3章までとか)することができるのか? そのほかにも、プレイヤーの顔などの映像を挿入できるかなど、詳細な仕様が何とも気になる。
 また、プレイヤーにアイテムや武器を提供して援助するという機能もあるそうで、これがゲーム本体やPS4を持っていない人でもできるものなのかといった辺りも気になる点だ。

■PS Vitaのリモートプレイをフルサポート、スマートフォンなども拡張スクリーンとして使用可能
 リモートプレイをシステムレベルでフルサポート。PS Vitaを使ってWi-Fi経由で家の内外からアクセスし、PS VitaのインターフェースとディスプレイでPS4のほぼすべてのゲームを遊ぶことができるという。地下鉄などでは当然アウトだろうが、公衆Wi-Fiの充実した場所などでは、屋外で真のAAAクラスのゲームを遊べるというユニークな体験ができそうだ。

 また、専用アプリ“PlayStation App”では、iOSやAndroidのスマートフォンやタブレットを拡張ディスプレイとして使う機能もサポート(例えばゲーム内マップをそちらに表示するといった用途が考えられている)。同アプリでは、外出先からゲームを購入・ダウンロードしたり、友人のゲームプレイ映像を鑑賞するといった機能も搭載するとのこと。

■“待つコスト”を削減
 節電状態で待機し、すぐに復旧できる“サスペンドモード”を搭載。この状態でもゲームのダウンロードやアップデートに対応する。
 また、将来的な構想としては、購入しそうなゲームを予測し、あらかじめダウンロードしておくといった機能についてもプレスリリースで紹介されている。フルパッケージをぼんぼんダウンロードされてもディスク領域が圧迫されそうだが、これは先述のゲーム本編のダウンロード途中から起動可能なあたりと関連しているかもしれない。

■その他のおもな不明点
・発売日・価格・モデル
→今回明かされたのは、2013年年末商戦に投入予定というところまで。本体デザイン、ディスク容量なども今回は明かされず。
・4K解像度への対応
→噂されていた4K解像度など超高解像度への対応は発表されず。スペック的に対応不可能ということでもなさそうだが、ちゃんと4Kに対応したゲームを開発するには相当なコストがかかるし、対応環境があるプレイヤーもそうそういないと思うので、実際必要かと言われると、個人的には、「1080Pでエフェクトやバックグラウンド処理をてんこ盛りにしても安定して60フレーム以上で動作」とかの方が重要な気もする。
・ゲームのリージョンロックは?
→洋ゲー派にとって気になるのは、リージョンロック(地域制限)の有無。プレイステーション3はほぼリージョンフリーに等しいハードだったが、一体どうなるのだろうか?