赤い制服をまとうVII組の4人の生徒たち
日本ファルコムより、2013年発売予定のプレイステーション3、プレイステーション Vita用RPG『英雄伝説 閃の軌跡(センノキセキ)』。同作の公式サイトで、メインキャラクター4名のプロフィールなどの新情報が多数公開された。
【プロローグ(完全版)】 ──《エレボニア帝国》。 ゼムリア大陸西部において最大規模を誇るこの旧き大国では 近年、2つの勢力が台頭し、国内における緊張が高まりつつあった。 一つは《貴族派》── “四大名門”と呼ばれる大貴族を中心とし、その莫大な財力によって 地方軍を維持し、自分たちの既得権益を守らんとする伝統的な保守勢力。 もう一つは《革新派》── 平民出身の“鉄血宰相”を中心とし、巨大な帝都や併合した属州からの 税収によって軍拡を推し進め、大貴族の既得権益を奪わんとする新興勢力。 両者の立場はどこまでも相容れず、その対立は水面下で深刻化し、 皇帝の仲裁も空しく、帝国各地で暗闘が繰り広げられるようになっていた。 そして、それは帝都近郊にある伝統的な士官学校でも同じだった。 ──《トールズ士官学院》。 帝国中興の祖“ドライケルス大帝”によって創設され、 身分に囚われない人材育成を目指してきたこの士官学校においても、 貴族派の理事と革新派の理事が対立を深め、生徒たちに影響を与えていた。 あらゆる面で優遇され、また実力も兼ね備えた白い制服の貴族生徒たち。 優秀ながらも下に見られ、理不尽感を抱き続ける緑の制服の平民生徒たち。 制服の色や学生寮が違うことも相まって、両者は事あるごとに反発しあい、 学業成績や武術訓練、クラブ活動などでも火花を散らし合うのだった。 そんな中、地方貴族の息子、リィン・シュバルツァーは トールズ士官学院への入学を果たし、帝都近郊の街トリスタを訪れる。 季節は春──白いライノの花が舞い散る中、リィンは気付く。 自分の着た制服が、貴族生徒や平民生徒の制服の色と違うことを。 少数ではあるが、同じ“深紅の制服”を着た生徒たちがいることを。 そして学院の鐘が鳴り、始まる入学式── 偉丈夫の学院長の堂々たる挨拶が終わり、若き女性教官が壇上に立つ。 「赤い制服の子たちは集まりなさい」 「これから特別オリエンテーリングを始めるわ」 それが──波乱に満ちたリィンたち《VII組》の学院生活の幕開けだった。 |
キーワード
◇トールズ士官学院
230年前、帝国中興の祖“ドライケルス大帝”によって設立された伝統ある士官学校。帝都から程近い郊外の街・トリスタにあり、当初は火薬式の銃や大砲を使った近代戦術を学ばせるための本格的な軍事学校だったが、現在では士官学校の体裁を残しつつも貴族の子弟や平民出身の秀才などが集まる“名門高等学校”としての側面が強くなっている。
◇ラインフォルト社
帝国最大にして、ゼムリア大陸でも一二を争う規模の巨大重工業メーカー。元々は中世からの武器工房だったが、半世紀前の導力革命を受けて急成長を遂げ、 鉄鋼、鉄道、銃火器、戦車などの分野で圧倒的なシェアを独占するに至った。 現在はアリサの母、イリーナ・ラインフォルトが会長を務め、帝国軍の近代化を受けて高性能な軍事兵器製造の他、戦術導力器の研究開発も行っている。
登場人物
ここでは、エレボニア帝国の士官学校“トールズ士官学院”に在籍する4人のメインキャラクターたちのプロフィールを紹介しよう。
◆リィン・シュバルツァー
(17歳/使用武器:太刀)
「自分の“道”を見つける──まずはそこからだ。」
帝国北部の地方貴族、シュバルツァー男爵の養子。芯のあるまっすぐな性格で、誰とでも打ち解けられる社交性と人の良さを備えるが、養子であることに引け目を感じており、家督を継ぐべきではないと考えている。
7年前に老剣客ユン・カーファイと出会い、弟子として“八葉一刀流”の指南を受けてきたが、とある理由で剣の道に限界を感じ、“初伝”を授かるに留まっている。
“自らの道”を新たに見出すため「トールズ士官学院」への進学を決意するが……。
◆アリサ・ラインフォルト
(17歳/使用武器:導力弓)
「あなた達──不埒(ふらち)な真似は許さないわよ?」
帝国最大の重工業メーカー、ラインフォルトグループの令嬢。可憐なお嬢様風の見た目と裏腹に、はっきりした物言いで一見キツい印象。その実かなりのお人好し&お節介で、困っている人は放っておけないタイプ。グループ会長を務める冷徹な母親に反発し、自立するため士官学院入りを決意した。
兵器メーカーとしても有名な実家への当てつけから、士官学院で選択した武術は伝統的な弓術で、幼い頃から祖父や使用人の指南を受けたためかなりの腕前。
◆エリオット・クレイグ
(16歳/使用武器:魔導杖)
「えへへ、ちょっとワクワクしてきたかな。」
帝国軍きっての猛将として知られる“紅毛のクレイグ”の息子。豪傑として知られる父親とは対照的に、紅茶色の髪を持つ優しげな風貌の少年。元々バイオリンやピアノを好み、帝都の音楽院に通うことを望んでいたが、父親の猛反対を受け、思うところもあってトールズ士官学院への入学を決めた。
学院で必須となる武術では、エプスタイン財団の技術を取り入れたラインフォルト社の“汎用魔導杖”を選択し、使いこなしていく事になる。
◆ラウラ・S・アルゼイド
(17歳/使用武器:両手剣)
「そなた──どうして本気を出さない?」
帝国においてヴァンダールと双璧を成す武門、アルゼイド子爵家の息女。どこまでも凛とした誇り高い娘だが、ある意味貴族らしい鷹揚さで世間知らず。ただし自らの無知を恥とはせず、積極的に学ぼうとする向上心に満ちている。
剣匠と呼ばれる父に学び、大振りの両手剣(バスタードソード)を自在に振るう。その実力は天性と努力の賜物で、学院の新入生の中では頭ひとつ抜けており、同じ剣士として“八葉一刀流”の使い手であるリィンにも興味を示すが……。
■地域紹介
◇緋の帝都ヘイムダル
西ゼムリア大陸で最大級の規模を誇る都市。
緋色のレンガを基調にした美しい街並みで、歴史的な建造物も数多く存在。
近年の導力化を受けて、帝国全土に張り巡らされた鉄道網が帝都に集まる他、市街には導力トラム(路面鉄道)も通っており、自家用車も増え始めている。
──北側には皇帝の居城や帝国政府が入る壮麗な「バルフレイム宮」があり、中心には老舗のデパートやオペラハウスが立ち並ぶ華やかな目抜き通りもある一方、貧民街のような区画もあり、帝国における貧富の格差を如実に示している。