PlayStation Plus利用者にはワンランク上のサービスも

 ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパン(SCEJ)は、PlayStation Networkでさまざまな特典が利用できる定額制サービスパッケージ PlayStation Plus(以下、PS Plus)を大幅にリニューアルした。フリープレイは大きく増強され、常時11タイトル以上、年間で55タイトルが提供される。また、PS Plusのプレイステーション Vita (PS Vita)への対応も開始。すでにプレイステーション3でPS Plusの各種サービスを楽しんでいるユーザーは、追加料金を支払うことなく、PS Vita向けのサービスを利用できる。PS Vita上で新規加入したユーザーは、PS3向けのサービスも利用可能となっている。

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 ここでは、今回のPS Plusのリニューアルの経緯や目的、PS PlusおよびPlayStation Networkの今後について、ソニー・コンピュータエンタテインメント ネットワークエンタテインメント ジャパン・アジアビジネス&サービス部 塚嵜英史氏に話をうかがった。

※週刊ファミ通12月6日号に掲載したインタビューの完全版になります。

PlayStation Plusのサービス拡充は今後も継続、利用者向けのワンランク上のサービスも提案し続けたい

ついにPS Vitaに対応! PlayStation Plusのサービス拡充は今後も継続!――SCEの塚嵜英史氏にインタビュー_02
ソニー・コンピュータエンタテインメント
ネットワークエンタテインメント
ジャパン・アジアビジネス&サービス部
塚嵜英史(Hidefumi Tsukazaki)氏

プロフィール:2001年SCE入社、2002年よりSCEEに赴任。欧州地域にてPSP、PS3、PS Vitaの市場導入および欧州各国での新規事業構築を行う。2012年7月より、日本・アジア地域でのPSNを中心としたネットワークサービスのマネジメントに従事。

――まずは、2010年にPS Plusのサービスがスタートしてから、これまでの約2年半を総括していただけますか?

塚嵜英史氏(以下、塚嵜) サービス開始当初は、日本で定額制のサービスが馴染むのか、と疑問視する声は外部のみならず内部でもありました。ですが、欧米での成功をきっかけに、国内でもさらによりよいユーザー体験を提供しよう、と社内での考えも徐々に変わってきた2年半でした。ただ、ユーザーの皆様からは、他リージョンのPS Plusサービスより、フリープレイなど無料で遊べるコンテンツや新しいコンテンツが少ないといったご指摘、ご意見を多数いただいていました。「現状のPS Plusが本当にお客様にご満足いただけるサービスなかのか?」ということを問い直し、同じく定額制サービスのMusic Unlimited(ミュージックアンリミテッド)もスタートしましたし、このタイミングでPS Plusをテコ入れしようと、リニューアルすることにしました。

――今回のリニューアルの目玉はフリープレイの大幅な増強ですが、これはユーザーの要望に応えつつ、他リージョンのPS Plusとのバランスも考えてのことでしょうか。

塚嵜 PS Plusに加入していただいている熱心なユーザーの方々は、プレイステーションビジネスにとって非常に大切なお客様です。そういったお客様に向けて、500円[税込](30日)、5000円[税込](365日)という料金で提供できるサービスとして、どれだけ楽しいものが詰め込めるか、サービスの満足度を上げられるか、という部分を考え直し、実現可能なものとしてフリープレイの刷新を図ったというのが大きな理由です。

ついにPS Vitaに対応! PlayStation Plusのサービス拡充は今後も継続!――SCEの塚嵜英史氏にインタビュー_07
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ついにPS Vitaに対応! PlayStation Plusのサービス拡充は今後も継続!――SCEの塚嵜英史氏にインタビュー_03

――フリープレイのタイトルラインアップはどういう基準で決められているのですか?

塚嵜 弊社のワールドワイド・スタジオ JAPANスタジオやサードパーティ様のコンテンツを取り扱っているチームを中心に、PS Plus運営メンバー内で協議のうえ、定額料金の中で提供できるもっともいい組み合わせのタイトルラインアップは何なのかを考慮しつつ、3ヵ月、6ヵ月先までのロードマップを作りながら決めています。

――これまでアーカイブスタイトルもフリープレイにラインアップされていました。今回は入っていないようですが……。

塚嵜 バランスを考慮しつつですが、もちろん、アーカイブスタイトルも入ってくると思います。シリーズの最新作が発売されるタイミングには、シリーズの過去作に対するニーズもありますし。

――今回のリニューアルに合わせて、PS VitaにもPS Plusサービスが対応になります。ついに、という気もしますが、PS Vita発売当初からサービスを対応させなかったのはなぜでしょう。

塚嵜 お待たせしましたが、このタイミングでの対応になったというのは、技術的な要因もあったからなのです。

――今後、さらにサービスを拡張する予定はありますか?

塚嵜 現時点では具体的には申し上げられないのですが、これまでとは少し異なるアプローチでアーカイブスなどが存分に遊べるような新しいサービスの形を検討しています。

ついにPS Vitaに対応! PlayStation Plusのサービス拡充は今後も継続!――SCEの塚嵜英史氏にインタビュー_01

――PS Networkについてもサービスの拡充の予定があるとうかがったのですが。

塚嵜 いままでオンラインゲームの場合、コンテンツの売り切りで終わるケースが多かったのですが、たとえばビデオや映画などのコンテンツは、テレビ放送やオンライン配信、DVDやブルーレイでの販売など、いろいろなメディアや形でお客様との接点があります。ゲームもいままでと違う形で接点を提供するというサービスがあってもいいのかなと考えています。

――PS Plusを含め、PS Networkに関しても今後、さらなるサービスの拡充は続けていくと。

塚嵜 そうですね。まだまだ提供したいサービスは多数あります。それをできるだけ早く実現し、ユーザーの方々によろこんでいただきたい。我々自身もワクワクして準備を進めているところです。

――最後にひと言お願いします。

塚嵜 PS Plusのような定額制サービスでは、いいコンテンツが毎月配信される、という期待感をお客様に持ち続けていただきたいと思いますので、その期待に応えられるよう、コンテンツとサービスをともに充実させていきます。また、PS Plusを利用しているお客様には、コンテンツ以外にもワンランク上のサービス(編集部注:東京ゲームショウでは、PS Plus利用者向けのプレミアラウンジや優先の待機列を用意)を提案し続けたいと思っていますので、今回のリニューアルを機に、PS Plusをお試しいただければと思います。

(※インタビュー日時:2012年11月上旬、SCEJにて)