5つの重要な新機能でテレビで観ているようなリアルなサッカーにさらに近づいた!
エレクトロニック・アーツはイギリスのロンドンで2012年4月20日(現地時間)、『FIFA』シリーズの最新作『FIFA 13 ワールドクラス サッカー』の発表、およびプレゼンテーションを実施した。
プレゼンテーションでは、ここでインタビューを掲載するシニアゲームプレイプロデューサーAaron McHardy氏が新機能の魅力を熱弁。Aaron氏は、エンジニアやアニメーターと協力して、ゲームデザインを担当し、選手のスキルや戦術、360度ドリブルなど『FIFA』シリーズで人気を呼んでいる機能の開発に携わってきた人物。また、『FIFA 12』で導入されたプレイヤー・インパクト・エンジンの開発を主導したものAaron氏で、ここ最近の『FIFA』シリーズのもっとも重要なキーパーソンと言える。そんなAaron氏のインタビューをお届けしよう。
※『FIFA 13』の紹介記事は→こちら
“本物のサッカーの醍醐味”が味わえる作品
――Aaronさんはもともとサッカーの選手だったそうですね。
Aaron McHardy 生まれはカナダですけど、ジャマイカのU-21のチームのメンバーでオリンピックにも出場できたんだ。ポジションはおもにミッドフィルダーだったんだけど、フォワードもやっていたときもあるよ。サッカーをやっていたおかげで、数十ヵ国でプレイすることができたし、サッカーは世界一すばらしいスポーツだと思っている(笑)。プレイ中は言葉の壁もないしね。サッカーゲームのプレイ中もそうだよね。そんなサッカーとサッカーゲームに携われて幸せに思っているよ。
――そもそもサッカー選手からエレクトロニック・アーツでゲームの開発に携わることになったキッカケは何だったんですか?
Aaron 『FIFA ストリート』のモーションキャプチャーのアクターとして呼ばれて、プロデューサーやアニメーション担当たちと親しくなったのが始まりだったんだ。まずはテスターとしてエレクトロニック・アーツに入ることになって、それから6年間、『FIFA』の開発に携わってきたんだ。プロデューサーとして最初に関わった作品は『FIFA 08』からなんだ。
――『FIFA 13』は攻撃面の進化が充実している印象を受けたのですが、Aaronさんのポジションの影響も?(笑)
Aaron そうかも(笑)。でも、ディフェンス面ももちろん進化しているよ(笑)。つまり、バランスが重要なんだ。新しいプレイヤー・インパクト・エンジンの開発もディフェンスを改良することを重視することからスタートしているしね。
――『FIFA 13』で進化したポイントはAaronさんの選手時代の経験が大きく影響しているのかなとも感じたのですが。
Aaron そういう部分ももちろんあるし、スタジアムでサッカーの試合を観たり、テレビでサッカー中継を観て気づいたことも大いに反映されているよ。EAカナダの開発チームもそうだけど、つねにサッカーのことを考えて生きているからね(笑)。
――『FIFA』の開発チームはEAカナダに拠点がありますが、なぜカナダなのでしょう? カナダはサッカーが盛んなイメージはないのですが……。
Aaron よく聞かれる質問だけれど、僕が『FIFA』シリーズに関わる前からEAカナダで開発していたので、正直、よくわからない(笑)。でも、開発チームはカナダ人だけではなく、コロンビア人、アルゼンチン人、日本人など20ヵ国以上からスタッフが集まっているんだ。そんな国際色豊かな開発スタッフに共通するのは“サッカーが大好き”だということ。カナダは快適な国だし、開発には何の問題もないよ。こういう、ヨーロッパのイベントに来るときには時間がかかるけどね(笑)。
――『FIFA 13』はシミュレーターとしての側面が強い作品だと思うのですが、ゲームとしてのおもしろさとのバランスに苦労されているのでは?
Aaron 毎作ごとに新しいディテイルを加え、リアルなサッカーを追求しているから、それもよく聞かれる質問だよ(笑)。でも、シミュレーターとしてのリアルさとゲーム的なおもしろさを区別して考えなくてもいいんじゃないかと思っているんだ。シミュレーター≠おもしろくない、というものでもないと思うし。サッカーは世界一楽しいスポーツだと思っているので、そのシミュレーションも十分に楽しいはずだ(笑)。でも、開発する過程で、どちらを取るかという問題に直面することも確かにあって、そのときはプレイヤーが楽しめると思うほうを選択するようにしているよ。
――最後に日本のファンにメッセージを。
Aaron たくさん伝えたいことはあるんだけど、新しいプレイヤー・インパクト・エンジン、ファーストタッチ・コントロールなど、大まかに言って5つの要素が加わったことで、『FIFA 12』にはないゲームプレイが楽しめ、皆さんがテレビで観ているようなリアルなサッカーがゲームで実現できると思っているんだ。発売はもうちょっと先だけれど、早く“本物のサッカーの醍醐味”を味わってほしい、といまからワクワクしているよ。