据え置き機版、PS Vita版ともに多くの発表が!
現地時間の2012年4月3日~4日、イタリアのローマにて、欧米メディアに向けたカプコンのプライベートイベント“CAPTIVATE 2012”が開催された。本記事では、CAPTIVATEで行われた『ストリートファイター X(クロス) 鉄拳』(以下、『ストクロ』)のプレゼンテーションの模様をお届けしよう。
まず始めに登場したのは、これまで『ストリートファイター』シリーズを牽引してきた小野義徳氏。『ストクロ』の法被を着た小野氏は、いきなりメディアにおみやげを配り出す。流暢な英語で話し始めた小野氏は、開催地のローマに引っかけて『シャドウ オブ ローマ』(カプコンが2005年に発売した、ローマ帝国を舞台にしたプレイステーション用アクションゲーム)について触れ、ジョークで場を温めた。さらに、「小野が死んだとか、小野がカプコンをやめるという噂が飛び交っているけれど、そんなことは冗談。『ストリートファイター』シリーズを作り続けます」と語り、「『ストリートファイター』は25周年です。こんなに長いあいだ応援してくださって、ありがとうございます。拍手!」と発言し、会場から笑いと拍手を誘っていた。
小野氏はこの後、ストリートファイター』シリーズの今後の展開について語った。それによると、今年は『ストリートファイター』シリーズの世界大会開催を予定しており、日本では秋に予選を行うという。決勝の舞台は、アメリカのカリフォルニアとのこと。なお、実施される種目は『ストクロ』のほか、『スーパーストリートファイターIV』、『ストリートファイターIII 3rd STRIKE ONLINE EDITION -Fight for the Future- 』、『Super Street Fighter II Turbo HD Remix』などということだ。
発表が終わった後に小野氏は、「4月からたくさんの新しい仕事を扱うことになり、現場を一歩離れます。格闘ゲームに一切関わらないとかそういうことではありませんが、『ストリートファイター X(クロス) 鉄拳』の新しいプロデューサーは綾野になります。このCAPTIVATEが彼のデビューの舞台です」と、先ごろ『ストクロ』のアシスタントプロデューサーからプロデューサーに昇格した綾野智章氏を呼び込む。ここで会場からは拍手が起こったが、さらに小野氏は、「盛り上げてくれた方には豪華粗品がありますので、どうか盛り上げてください(笑)」と続けた。ここで綾野氏が日本語で挨拶をすると、先ほどの小野氏の言葉もあって(?)、口笛が鳴り響き、大歓声が起こった。

まず綾野氏は、『ストクロ』には3つの課題がユーザーから提示されているとした。その内容は以下の通り。
1:オンライン体験の向上
2:永久コンボの廃止
3:継続的なダウンロードコンテンツなどのサポート
1について、とくにオンライン対戦時の音飛びについて綾野氏は、「アメリカや日本のユーザーからきびしい意見をいただきました」と語り、音質を向上させたり、大会支援モードを追加したパッチを4月10日に配布する予定だと述べた(その後、日本時間2012年4月10日に配信開始された)。そして、「『ストクロ』は今後もユーザーの皆さんを手厚くサポートしていきます」と続け、その一環として、60個のジェム、リプレイアナライザー、ジェムユニットの追加を紹介。その中でも特徴的なジェムを3つ解説した。まずひとつは、“パンドラ時間の延長”。これは、“パンドラ”発動時間が2倍に延長されるというもの。パンドラ中はスペシャルゲージが使い放題になるので、うまくつかえば大きな効果を発揮しそうだ。ふたつ目は、“アルティメットディフェンス”。オートガード、オート投げ抜け、削りダメージの無効化という3つの効果を備えたジェムで、これさえあれば、まさに究極の防御力を得ることができる。最後は“上級者コマンド”。これは、必殺技のコマンドをきっちり入力しなければ、必殺技が出なくなる、というもの。詳しい人には、“簡易コマンドを受け付けなくなる”と説明すればわかりやすいだろう。
さらに、『ストクロ』は2012年5月にダウンロードコンテンツの配信が予定されていることも明らかになった。その内容は、追加カラー(無料)、アシストジェムパック(2ドル/160MSP)、ブースターパック3&4(1ドル/80MSP)となっている。
さて、これで据え置き機版『ストクロ』についての説明はいったん終了。綾野氏が「そろそろPS Vita版『ストクロ』の話が聞きたくないですか?」と語ると、すかさず小野氏が「プレゼント欲しくないですかー!?」と盛り上げ、会場は再び大きな拍手に包まれた。そして綾野氏は、「ではPS Vita版のトレーラーをお見せします」と続ける。まずは、そのトレーラーをご覧いただこう。また、ストーリー用のトレーラーもあるので、こちらも合わせて見てみてほしい。
トレーラーは、PS Vita版で配信される12人のキャラクターについてクローズアップされていた。これによると、エレナ&ダッドリー、ブランカ&さくら、クリスティ&レイ、ラース&アリサがそれぞれ公式タッグ(ストーリー上で関わりの深いタッグ)になっている模様だ。また、出展されていた試遊版のキャラクター選択画面からは、コーディー&ガイ、ブライアン&ジャックも公式タッグになっていると思われるが、ここについては続報を待ちたい。
トレーラー上映後、綾野氏はトレーラーで判明した“クロスマッチング”について語る。これは、PS3版とPS Vita版という異種ハードでオンライン対戦が可能になるという、驚きの機能だ。綾野氏がPS3版とPS Vita版を連動させると、PS3版のキャラクター選択画面が拡張され、12人の追加キャラクターが使用可能になった。ついで、PS3版とPS Vita版による対戦が行われたが、まるでPS3版どうしのような、スムーズな対戦が実現していた。なお、PS Vita版では、スクリーンに表示された番号の部分をタップすることで、それに対応した攻撃をくり出したり、キャラクターの色をタップで変えたりと、直感的な操作が可能になっていた。











PS Vitaには、前面と背面のタッチスクリーンやデジタルコンパス、near、ARなどの各種機能が盛り込まれているが、これについても対応する予定とのこと。一連の発表を終えた後に綾野氏は、「この続きはE3(アメリカで開催される世界最大のゲーム見本市)で会いましょう」と語り、プレゼンテーションを締めた。











最後に、追加される12人のキャラクターについて、イラストや画面写真が届いている。これらに合わせて、追加キャラクターを紹介していこう。
エレナ(From『ストリートファイター』シリーズ)





ダッドリー(From『ストリートファイター』シリーズ)





クリスティ(From『鉄拳』シリーズ)





レイ(From『鉄拳』シリーズ)





さくら(From『ストリートファイター』シリーズ)





ブランカ(From『ストリートファイター』シリーズ)





アリサ(From『鉄拳』シリーズ)





ラース(From『鉄拳』シリーズ)





コーディー(From『ストリートファイター』シリーズ)





ガイ(From『ストリートファイター』シリーズ)





ブライアン(From『鉄拳』シリーズ)





ジャックX(From『鉄拳』シリーズ)





『ストリートファイター X(クロス) 鉄拳』
■機種:プレイステーション3、Xbox 360、プレイステーション Vita
■発売日:プレイステーション3、Xbox 360版は発売中。プレイステーション Vita版は2012年秋発売予定
■価格:プレイステーション3、Xbox 360版は各6990円【税込】。プレイステーション Vita版は価格未定