2015年11月28日、スクウェア・エニックスは、都内品川にあるソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジア社内にて、『ジャストコーズ3』日本語吹き替え版の最速体験会“CLUB EXTREME EDGES Fan Meeting”を開催した。
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▲会場には『ジャストコーズ3』グッズはもちろん、EXTREME EDGESレーベルタイトルの関連グッズも。
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当日、イベントは3回入れ替え制で行われ、今回は2回目を取材。イベントには、本作のローカライズプロデューサー 赤石沢賢氏とローカライズディレクター山本大輔氏、そして“ハンドガン社長”ことスクウェア・エニックス 代表取締役社長 松田洋祐社長も登場。体験会の前には、本作の破壊に大いに役立つグラップリングワイヤやウイングスーツなどの使いかたなど、操作に関する解説が行われた。ちなみに、ハンドガン社長の名前の由来は、『コール オブ デューティ ゴースト』の発売記念イベントで同作のマルチプレイを松田社長が体験した際、ハンドガンばかりを使っていたことがキッカケ(松田社長曰く「武器の切り替えを忘れ、ハンドガンばかりを使ってしまった」)。それ以来、別のプレイ機会などでも“ハンドガン縛り”のルールでプレイさせられたり、そのネーミングが定着していった。
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▲海外のコアなゲームもお好きは松田洋祐社長。
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▲赤石沢賢ローカライズプロデューサー(左)と山本大輔ローカライズディレクター(右)。
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「ぜひ、カオスな世界を楽しんでください」との松田社長のエールのあと、参加者はプレイルームに移動して45分間シングルプレイを体験。今回は、グラップリングフックやウイングスーツなどが解放された、ゲーム序盤を少し進めたところからのセーブデータが用意。某狩りゲーが発売されたこの日、『ジャストコーズ3』体験会の参加した強者たちはさすがの腕前。つぎつぎと施設を破壊し、メディチ共和国に混乱をもたらしていた。体験会では、プレイステーション4のシェア機能を使って自由にスクリーンショットを撮ることができ、そのデータはUSBメモリー(16GB)に保存して持って帰ることができた(そのUSBメモリーはスクウェア・エニックスからプレゼント。太っ腹!)。そのスクリーンショットは2015年12月2日正午から解禁とのことだ。
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▲松田社長もプレイ。
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シングルプレイ体験後は、ウイングスーツで飛びながら空中に表示されたサークルをつぎつぎと通過してスコアを競うレースチャレンジ大会が行われた。このレースチャレンジでは、5分間に最高スコアを叩き出した3位までの人に、『ジャストコーズ3』オリジナルTシャツとPS4トートバッグがプレゼントされるというもの。微妙な操作が求められ、コツも必要なウイングスーツの操作だが、そこは強者揃いの参加者たち。5分という短いあいだにコツをつかみ、スコアを更新していく。5分のチャレンジを終えた参加者のスコアは1位が29639、2位が29613、3位が28597という大接戦。それらのスコアは、山本ローカライズディレクターが「見たことがない」というくらいの高スコアだという。
体験会のあとは、松田社長、赤石沢ローカライズP、山本ローカライズDによるトーク Q&Aセッション。体験会を見守った感想について松田社長は「皆さんお上手。さすがです」とコメント。開発状況については、9割がた完成しており、現在は細かな調整をしている段階だという。ただ、じつは今回の体験版までに日本語吹き替え版が間に合うかは微妙なところだったらしく、「間に合ってホッとしています」(赤石沢氏)と本音も。
そんなローカライズのプロセスについて質問が及ぶと、開発途中からローカライズ作業に入るため、どういったシーンでこのセリフが使われるのかプレイしながら確認したり、開発中ゆえに、あるシーンがなくなったり、逆に追加されるシーンがあとから出てきたり、一筋縄でいかないゲームという題材ゆえのローカライズ作業の難しさが紹介された。
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また、だからこそ海外スタジオとの密なコミュニケーションが重要で、『ジャストコーズ3』では、開発するアバランチ・スタジオとのコミュニケーションをかなり密に取ったという。その産物として、『ジャストコーズ3』日本語吹き替え版では、海外版にない仕様として、吹き替えの日本語音声と英語音声の切り替え機能を入れることができたとのこと。「音声切り替えは、そもそも開発序盤からそれを想定して用意していない場合、あとからの対応ではきびしい。コミュニケーションを密に取ったおかげで、日本語と英語の音声切り替えを実装できました」(山本氏)。
続いて、スクウェア・エニックスのエクストリームエッジレーベル全体の話題に。エクストリームエッジレーベルのタイトルはその名の通り、最先端でハイクオリティな作品はもちろん、過激であったり、実験的であったりといった、海外の斬新で尖った作品がラインアップされている。そういった作品を海外イベントで見つけたり、海外スタジオからのプレゼンで「これは!」という作品をピックアップし、日本で発売すべきか否かを決定しているという。さらに海外のゲームが好きで、海外出張が多い松田社長からも「これ、知ってる?」と提案されることもあり、松田社長とスタッフで情報交換をすることもあるのだとか。
そんなエクストリームエッジレーベルで思い出深いタイトルとして赤石沢氏が挙げたのは、今年4月に発売された『トロピコ5』。同作について「ローカライズをしていて楽しかった」と語った赤石沢氏は、さらに「『ジャストコーズ3』は独裁政権を打倒する作品ですが、『トロピコ5』は逆に独裁者を目指すゲームです。年明けまで『トロピコ5』で独裁政権を作っていただいて、年明けには(『ジャストコーズ3』で)独裁政権を壊していただく、という流れがいいのではないでしょうか(笑)。いまならダウンロード版がキャンペーンで45%オフ(11月30日まで)です!」と、キッチリ宣伝も忘れないところはさすがローカライズP。
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さらにここで、じつはひっそりとイベントを見守っていたソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジア プレジデントの盛田厚氏がスペシャルゲストとしてステージに招かれ、トークイベントに参加。突然のサプライズに参加者からは大きな歓声があがった。盛田プレジデントは海外産タイトルの魅力を問われ、「海外のエンターテインメントは、個人的な印象ですがハリウッド映画が基礎になっているように見受けられます。最初からクライマックスという。海外のゲームも同様に、プレイしていて最初からスカッとするものが多いですね。『ジャストコーズ3』はまさにそれです」と述べると、松田社長がすかさず「『コール オブ デューティ』もまさにそうですよね(笑)」と応じ、参加者の笑いを誘っていた。そんな松田社長は「日本のゲーム、海外のゲームと区別して考えることはあまりありませんが、自由度が高いゲームが多いという印象はあります。また、我々の想像もつかないようなアイデアを持った作品があったり。国民性、海外スタジオの特性が色濃く出ているものも多い」と海外タイトルの印象を語った。
『コール オブ デューティ ブラックオプスIII』、『スター・ウォーズ バトルフロント』も期待に違わぬヒットを見せ、日本でも人気が定着してきた感のある海外タイトル。来年以降のプレイステーションフォーマットで発売される注目の海外作品として盛田氏は『ジャストコーズ3』はもちろん、SCEJAから発売される『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』を挙げ、いっしょにプレイステーション4を盛り上げていきたいと熱を込めつつ、「プレイステーション4は世界累計販売台数が3000万突破しました(会場から拍手)。日本でもさらにプレイステーション4の規模を拡大してきたいと思っています。今日、『ジャストコーズ3』を体験された方は、その魅力を友だちに伝えて『ジャストコーズ3』のファンを増やしていただき、そしてできればプレイステーション4も勧めていただきたい(笑)」と参加者に呼びかけた。
トーク後半はQ&Aセッション。ここでは、赤石沢氏がグラップリングフックの使いかたとして「戦車に兵士を結び付けてひきずったり。それに何の意味があるかというとないんですが、気持ちいい(笑)」。また、山本氏の「設置型爆弾がお気に入り」というコメントには「僕も好きです。兵士に(設置型爆弾を)設置したり(ニッコリ)」と発言したり、ダークサイドな一面を披露し、会場を沸かせた。
最後に、『ジャストコーズ3』関連の告知。PlayStation Storeのダウンロード配信版のみの早期購入特典としてダウンロードコンテンツが追加されることが決定した。また、2015年12月2日には『ジャストコーズ3』公式生放送番組の配信が決定。この放送には松田社長も出演するとのことだ。
こうして約2時間にわたって行われた体験会もあっという間に終了。松田社長、赤石沢ローカライズP、山本ローカライズDから参加者にそれぞれ感謝の意が述べられた。
「自由度が高く中毒性も高いゲームです。独裁者であるディラベロ将軍は、じつは哀愁を感じる部分もあります。彼がどういう人間か、プレイしてぜひ知っていただければ」(山本氏)
「某ゲームの発売と重なった貴重な休日にお越しいただいて感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました」(赤石沢氏)
「ゲームを楽しんでいる姿を見ることは我々にとって大きな喜びです。『ジャストコーズ3』はスクウェア・エニックスとアバランチ・スタジオの渾身の作品です。たいへんなこともあったんですけど、それを乗り越えて発売することができます。楽しみにしていただければと思います」(松田社長)
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※『ジャストコーズ3』公式サイト
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