――本作に起用された時のお気持ちを教えていただけますでしょうか？

堀江由衣さん（以下、堀江）　最初にお話をいただいたときには、作中で“歌で敵を倒すシーンがある”ということをおうかがいしました。打撃技などの攻撃ではなく、ヒロインたちの歌が戦闘に活かされるという設定がおもしろく、どういうゲームになるんだろうという興味が沸いたのが最初の印象です。キャラクターデザインで見せていただいた彼女たちの姿はすごいかわいらしくて、ゲームはおもしろそうだし、これは楽しそうな作品だなと思いました。

――担当した若槻悠乃にはどんな印象を持たれましたか？

堀江　そうですね……。悠乃ちゃんには、幸せになって欲しいと思いました。お話が進んでいけばいくほど伝わってくるのですが、悠乃ちゃんはとにかくいい子なんですよ。そんなことで悩まなくてもいいのになってことでも悩んでしまったり、気を使う性格だったり、真っ直ぐでかわいらしい女の子です。作中ではそんな彼女にさまざまな非日常が待ち受けていて、エンディングに向けてちゃんと幸せになって欲しいなと思える女の子でした。

――演じるにあたって意識した点はありますか？

堀江　悠乃ちゃんはすごくかわいくてモテる女の子なんですけど、高飛車ではなく、気さくにみんなと接しているキャラクターです。かわいいんだけど気楽な感じ。でもまわりのみんなやほかの学校の生徒たちからすると少しだけ高嶺の花という雰囲気が出るといいなと思いながら演じました。優等生というか、わりとパーフェクトに近い女の子なので、それが嫌味にならないように意識しましたね。

――開発スタッフからは演技についてどのようなアドバイスがありましたか？

堀江　たとえば、男子から好かれても女子から好かれなかったら、パーフェクトな女の子じゃないと思うんですよ。ですから、女の子にも受け入れてもらえるように、「このセリフはどんな言いかたをしたら嫌味にならないですかね？」とか「このセリフは取りようによっては悪く聞こえちゃうかもしれません」といったことを、スタッフさんと相談しつつ進めました。私が女性目線でセリフを見て、男性に伝わりにくいかもしれない部分のニュアンスにも気を使いました。

――収録を終えての感想はいかがでしょうか？

堀江　本作は現代の世界を舞台として、謎のウィルスや怪物が出てきます。現代なんだけど日常ではあり得ない非日常があり、でもまったくの非日常かと言われたら必ずしもそう言い切れないという、怖さみたいなものを感じました。その世界の中で展開する登場人物たちのストーリーはファンタジー過ぎず、自分の身にも起きそうな感覚が味わえます。身近なようで身近じゃない、怖く感じながらもキュンとする場面もあるといった世界で、自分だったらどういう選択をしていくのかを考えていると、ある意味“自分もこうなってみたい”という願望を少し感じました。もちろん実際には起こって欲しくないのですが、“もし自分がこうだったら”を想像して、一回こういう冒険をしてみたいといったワクワク感がありましたね。お話ではウィルスが出てきたり、争いも起こるので、明るいワクワク感とは違う“裏ワクワク”を味わえる作品だと思います。

――堀江さんが担当したエンディング楽曲の感想を教えてください。

堀江　難しかったですよー（笑）。曲調はシリアスなバラードで、悠乃ちゃんのシナリオでの彼女の心情をそのまま歌った、思いが溢れている切ない曲です。歌声で感情を表現するのは難しく、私自身がバラードがそんなに得意ではないので、歌として難しい曲でした。とても切な可愛い楽曲なので、プレイヤーさんにはエンディングで聞いていただきたいと思います。

――最後に『Song of Memories』を期待するファンへのメッセージをお願いします。

堀江　序盤は幼なじみや妹やクラスメイトが登場して楽しい学園物かと思いきや、徐々にとんでもない非日常に入っていく感覚が絶妙で楽しいです。ぜひプレイしていただきたいと思います。がんばっていただけたら皆幸せになれます！　でもけっこうがんばらないと幸せになれないので気を付けてください（笑）。あと、悠乃ちゃんはイチャイチャしているシーンも見どころですよ！