時間のループに囚われた状況で、失敗をくり返しながら解決策を探していく体験は好奇心をそそられ、物語に引き込まれる。それと同時に、ループによって疲弊していく気持ちをプレイヤー自身も味わうことで、主人公への感情移入もグッと深まる構成になっているのが見事。微妙に避けにくいザコ戦が面倒だったりするものの、一度見たシーンは早送りできるなど、遊びやすい作りになっています。
週刊ファミ通1828号より
詰んだり、別の展開が気になったときにループ……を気楽に体験できるのは序盤まで。冒険が進むほど、わかりきったことのくり返しの比重が大きくなり、徒労感がゲーム画面内外で濃くなります。このあたり、会話パートの“間”の演出が性に合えば、耐性も多少変わってくるかもしれません。RPGとしては成長関連のシステムが変則的ですが、属性の相性の影響力が強い戦闘パートには、パズル的な魅力があります。
週刊ファミ通1828号より
RPGやアドベンチャーというよりは、主人公がくり返した同じ日をループしたぶんだけ追体験する、シナリオ主導のエンターテインメント。テキストや情報量が過剰気味で読み疲れもしますが、パーティーのメンバーとの交流が濃密に描かれていて、愛おしさがどんどん増してきます。翻訳も爽やか。あちこちに散りばめられている、主人公とプレイヤーの感情や考えがシンクロする仕掛けのアイデアが見事です。
週刊ファミ通1828号より
タイムリープをくり返して最終決戦に挑むシステムが熱い。体裁はRPGだが、行く手を阻む困難を、時を巻き戻し、再スタートで乗り越えるさまはアドベンチャー。ジャンケンをベースにしたコマンド選択バトルは、戦術的な手応えがある一方で、敵ごとにキャラの立ち回りが固定化されがちに。ゲームボーイ的なUI&グラフィックは、雰囲気はあるが、くり返しをより視覚&UIでサポートしてくれれば、とも。
週刊ファミ通1828号より