ゲームというよりは、プレイヤーの行動によって物語が分岐していく、インタラクティブな絵本のよう。ユニークなセンスで読んでいて楽しいテキスト、デザイン性が高くてアーティスティックなグラフィック、コーラス入りの愉快なサウンドが、いい味を出しています。くり返しプレイが前提で、1回のお話が10分くらいで終われるのもグッド。欲を言えば、分岐のバリエーションが多いと、なおよかった。
週刊ファミ通1531号より
キャラ自体ではなく風景を映している枠を動かすなどして、ストーリーの展開を変化させる、というアイデアが秀逸。見せかたや雰囲気がステキな作品になっている。一方で、物語自体には感動や寓話のような深みがそれほど感じらず、見終わった後の満足感は少々薄め。1プレイはすぐに終わるが、くり返しプレイで異なる分岐を見ようとすると、同じシーンを何回も見ることになり、作業感がともなう。
週刊ファミ通1531号より
古めかしい言い回しを再現したテキストによって生まれる物語のテンポが、じつに魅力的。難しい漢字を読めない小さなお子さんも、PS Vita版のタッチスクリーンでタップやスワイプすることで、インタラクティブな絵本として楽しめるのもいいですね。外部サイト経由の有料サービスではありますが、マルチシナリオのお気に入りの足跡を電子書籍かハードカバーの本として出力できるのには驚きました。
週刊ファミ通1531号より
まるで仕掛け絵本で遊ぶようなインターフェースが見事。北欧のテキスタイルデザインを思わせる温かみのあるイラストと、どこかのんきな音楽との組み合わせが、幸福な時間をもたらします。すべてのお話を見た後の展開は少し寂しかったけれど、作り手のメッセージは伝わってきました。マルチエンディングとリアルを結びつけた仕掛けもステキで、スタジオを応援する意味でも参加したい気持ちに。
週刊ファミ通1531号より