今回、発売に先駆けて本作をプレイする機会を得たので、ひと足早くレビューをお届けしよう。なお、本記事はネタバレには十分配慮しているが、事前にまったく情報を知りたくないという方はご注意されたし。
選択肢が多すぎて周回不可避な自由度の高さ
筆者は『The Elder Scrolls IV: Oblivion』からオープンワールドRPGに魅了され、『Fallout 3』や『Fallout: New Vegas』を日夜遊び続けていた世代なのだが、本作はまさにあの当時の体験が蘇るゲームになっている。

攻略の順番など無視して思うがままに旅をして、権力者の家に忍び込んでレア装備を盗み、名声も悪名も自分次第。四面楚歌で善人から悪人まで手広く関わり、好きなようにロールプレイを楽しめる。





この“アルカディア星系”では、大きく分けて3つの派閥が争い合っている。
登場する派閥は、全体主義的な思想で凝り固まった軍事政権の“護国帝政府”、宗教集団であり科学者の集いでもある“昇華律団”、巨大企業としてアルカディアに進行してきた“Auntie’s Choice(アンティーズ・チョイス)”の3つがメイン。
ちなみにアンティーズ・チョイスは日本語版では“おばさんのお墨付き”という、なかなかにクセの強い名前になっている。



プレイヤーの主目的は、とある人物の足取りを追い、大きな陰謀を阻止するために動くというもの。そこで3つの派閥と深く関わることになるのだが、そのルートや最終的な結末はプレイヤー自身に委ねられており、この選択肢が驚くほどに豊富だ。

ここでは“おばさんのお墨付き”派閥のミルヴァストリート大臣、調達士官コールという2キャラクターから協力を提案されるのだが、選べるのはどちらか一方のみ。協力しなかったほうとはそれ以降、ろくに会話もできない関係になってしまう。


そして、当然ながらこの協力は必須ではない。“護国帝政府”側に寝返ってもいいし、両者を手助けしてもらえる報酬はすべて獲得するのもアリ。
途中で「コイツのやりかた、気に入らないな」と思ったら、受けた依頼を台なしにしてしまっても構わない。これらのほとんどはサイドクエストに分類されるのだが、そのほとんどに複数の結末が用意されている。
ヴォックス中継局に侵入するためのルートだけでも、プレイ中に4パターンほど発見できた。どんなルートを選んでも詰むことはないので、自分の思うままに道を決めていける。

ここでプレイヤーが取った選択次第で、後々の敵味方の関係や勢力図が変わったりするのもポイントだ。選択肢次第ではひとつの街の命運を決めることになるため、選ばなかった選択肢が気になって2周目をやりたくなってしまう。

この選択肢や、攻略するルートにはプレイヤーのスキルも影響してくる。本作はレベルが上がるごとにスピーチやハッキング、銃など好きなスキルを成長させられるのだが、これによってさらに選択肢は増えていく。


敵対NPCとは戦闘前に会話する機会があり、ここで必要な情報を集めておいたり、スピーチが高いと戦うまでもなく降伏させられる。今回のプレイではスピーチを上げていたのだが、絶対に降参しなそうな相手まで説得できてしまった。

誰を味方するか、途中で裏切るか、会話する前にヤってしまうか。重要NPCだろうと容赦なく倒せるシステムなので、どんな物語になるかは遊ぶ人によって異なってくる。
プレイヤーの行動次第で各派閥からの評判も変わってくる。善人を目指したり、逆に全派閥から嫌われる悪人の道を選ぶなど、とにかくやりたい放題だ。
ちなみに、あまり調子に乗って動くと仲間キャラに離反される場合もある。罪のないNPCを狩った時に苦言を呈されたり、取り返しがつかないほど大きな決断をした後は、別れが待っていることも。

この自由度の高さは驚くような展開につながることもあり、序盤から「ここまでできるのか……」と感動してしまう選択肢もあった。ネタバレを避けるため詳細は話せないのだが、語りたくなるようなおもしろい展開が待っている。
選ばなかったルートではどうなったのか、それも気になってしまうので2周、3周とさまざまなロールプレイで遊びたくなるゲーム性だ。
ちなみに執筆時点で40時間ほど遊んでいるのだが、まだ終わりが見えてこない。1周だけでも十分すぎるボリュームだが、早くも2周目を遊ぶことを考えているので、本作1本で100時間以上は遊べそうだ。

スキルやガジェットを駆使した冒険は止め時を見失うおもしろさ
手触りやテンポ感は定番のFPSに近く、移動速度やアクションで不満を感じることはなかった。ダッシュはスタミナなしで走り放題で、スライディングやしゃがみも使える。しゃがんだ状態だと敵に発見されにくいため、その状態でスニークキルを狙うことも可能だ。


武器の種類も豊富で、シンプルな物からSF系のビームや毒を発射する銃、近接武器まで多種多様。拾ったりショップでの購入も可能だが、サイドクエストなどで手に入れたユニーク武器を使う機会が多かった。
なお、武器や防具は合法的に手に入れずとも、特定NPCから鍵を盗むことで序盤からゲットできたりもする。ふと寄り道した場所で思わぬ強さの武器が獲得できるのも、オープンワールドの醍醐味と言えるだろう。

デザインもSFに寄りすぎない、重厚感のある見た目でリロードのアクションなども凝っているのが見て取れる。攻撃時に電撃を出す杖など、珍しい特徴を持つユニーク武器も入手できるので、サイドクエストやダンジョン攻略のモチベーションも維持しやすいのがありがたい。

これらの装備に加えて、クエストを進めることで手に入るガジェットも特徴的な要素だ。ガジェットはスローモーション化、死体の隠蔽、シールドの展開、ウォールハックが使用でき、これによって戦闘スタイルにもバリエーションが出てくる。

ウォールハックや音を出す道具をセットで使えば、大量の敵を背後から処理できるので多彩な戦いかたを試してみてほしい。

大量の敵がいるダンジョンでも、正面突破からスニークキル狙い、迂回路を探す、敵と交渉して無力化など、自分なりの攻略ルートを見つけられるのが本作のおもしろいところだ。NPCとの関係性だけでなく、自分がどのようなキャラに育ててきたか、これまでの冒険次第で進めかたは変化していく。


これがなかなかに曲者で、一度獲得すると大きくゲーム体験に影響をおよぼすような欠点も存在している。通常プレイだと取得に勇気のいるシステムだが、気に入った内容があれば受け入れてみてもいいだろう。


たとえば最初から仲間のナイルズは、戦闘中でなければどこでも装備の改造や、弾薬などの製造をしてくれるフィールド改良のスキルを持つ。ダンジョンで弾切れを起こしても、素材とナイルズさえいれば安心という、超便利スキルだ。

また、味方の個別クエストも用意されており、このクエストでより味方と親密になれるほか、アップグレード素材も手に入る。全員のクエストをやっていくと、これもまたかなりの時間を遊べるのですさまじいボリュームだ。

本作の特徴として、味方がいるとストーリーでも時折会話に入ってくることがある。ただ同行するだけでなく、時には反対意見を出したり、感情むき出しで会話に参加してくれるので、いっしょに冒険している感覚を味わいやすいのもいいところだ。

何でもできるが丁寧な作りでずっと楽しめる
しれっと派閥を裏切ればしっかりバレているし、逆に誰にも見られていない窃盗や殺人は咎められることがない。プレイヤーの取った選択が、しっかりとゲーム内に反映されている丁寧な作り込みには感服した。

おもしろおかしい変人から、マッドサイエンティストなおじさんまで濃すぎるキャラも勢揃い。冒険するたびにクレイジーな出会いが待っている。

アクション部分も攻略方法のバリエーションが多いため飽きがなく、夜通し遊びたくなるタイプのゲームだ。実際、本作を始めてから睡眠時間が大幅に減って、夜から朝まで通しで遊び続けていたほど、やめるタイミングが見つからない。
裏社会の住民が集まる場所にコッソリ侵入できる通路や、じつはスリをするとレアアイテムが入手できるNPC、意外な和解ルートなど、語りだすと止まらないほどワクワクする冒険エピソードが溢れてくる。

オープンワールドRPGが本格的に流行り出した、あのころのゲーム体験を求めている人にはぜひプレイしてみてほしい。

『The Outer Worlds 2』製品情報
- 対応プラットフォーム:プレイステーション5、Xbox Series X|S、PC
- 発売日:2025年10月30日発売
- 発売元:Xbox Game Studios
- 開発元:Obsidian Entertainment
- ジャンル:アクション・RPG
- 価格:各8900円[税込]、『Premium Edition』/各11900円[税込]
- 対象年齢:CERO 18歳以上のみ対象
- 備考:ダウンロード専売 Xbox Game Pass対応























