ひと足早くゲームを最初からプレイする機会をいただいたので、発売直前レビューをお届け。試遊に使ったプラットフォームはPS5で、記事中もそれに準じたボタン表記を使っている。なお、初回プレイ時の感動や驚きを損なうことのないよう、ネタバレに関しては配慮しているのでご安心を。
ディアナとの絆を事細かに描いたストーリーに脱帽
ゲーム序盤は施設の謎に迫りつつディアナとの親交を深めていく形でゆったりと進んでいく。後半辺りからはとある存在の出現によって状況的にも、ヒューたちの立場的にも大きく揺れ動いていく。

特筆すべきは、ヒューとディアナの絆が構築されていくその過程だ。最初こそそっけなく、何となくの協力関係でしかない状態だが、施設の探索やそれにともなった戦い、要所で挿入される会話などで少しずつお互いを必要とする関係になっていく。
なかでも会話パターンに関しては膨大で、道中の何気ないやり取りや、特定のポイントで見られる会話シーン(ログが記録されるので後で見返せる)、拠点であるシェルターでの会話、そしてカットシーンとバリエーション自体も多い。個人的には、すべてがムービーなどで語られたりせず、ちょっとした会話の積み重ねが、ふたりが仲よくなっていく過程で重要な位置を占めていたのが好印象だった。

本稿をここまで読んだところでヒューとディアナの行く末が気になった方も多いと思うが、筆者と同じ感動を味わっていただくためにもぜひご自身の目で確かめてほしい。終盤は新しく判明する要素や用語が多く、かなり詰め込まれた展開ではあったが、難解過ぎるものにはなっていない。脳筋の筆者でもしっかりと理解できる、わかりやすい形でまとまっていた。SF作品が好きな方にたまらない内容なのは間違いない。
進めるほどに深みと派手さを増していくゲームシステム
ただ、一度クリアーしたらそのステージは終わりというわけではない。しっかりと探索しないと見つからない場所にアイテムが設置されていたり、先のステージで入手できる機能を使わないと進めないポイントがあったりと、何度も訪れて楽しめるようになっている。

ステージマップはどこも立体的な作りで、探索するのに特定のアクションの成功やギミック解読が必要な場所も。強化用素材や強力な装備品など明確なメリットがあるのも大きいが、各ステージごとにロケーションが異なり、単純に見て回るのが楽しいという点も探索のおもしろさに一役買っている。
そして本作を語るうえで外すことはできない、まさに中核をなす要素が独特の戦闘システムだ。
登場する敵(ボット)は堅固な装甲に覆われており、ディアナによるハッキングで装甲を解除しないと有効なダメージを与えられない。まるで一筆書きパズルのようなこのハッキングこそが、既存のゲームにおける戦闘と一線を画す部分でもある。
ハッキング中も敵の動きは止まらないため、警戒とパズルとを同時にこなすことになる。最初はかなり忙しく、なかなか思うようにいかない。だが、これは“慣れ”の要素が非常に大きく、ゲーム中盤に差し掛かるころには鼻歌まじりでハッキングができるようになっていることに気付く。操作に慣れることがこんなに楽しいとは。
さらに、ゲーム進行に応じて装備やアビリティも充実していく。始めたてからは考えられないほどスムーズにハッキング~攻撃で敵を倒せるようになる。では簡単になり過ぎるのかというとそうではなく、敵も新型のものや、すでに登場済みの敵がバージョンアップされた形で出てくるなど、ゲーム自体の難度はバランスよく維持される仕様。プレイヤーが取れる動きや戦法も増えるので、戦闘の爽快さ、おもしろさがだけが増していくという寸法だ。
ストーリー終盤あたりに差し掛かると、敵が強力なうえに複数での出現が増えてきて力押しでの突破が難しくなる。ここで前述した探索要素が絡むようになり、探索でアイテムや素材入手→拠点で強化→再度強敵に挑むというサイクルへ自然と流れていく。いったん過去ステージへ訪れての探索によって気分も変わるので、飽きずに楽しめるような誘導はお見事。
取りこぼしたアイテムを探しにクリアー済みのステージ探索すると、「ここ行けるんかい!」と新たな攻略ルートが発見できたり、初回は苦戦した敵も楽々倒せたりするのもよかった。
基本的には忙しめのゲーム展開なので、ともすればゲーム中に疲れてしまいそうだが、そうならなかったのはディアナとの触れ合いによるものが大きい。
シェルター内ではディアナが自由に動き回り、これがとても微笑ましい。会話をしたり、ステージ内で拾える“リードアースメモリ”というデータをプレゼントすることもできる。
リードアースメモリはさまざまな遊び道具だ。シェルター内に設置でき、それらでディアナが遊ぶ様子を見られる。これがとてつもなく可愛らしく、ステージを根こそぎ探索して遊び道具をコレクションしたくなる。まさにゲーム開発側の思うツボと言えるだろうが、それが楽しければまったくもって問題ないわけで、むしろ望むところであろう。
一風変わったゲームを求めているユーザーはもちろん、TPSが苦手な方も含めて、全人類遊んでほしい
今回はストーリークリアーまでプレイさせていただいたが、クリアー後は専用の特殊モードや、いわゆる強くてニューゲームの周回要素、さらにはストーリークリアー後から使える武器まであった(これが1周目に存在していたら、こればかり使っていたかもしれないくらいに楽しい武器だった)。客観的に見ても、かなり遊び込める作りだ。
発売まであとわずかにまで迫っているが、パズルが絡んだリアルタイムでの戦闘は唯一無二の体験なので、これに触れずにいるのはもったいない。世界中の全ゲーマー、いや全人類にプレイしてほしい。もしTPSが苦手といった理由で本作をスルーするのはあまりにももったいない。自分は我慢できないので2周目のプレイに行ってくるとします。それでは!














