家庭用ゲーム初のシリーズ作品
2008年(平成20年)12月4日は、Xbox 360用『フォールアウト3』が発売された日。本日で発売から15周年を迎えたことになる。
ちなみに海外では日本より1ヵ月以上早い2008年10月28日に発売済み。日本のプレイステーション3版は年をまたいだ2009年1月15日に発売された。
『Fallout 3(フォールアウト3)』は、『The Elder Scrolls(ジ・エルダー・スクロールズ)』シリーズや『Starfield(スターフィールド)』などで知られるベセスダ・ソフトワークスから発売されたオープンワールドRPG。日本の家庭用ゲームで初めて発売された『フォールアウト』シリーズとなるので、本作から入ったというゲームファンも多いのではないだろうか。
もともと『フォールアウト』シリーズは海外メーカーのInterplayから発売されていたPC用タイトル。知る人ぞ知るコアなRPGだったのだが、ベセスダ・ソフトワークスがIPを買い取り、続編として新たに作り上げられたのが本作『フォールアウト3』となっている。
以降、『フォールアウト4』や『フォールアウト76』など複数のシリーズ作品が登場。発売当初から現在にいたるまで、オープンワールドRPGの代名詞的存在のひとつとして知られている。
ゲームの舞台となるのは核によって焦土と化した近未来の世界“Capital Wasteland(キャピタル・ウェイストランド)”。かつてワシントンDCと呼ばれた大地は放射能に汚染され、一部の人類は襲撃者のレイダーとなって徘徊するなど、もはや無法地帯の様相だ。放射能の影響か、そこかしこには異形のクリーチャーも蔓延り、人類に襲いかかってくるのだからたまったものではない。
そんな超危険な世界をプレイヤーは自由に探索。人々を救う救世主になってもいいし、悪逆非道の犯罪者になってもいい。冒険の過程で下した決断が後のストーリーに影響するなど、驚異的な作り込みに当時の誰もが圧倒されたんじゃないかな。過激な表現も多く使われていて、国内版の表現規制などもかなり話題になったので覚えている人も多いだろう。
昔の人々が夢想した未来像、いわゆるレトロフューチャーまんまの世界が広大なオープンワールドになっているため、廃墟をあちこち見て回るだけでも非常に楽しかった覚えがある。そのあたりはユーザーインターフェースにも反映されていて、携帯型コンピュータの“ピップボーイ”が緑一色だったりしてやたらとレトロな雰囲気だったのもおもしろかった。
戦闘は一人称及び三人称のシューター形式。当時はまだいまほどシューターゲームに慣れていなかったこともあって筆者などは「また撃ち合いか」と思ったものだが、『フォールアウト3』ではそんな人に配慮してか、“V.A.T.S.”システムを搭載。
これは時間を一時停止させて敵の両手足、頭部、胴体などの部位を狙えるシステムで、アクションポイントを消費して複数の敵や部位を狙い撃つことができた。
リアルタイムで動き回りながらでは到底実現不可能なレベルの狙い撃ちも簡単にできたため、足を狙って接近を阻止したり、武器を破壊して攻撃力を失わせたりするなど、シューターの腕前を問わず戦略的に戦えたのが画期的だった。精度の高い部位破壊はじつに快感で、使いこなせばバトルの効率もどんどんよくなるため、かなりクセになるプレイ感覚だったんじゃないかな。
2010年11月4日には、Xbox 360及びプレイステーション3向けの日本版『Fallout:New Vegas(フォールアウト:ニューベガス)』が発売。これは『フォールアウト3』のスピンオフ作品とアナウンスされていたものの、舞台がラスベガスに移ったうえにボリュームもたっぷりと単なる番外編ではとどまらない作品に仕上がっていた。
シリーズ最新作となる『Fallout 5』の構想について開発者が語り、2022年6月ごろに話題になったことはあるが正式発表は遥か先の話になるだろう。当面はまだまだ現役サービス中のオンライン作品『フォールアウト76』や『Fallout Shelter Online』を遊びながら気長に待っていよう。