PLAYISMより、2023年10月30日にSteam用ソフト『ファントムローズ2 サファイア』が発売される。
本作はカードを使ってバトルをするシステムながら、ドローのランダム性を排除したデッキ構築型のローグライクゲーム。気軽に遊べるシステムで、ローグライク入門としてもオススメしたい内容になっている。
本記事では、そんな『ファントムローズ2 サファイア』のプレイレビューをお届けしていこう。
『ファントムローズ2 サファイア』Steamサイト※本記事はPLAYISMの提供でお届けしています。
クールタイムの管理が攻略のカギ! ランダム要素を排除したデッキ構築型ローグライク
本作は敵と戦いながらダンジョンを進み、ボスの撃破を目指すローグライク。ダンジョン探索では移動などの操作は必要なく、2~3ルートから好きなものを選択して先に進んでいくシンプルな形式だ。道中遭遇する敵(ファントム)と戦うか、お宝を探すか、あるいはキャンプで休憩してHPを回復するのか。選んだルートによって得られるカードが変わり、後々の強敵戦でこれまでの行動が影響してくる。
とはいえ、どのルートを選んだとしても後に詰むほどの影響はなさそうだ。難易度自体はさほど高くなく、最初はシルバー、つぎにゴールド、ダイヤモンドとクリアーするたびに上の難易度が解放されていく仕組みなので、ゴールドまではサクサクと進められた。
肝心のバトルシステムについても、詳しく触れていきたい。
バトルは手札のカードを使って戦うデッキ構築型で、ドローの必要はなく常時好きなカードを使用できる。戦闘が開始されると、場には4枚カードをセットできる場所があり、そのうち2枚は敵のカードが配置される仕組み。プレイヤーは余った枠に、デッキから2枚のカードを選べばオーケーだ。
ただし、カードはいつでも使えるというわけではなく、一度使用するとクールタイムが発生してしまう。そのため強いカードだけを連続して使用するのは不可能で、時には弱いカードで場を凌ぐ必要も出てくる。カードにもよるが、基本的には強いカードほどクールタイムが長いと覚えておくとわかりやすい。
カードにはシンプルな攻撃カードから、一定ダメージを防ぐシールド、相手に状態異常を与えるデバフカードなどが用意されている。それらを適切な場所でタイミングよく使うのがバトルの基本的なサイクルだ。
たとえば敵が2番目に攻撃のカードを置いているなら、1枚目にはシールド、つぎは攻撃といった感じで、極力ダメージを受けずに敵を撃破するのが望ましい。カードのクールタイム、被ダメージは戦闘後も継続するため、つぎの戦闘に備えて使用するカードを調整するのも攻略手段のひとつだ。
無事に敵を倒せたら、報酬として新たなカードをゲットして先へ進む。これをくり返し、少しずつカードを増やしながら最深部に待つボスを撃破するのがステージ攻略の流れとなる。
最初は弱いカードしか使えないが、次第に強いカードが手に入り、自分でデッキを構築していくのが本作の楽しみかたになるだろう。カードによっては組み合わせて使うとより強力な効果を生むため、新たなカードを手に入れるたびに戦略を練るのがおもしろい。
どのカードが手に入るかは運次第なので、運が悪いと狙ったカードがいつまでも手に入らず、微妙なデッキでボスに挑む場合も。そんな状況でもボスを撃破できるかが、プレイヤーの腕の見せ所と言える。
実際にバトルをやってみての所感としては、敵との答え合わせ、パズルをやっているような気分だった。本作では相手の使用するカードが伏せられていないため、どんなカードを使用してくるかは事前に把握ができる(高難易度になると1ターン目の敵のカードは伏せられる)。それに対して、最適な行動を自分が取れるのかが試されるのがバトルの醍醐味。
たとえばデバフを多用してくる敵に対しては、自身のデバフを相手に移すカードでカウンターを仕掛けるといった具合に反撃自体は簡単にできてしまう。一方で、カウンターに失敗すれば、2~3ターンで追いつめられることも。相手の出すカードが読めているからこそ、完璧に対処できなければ負けるという緊張感があるのだ。
また、前作と違い本作にはクラスシステムというものが追加されており、基本的なブレードクラスだけでなく、メイジクラスというまったく異なるカードを使うクラスにも挑戦できる。
メイジはブレードよりも難解で、ローグライクやカードバトルに慣れている人や、ブレードでは物足りなくなってきた人向けのシステム。最大の特徴は、攻撃カードを使用する際にアルカナというゲージを消費する点だ。
アルカナはターン経過、魔法カードの使用で溜まっていくのだが、溜まっていないと強力な攻撃カードは使用できない。どのタイミングで攻撃カードを使用するかの駆け引きが生じるため、ブレードクラスよりも手応えを感じられた。
一方で、攻撃カードは与えるダメージも大きいため、チャージに時間を要するが、火力自体は高いといったイメージ。アルカナの管理、カードのクールタイム調整などの要素が合わさることで、カードの采配がより重要になってくる。
加えて相手の行動に対しての対処も求められるため、戦略性の深さが増したクラスと言えるだろう。どちらでプレイするかは自由に決められるため、最初はブレードで戦闘システムに慣れてから、メイジでの攻略を始めるのもアリだ。
無事にステージをクリアーすることができれば、新たなカードなども開放され、より戦略性が増していく。高難度になるほど扱えるカードの種類も増えるため、一度クリアーした後もくり返し遊んで楽しめる。
また、本作にはストーリークリアー後に遊べるアーケードモード(ボスラッシュモード)などエンドコンテンツも用意されているため、バトルシステムが気に入った人なら長期間付き合えるゲームになるだろう。
ダンジョン内ではユニークなキャラクターとの出会いも待ち受けており、キャラクターによってはストーリーも楽しめる。どのキャラクターに出会えるかはランダムなので、挑戦するたびに異なる体験をできるのもローグライクの醍醐味だ。本作はマルチエンディングシステムを採用しているので、全エンディングを目指して遊んでみてほしい。
全体的に難易度自体は高くなく、初心者でも安心して遊べる作りだが、仮にクリアーできなくても強化の救済措置も用意されている。挑戦するたびに得られるポイントでHPやデッキ上限を追加でき、攻略難度が緩和されるため継続して遊べばエンディングまでたどり着けるはずだ。
ちなみにゴールドまでは強化はほぼナシでも到達できたが、ダイヤモンドまで行くと数回はリトライすることになった。敗北した場合は、カード分解などで手に入るサファイヤを消費することでリトライもできるため、そういった点でもハードルは低く遊びやすい。
プレイしていると手に入るサファイヤではカードパックのほか、キャラクターの服装を変えるスキンなども購入できる(有償ではなく、ゲームプレイをくり返すことで入手可能)。くり返しプレイしてキャラ愛が深まってきたら、好きなスキンに変えてプレイモチベーションも上げられる。
ローグライクは腰を据えて長時間集中して遊ぶタイトルも多いが、本作は比較的気楽に遊べるゲームで、1時間程度空きがあればちょこっと遊ぼうかなという気持ちになれた。バトルシステム自体もわかりやすく、それでいてローグライクならではの楽しみも感じられるため、初心者にもオススメだ。
デッキ構築型のローグライクが好きな人や、キャラクターのビジュアルに惹かれた人はぜひともプレイしてみてほしい。10月30日の発売に合わせて10%オフのローンチセールも実施されるため(10月30日16時~11月6日15時59分まで)、興味を持った人は発売日に購入してみてはいかがだろうか。
ファントムローズ2 サファイア
- プラットフォーム:PC
- 発売元:PLAYISM
- 開発元:makaroll
- 発売日:2023年10月30日発売
- 価格:1980円[税込]
- ジャンル:アドベンチャー
- 対象年齢:―