漫画家・伊藤潤二の作品群をはじめとする日本のホラー作品に多大な影響を受けたホラーゲーム『恐怖の世界』(英題: World of Horror)がついに完成だ。
本作のプレイステーション4およびNintendo Switch版が2023年10月19日より発売されるほか(国内パブリッシングはPlayismが担当)、アーリーアクセスが行われていたPC版も同日深夜(※)にバージョン1.0へとアップグレードされ、日本語に正式対応する。(※10月19日午後0時半追記: 当初“夕方ごろ”としていたのを変更)
“旧き神”が招く宇宙的終末に立ち向かう変則RPG
本作を開発したのは、ポーランドのインディーゲーム開発者panstasz。先に書いたようにPC版アーリーアクセスが行われていた本作だが、今回本誌ではPC版バージョン1.0を先行プレイしたので、その内容を改めてご紹介しよう。
本作の舞台は“塩川町”。クトゥルフ神話的な“旧き神”たちが目覚めたことにより、一見なんの変哲もない町がさまざまな怪事件に悩まされるようになる。プレイヤーの目的は町で囁かれるさまざまな謎を調査していき、決定的な破滅が訪れる前に食い止めることだ。
ゲームとしては一見アドベンチャーゲーム風でありつつテーブルトークRPG的なシステムが組み合わさっていて、かなりクセは強め。ターンベースの戦闘時に選べるコマンドの多さだけでも面食らうだろう。
しかも難度も決して易しくはなく、一度クリアーした事件でも状況やランダムイベントのめぐり合わせが悪ければゲームオーバーということは往々にしてある。基本的には、ランダム要素をうまく乗り越えてクリアーできるチャンスを目指して何度もプレイするゲームなのだ。
なので初見の人はもちろん、以前アーリーアクセス版をちょっとプレイした人やその実況などを見たことがあるという人も、まずはチュートリアルである“身の毛もよだつハサミ女の未解決事件”からプレイしながらシステムを把握・再確認していくのをオススメしたい。
さてバージョン1.0の特徴は、日本語をはじめとするローカライズ対応の追加と、ゲーム中に出てくる事件やプレイアブルキャラクターの追加、そして家庭用ゲーム機版の発売といったところ。
その中でも嬉しいのが、やはり公式な日本語対応だ。本作は伊藤潤二作品とH・P・ラヴクラフト的なコズミックホラーが昭和末期(1984年)の日本を舞台にミックスされたような、ドロッとした絶妙な雰囲気が最大の売り。それだけにしっかりとしたローカライズでこの世界観を堪能できるのは非常にありがたい。
今回プレイしたバージョン1.0のレビュー版では少しばかり文字抜けらしき部分や改行位置が微妙なところもあったのだが、発売直前のアップデートでの修正も予定されているそうなので、さらなるクオリティアップが期待できるだろう。