ベセスダ・ソフトワークスで長年PR&マーケティング部門のトップとして活躍し、パブリッシング部門の代表も務めたピート・ハインズ氏が、同社での24年のキャリアに終止符を打つことを発表した。同社の久しぶりの大型新規IPである『Starfield』の発売がひと段落したことで引退を決意し、今後はより個人的な時間を過ごしていくという。
https://t.co/dhZEmRbzjz
— Pete Hines (@DCDeacon)
2023-10-16 23:01:50
ピート・ハインズ氏が一般的に知られているのは、ベセスダ・ソフトワークスの発表会の冒頭などに出てきた時の姿だろう。コアなベセスダファンなら、新作が出るたびに署名付きの「休暇/欠席届」を用意してくれる“ピートおじさん”(Uncle Pete)のことを目にしたことがある人も少なくないはずだ。
海外メディアなどにも昔からよく知られており、記者は『Fallout: New Vegas』のプレスイベントが、前説に出てきた同氏に対する現場のメディア関係者たちの「Hi, Pete!!」(こんちわ、ピート!!)の挨拶から始まったのを覚えている。
それは単に同氏がPRのトップというだけでなく、本人が熱心なゲーマーということもあって自社タイトルの細かい部分まで知っていたということへのリスペクトも少なくない。
Whether you need time off to play #Starfield starting tomorrow in early access, or next week at launch, Uncle Pete has you covered. https://t.co/wLeeDvNLWn
— Pete Hines (@DCDeacon)
2023-09-01 02:40:12
同氏はそのキャリアを通じて、開発側のトップであるトッド・ハワード氏と並ぶ“ベセスダの顔”としてインタビュー対応などもこなしてきたのだが(本誌にも何度か登場)、スケジュール上の問題でインタビュー対応する開発スタッフが間に合わなくて穴を開けてしまいそうな時に「それなら俺が答えるよ」と難なく代打を務める姿を目撃したことがある。
そもそも多数のメディアが集まる現場だとクリエイティブディレクターのインタビューなどは取り合いになるのだが、そこから漏れてしまっても代わりにやってくる相手がピート・ハインズなら細かいことも結構知っているし、何よりPRの一番偉い人なので「何を喋っちゃいけないか」のギリギリまで答えてくれることがあり(※)、場合によっては逆にラッキーなのだ。(※普通の開発スタッフだと「これは喋っちゃいけないんだっけ?」と不安になった時は抑えめの内容になることがある)
ファン向けのイベントなどにもよく顔を出しており、傘下id SoftwareのイベントQuakeConでは深夜のバカ企画“汚キーボード選手権”などにも登場。現地ファンとフットワーク軽く交流していた。そのスタイルを完全に引き継ぐのは並大抵のことではないと思うが、ぜひ後任の人物にも地に足のついた活動を期待したいところだ。ありがとう、ピートおじさん!