グラビティゲームアライズより、Nintendo Switch、プレイステーション5(PS5)、プレイステーション4(PS4)、PC(Steam)向けに発売予定の新作推理アドベンチャー『東京サイコデミック ~公安調査庁特別事象科学情報分析室 特殊捜査事件簿~』(以下、『東京サイコデミック』)。
実写映像をふんだんに使い、またそれを実際の科学捜査のようにリアルに検証するというシステムが注目を集める本作。その第1章にあたる体験版部分のレビューを、ゲームの流れを紹介しながらお届けします。
ちなみに、2023年9月20日現在配信中のSteamデモ版は途中までなのですが、本稿ではそのもう少し先の第一章終了時までをプレイした後のレビューとなっています。
まずお伝えすべき感想としては、自分で捜査・推理するのがちょっと難しい。でも、そのぶんおもしろい! というところ。アタマを使ってしっかり考える楽しさのある、歯ごたえある新作アドベンチャーですよ!
ちなみに本作は体験版が配信中。もし本稿を読んで気になった方は体験版を遊んでみては。
※本稿はGRAVITY GAME ARISEの提供でお送りします。
不可解な超常現象を科学的に捜査せよ
『東京サイコデミック』は、証拠品に実写映像を用いたリアル科学捜査シミュレーション。とある理由から未解決事件を追う主人公は、秘密裏に繋がった各部門の専門家である仲間たちと、不可解な事件の捜査を独自に行います。
第1章で追うことになるのは、とある会社員男性の遺体が燃やされた状態で見つかったという事件。しかし、見つかった遺体は一部で、焼け焦げた膝から下の足だけです。現場の周囲が燃えたような痕跡はほぼなく、まるで人間自体が発火して消えてしまったような……。
ファンタジー好きの筆者としては、「炎の操る超能力者が人間を燃やしてしまったのではないか」と思えてしまうほどの奇妙な現場です。しかし、こういった事例は過去に何件もあるようで、通称“人体自然発火現象”(Spontaneous Human Combustion)と呼ばれているようです。果たしてこの事件には超常現象が関わっているのでしょうか、それとも、科学的論拠で解決できる事件なのでしょうか。
カギとなるのは証拠品とロジック
事件を解決するために必要となるのは、科学的根拠に基づいた証拠品と、それらを状況に沿って組み立てるロジックです。
証拠品は“運び屋”によってプレイヤーのもとへ届けられます。被害者の検死結果や事件現場の見取り図、現場の防犯カメラの映像、関係者の証言などなど、さまざまな資料がプレイヤーに“横流し”されます。
そして、ロジックの組み立てにひと役買ってくれるのが“エビデンスボード”。刑事ドラマなんかで、よく刑事さんがホワイトボードなどを使って事件を整理していますよね。事件を可視化し、整理するのに重要な役割を担っています。
真相究明のための材料(証拠品)を集めよう
証拠品となるのは、おもに写真や公的な文書など。それらを集めるために防犯カメラの映像を分析したり、より専門的な意見を仰ぐために仲間へ相談したりします。
真相につながる証拠品を点とするならば、これらの文言は証拠品を結びつける線になります。真実を暴くにはどちらも必要不可欠ですので、資料、証拠品は隅々まで見るようにしましょう。
このあたり、わりと真剣に文章を読まないとキーワードを見つけられなかったりして神経を使います。
いざ、真相究明へ
事件を解決するための証拠、キーワードがすべて揃ったと思ったら、いよいよ真相究明へと向かうのですが……今回のレビューではここまで!
このあともおもしろい操作が待ってますので、ご期待ください。
頼りになる専門家集団“ダークピット”の仲間たち
主人公は“ダークピット”というツールを使い、同じ志を持つ仲間たちと連絡を取りあっています。主人公と彼らは秘密裏にとある事件を追っており、素性がバレる危険性を考慮して互いにコードネームで呼びあう仲。ちょっとスリルがあってワクワクしますね。
ダークピットの協力者たちは、それぞれ専門分野をもったスペシャリスト。事件を解決するにあたって頼りになる仲間たちを紹介します。
Manager
本名は紅葉巴杏。探偵の助手的役割を担う女性。とある事件で弟を亡くした過去を持つ、いまは解散してしまった岩井探偵事務所のメンバーでもあります。
プレイヤーにとっても案内役となっていますので、何か行き詰まったときは彼女の話を聞いてみるといいでしょう。R2ボタン(プレイステーションの場合)で気軽に話し掛けられるので、「あれ? いま何してるところだっけ?」と見失ってしまったら気軽に声を掛けるとやさしく教えてもらえます。
Bartender
薬品や医学に詳しい男性。科学的な見解が欲しいときに力を貸してくれます。
論理的な思考を持ちながらも、非科学的なものを頭ごなしに否定しない柔軟な思考の持ち主です。
Mechanic
連絡ツール“ダークピット”の開発者であり、画像解析などのプロである男性。
ハッキングでだいたいなんでもわかっちゃいます。うーん、情報化社会。「コンビニ行ってくるわ」くらいのノリで街中の防犯カメラをハッキングしてくれます。有能。
Odd
超常現象方面に詳しい女性。
「科学捜査シミュレーションになぜ超常現象が?」と疑問を感じるかもしれません。実際に第1章で目立った活躍はありませんでした。もしかすると、今後の捜査次第では彼女の情報がカギとなる場面もあるのかもしれませんね。
Junket
警察の資料を横流ししてくれる人物。第1章ではダークピット内のやり取りに登場せず、明確な言及はありませんでしたが、おそらく杵島・ローレンス・ユイカのことだと思われます。(紅葉と捜査資料のやり取りをしていたので)
今後、ダークピット内でも関わることがあるのか、楽しみですね。
科学と超常現象が混じり合う、絶妙な塩梅のシナリオ
「幽霊見たり枯れ尾花」なんて言葉があるように、不思議で不可解な現象が、じつは蓋を開けてみれば拍子抜けしてしまう正体だった、ということがほとんどだと思います。心霊写真が出来のいい合成写真だったり、住むと体調が悪くなる幽霊物件は部屋が傾いていたから体調不良になっていたり。不思議なものは、現代科学で証明できてしまうことがほとんどでしょう。
しかし、『東京サイコデミック』においては、「本当にそうだろうか」と疑ってしまう場面がいくつも存在するのです。
たとえば、Oddの存在。なぜオカルトに詳しい彼女が“ダークピット”のメンバーなのか。
たとえば、過去に起こった事件の首謀者、異能を生み出すためのカルト教団の存在。ストーリーに無関係とはとても思えません。
ゲームを進めていくなかでも、「この事件は科学的に立証できる」と感じるときと、「いや、やっぱり超常現象なんじゃない?」と感じるときが交互に訪れるのです。この塩梅が絶妙で、本当に超常現象が存在するんじゃないかと思ってしまいます。
おそらく、主人公や杵島、紅葉は科学で証明できない事件を追っているのではないでしょうか。第2章以降の展開も、いまから非常に楽しみです!
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