2023年9月21日~24日にかけて開催されている東京ゲームショウ2023(21日、22日はビジネスデイ)。
KONAMIブースでは『メタルギア ソリッド: マスターコレクション Vol. 1』の試遊コーナーが出展され、1回の試遊で約15分のプレイが可能だ。
TGS2023のコナミブースは……いいセンスだ!
またブースには『メタルギア ソリッド』の世界を再現したコーナーも。段ボールあり監視カメラありレーダーありで、作品の中に入ったかのような体験ができる、見どころ満載の内容となっていた。
さらに、ブース内のどこかには“ケロタン”が隠れていて、写真に撮ってスタッフに見せた人には、“!”ステッカーがプレゼントされる。
取材した我々は見つけることができなかったので、ぜひ細かいところまで探してみてほしい。
『MGS:マスターコレクション』を試遊!
『メタルギア ソリッド: マスターコレクション Vol. 1』(以下、マスターコレクション)は、『メタルギア ソリッド』(MGS)、『メタルギア ソリッド 2 サンズ・オブ・リバティ』(MGS2)、『メタルギア ソリッド 3 スネークイーター』(MGS3)の3つのタイトルを中心に、シリーズのさまざまなコンテンツを収録したコレクション作品となっている。
収録内容は以下の通り。
ゲーム作品
- 『メタルギア』
- 『メタルギア2 ソリッドスネーク』
- 『メタルギア ソリッド』(インテグラル含む)
- 『メタルギア ソリッド 2 サンズ・オブ・リバティ』(HDエディション版)
- 『メタルギア ソリッド 3 スネークイーター』(HDエディション版)
- 『メタルギア』(FC/NES版)
- 『スネークズ リベンジ』
映像作品
デジタルブック
- 『メタルギア ソリッド シナリオブック』
- 『メタルギア ソリッド マスターブック』
- 『メタルギア ソリッド 2 シナリオブック』
- 『メタルギア ソリッド 2 マスターブック』
- 『メタルギア ソリッド 3 シナリオブック』
- 『メタルギア ソリッド 3 マスターブック』
- 『メタルギア & メタルギア2 シナリオブック』
- 『メタルギア & メタルギア2 マスターブック』
サウンドトラック
※『メタルギア ソリッド』『メタルギア ソリッド 2 サンズ・オブ・リバティ』『メタルギア ソリッド 3 スネークイーター』はそれぞれダウンロード版単体販売も予定されている。
ステルスアクションというジャンルを確立・進化させながら、濃密なストーリーで多くの人を魅了し続ける『メタルギア』シリーズの世界を、存分に体験できるコレクションとなっている。
本記事では現行機で遊べてきれいになった『MGS』~『MGS3』を15分ずつプレイした所感をお届けしていく。
『METAL GEAR SOLID: MASTER COLLECTION Vol.1』(Switch)の購入はこちら (Amazon.co.jp) 『METAL GEAR SOLID: MASTER COLLECTION Vol.1』(PS5)の購入はこちら (Amazon.co.jp)『メタルギアソリッド』始まりにして傑作である、ステルスアクションの金字塔
最初に試遊したのは、『メタルギア』シリーズ初のフルポリゴン作品にして、欠かすことのできないターニングポイントであるタイトル。『メタルギア ソリッド』だ。
『マスターコレクション』に収録されているのは、1998年にプレイステーション(PS)で発売されたオリジナル版、音声が英語に変更された『メタルギア ソリッド インテグラル』、北米を中心に発売された『メタルギア ソリッド VR ミッションズ』、欧州を中心に発売された『メタルギア ソリッド スペシャル ミッションズ』の4つ。
『MGS』の舞台は2005年のアラスカ、シャドー・モセス島。特殊部隊FOXHOUND(フォックスハウンド)と、彼らが率いる次世代特殊部隊が武装蜂起し、島の核兵器廃棄所を占拠する。
この事態に対し、政府から招集を受けたソリッド・スネークが島への潜入を開始。武器や装備を現地調達しながら、雪が降りしきる過酷な環境でのスニーキングミッションに挑む……というあらすじになっている。
ゲームが始まると、スネークが搬入ドッグから島へと上陸。彼を操作して核兵器廃棄所へと向かっていく。ドッグではプレイ画面にスタッフ名が表示されるという、まるで映画演出が印象深い。一気に作品の世界へと引き込まれ、思わず「いいセンスだ……」とつぶやいてしまった。
上陸したドッグから昇降機に乗ってヘリポートへ。敵兵の視界や監視カメラをかいくぐりながら、施設への潜入を目指していく。物陰やコンテナの下に隠れながら進む“緊張感が生み出す楽しさ”は、現行機になっても変わらず体感できる。
映像はプレイステーションで発売された当時のものと比べると各段にきれいで見やすくなっており、当時のポリゴンの魅力と味わい深さをより感じられた。仲間との通信もクリアな画面でよりかっこよく映っている。
「ハインドD?」「この嵐の中でハインドを飛ばすなんて、無茶ね」といった名セリフを聞きつつ、核兵器廃棄所に入ったあたりで今回の試遊は惜しくも終了。先に進みたいという欲がとまらない作品であることを改めて感じさせられた。
『MGS』のストーリーは、“20世紀最高のシナリオ”という評価も名高い。筆者が初めてプレイした際は、何が起こるかわからないハラハラドキドキの展開に、ずっと心拍数が上がっていたのを覚えている。
その物語の奥深さとメッセージ性を色あせることなく気軽にプレイできるようになったのは、いちプレイヤーとしてもうれしいところ。試遊ではわからなかったが、サイコ・マンティスはクラウドにアップロードされたセーブデータまで読み取れるのか、とても気になっている。
『メタルギア ソリッド2』前作の遺伝子を受け継ぐ、正統進化した潜入
続いて『MGS』の2年後が舞台となる『メタルギア ソリッド 2 サンズ・オブ・リバティ』(以下、MGS2)をプレイ。前作のシステムを踏襲しつつ、アクションや映像・演出を飛躍的に進化させた作品となっている。
内容は『メタルギア ソリッド HD エディション』に収録されたもので、多彩なミッションが楽しめる“VR MISSIONS”や、短編ストーリーモードの“SNAKE TALES”もプレイできる。
タンカー編、プラント編の2部構成ストーリーになっているのが『MGS2』の特徴だ。タンカー編では、新型兵器・メタルギアRAYを積んだアメリカ海兵隊のタンカーへとソリッド・スネークが潜入する。
プラント編では、テロリストに占拠された海上除染施設のビッグ・シェルへと派遣された新人隊員、雷電の活躍が描かれる。試遊では、タンカー編の冒頭をプレイした。
雨の降りしきるジョージ・ワシントン橋から、タンカーへと飛び込んでいくスネークから物語がスタートする。2001年にプレイステーション2(PS2)で発売されたオリジナル版の時点で、すでに60fpsのフレームレートを実現していた先進的な作品だが、最新機器でムービーを見ると本来の作りこみの深さ、クオリティの高さを改めて感じさせられた。スネークを象徴する着地のポーズも、かっこよく映っている。
タンカーへと降り立ったスネークを操作して作戦開始。タンカーを占領しようとするロシア兵部隊に見つからないように、メタルギアRAYの情報と証拠映像をつかむために行動していく。
アクションとしては、前作からローリングや手すりへのぶら下がりなどが追加されている。敵兵を銃で脅してホールドアップさせたり、引きずって移動させることも可能に。解像度が上がったことも相まって、より臨場感のある潜入が楽しめるようになっている。
試遊では、ホールドアップを行おうとして操作ミスを犯し、匍匐して発見される事態に。ロッカーのなかに隠れながら索敵を撒き、いよいよ初めてのボス戦が近い……といったところで時間切れになってしまった。
『MGS2』はさまざまな人物の思惑が交錯するミステリアスな物語であり、二転三転していく展開が面白い作品だ。筆者は“ナンバリングタイトルの2で、1を思わせるシチュエーションがある”のが性癖なので、プラント編が本当に好き。今回試遊する時間がなかったのは少しだけ残念だった。
また『MGS2』では、ネット社会やデジタルと現実の境界線、AI技術といったテーマが取り扱われ、2023年の現代社会ともリンクしている部分があるように思えてならない。今プレイすることで、発売当時よりもさまざまな内容を読みとることができるかもしれない。
『メタルギア ソリッド3』混迷の時代を生き抜く、サバイバルアクション
そして『メタルギア ソリッド 3 スネークイーター』の試遊に。さまざまな新システムが導入された『MGS3』は、プレイヤーの心を揺さぶるストーリーも相まって、完成度の高い作品となっている。
先ほど紹介した『MGS2』と同じく、内容は『メタルギア ソリッド HD エディション』に収録されたもので、視点を自由に操作できる“三人称カメラ”機能を搭載。また、日本版に加えて北米版・欧州版が選択可能だ。
ナンバリングとしては“3”だが、物語の舞台はシリーズの中で一番古い1964年。世界がまだ東と西に分かれていた冷戦時代の物語で、のちにビッグ・ボスと呼ばれる男、ネイキッド・スネークが主人公となる。
特殊部隊FOXの初任務として、科学者ソコロフの亡命を幇助する“バーチャスミッション”の遂行を試みるスネークは、けわしい環境下のジャングルの中を進んでいく。
ミッションブリーフィングと、パラシュートで上空からジャングルへと降り立つスネークがムービーで描かれ、スタートと同時に一気に物語へと没入していく。思わず見入ってしまい、試遊が限られた時間であることを忘れさせられてしまった。
『MGS3』では自然環境下での行動がメインとなるのが最大の特徴。道中に生息している動植物をキャプチャーして食べたり、ダメージを負った場合は適したアイテムを患部に使用して応急処置をするなど、まさにサバイバルな体験ができる。試遊でも、ヘビやワニをキャプチャーして美味しくいただいた。
環境にあった迷彩やフェイスペイントを身に着けることで、敵兵にバレにくくなるカムフラージュも導入され、物陰に隠れるだけではない、新たなスニーキングのやり方が生まれている。
そしてアクションとして、近接格闘“CQC”が登場。敵に掴みかかり、尋問して情報を聞き出したり、銃弾を避ける盾にしたりと、戦闘アクションがより多彩になっている。
試遊では「使う機会なく攻略できちゃうかな?」と思っていたが、あえなく見つかってしまい、CQCの基本を思い出しながら敵兵を投げ飛ばしていく事態になった。
完全に余談だが、筆者はニンテンドー3DSで発売された『メタルギアソリッド スネークイーター 3D』の体験版をひたすら遊んでいた時期があり、冒頭で遊べる小ネタはだいたい把握していた所存。
いろいろ試したいところであったが、バーチャスミッションの途中までで制限時間が来てしまった。もっと遊びたい……。
ここまで試遊してきた3タイトルのほか、『メタルギア ソリッド: マスターコレクション Vol. 1』では、MSX2で発売された『メタルギア』『メタルギア2 ソリッドスネーク』もプレイできる。『メタルギア ソリッド』シリーズとも深いつながりがあり、見逃せない作品だ。
製品版には、ボーナスコンテンツとして『メタルギア』(FC版/NES版)、『スネークズ リベンジ』に加え、デジタルコミックである『メタルギア ソリッド バンドデシネ』『メタルギア ソリッド2 バンドデシネ』の2作品を収録。
さらに、各タイトルにはキャラクターの設定や名言集、マップや隠しアイテム場所などの攻略情報を収録したデジタルマスターブックも読むことができる。
シリーズファンも、これからはじめて遊ぶ人も、存分に楽しめる内容が詰まっていることを、試遊にてしっかりと感じさせられた。東京ゲームショウ2023に来たら、ぜひKONAMIブースに足を運んでみてはいかがだろうか。
試遊の模様を動画でお届け! 『MGS1』~『MGS3』懐かしの序盤
ちなみに、ファミ通TUBEには試遊プレイの動画がアップされているので、こちらもチェックしてみてほしい。