ユービーアイソフトはプレイステーション5、プレイステーション4、Xbox One、Xbox Series X|S、PC(Epic Games Store / Ubisoft Store)用アクションアドベンチャー『アサシン クリード ミラージュ』を2023年10月5日に発売する。

 本作は『アサシン クリード』シリーズの最新作で、シリーズ15周年の集大成とも言える作品。9世紀アッバース朝のバグダッドを舞台に、前作『アサシン クリード ヴァルハラ』に登場した“バシム・イブン・イスハーク”がマスターアサシンになるまでの姿が描かれている。また“原点回帰”をテーマにしており、シリーズおなじみのパルクールやステルス、暗殺といったアクションがパワーアップしている。

『アサシン クリード ミラージュ』プレビュー。シリーズ最新作は、疾走る・潜む・殺る、原点回帰の3大要素が大幅パワーアップ!

 そんなシリーズ最新作の発売に先駆けて、プレビューイベントが実施された。今回は同イベントで感じた本作の魅力をお伝えしよう。

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パルクールやステルスの魅力を改めて感じられる作りに

 シリーズ15周年を記念して制作された本作は、原点回帰を強く意識した内容になっており、シリーズの軸となるパルクール、ステルス、暗殺のアクションと、ストーリーにより力を入れている。そのため、キャラクターを育成していくRPG要素やオープンワールドの広さに関しては『オリジンズ』、『オデッセイ』、『ヴァルハラ』といった従来のシリーズと比べると控えめだ。

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 本作の舞台となるバグダッドは、建物やオブジェクトが乱立した過密都市。『オデッセイ』や『ヴァルハラ』の都市よりも、人も建物も密集している。バシムの移動スピードがかなり速いため、人混みを走り抜けたり、建物を次々と飛び移ったり、茂みや物陰に隠れたりといった基本アクションがとにかく楽しい。

 それに加え、ポールを使っての大ジャンプやロープグライダー、コーナースイングなどのギミックも満載。パルクールのおもしろさや醍醐味を思い出させてくれるような作りになっていたのが印象的だった。

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街中にはちょっとした謎解きや、アイテム収集の要素も散りばめられていた。

 過密都市では尾行や暗殺など、ステルスが必要なシチュエーションでの臨場感が増すのも魅力のひとつ。群衆の近くやイスに座って風景に溶け込んだり、物陰や草むらに隠れたり、視覚に入りづらい屋根伝いに移動したりなど、選択肢が多く、自由度の高いステルスプレイを楽しめた。

 また特定のNPCからお金やアイテムを盗む“スリ”ができるようになっている。スリはボタンをタイミングよく押すシンプルなシステムだが、簡単にミスできない緊張感があってけっこうクセになる。

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 敵の警戒度を示す“手配システム”にもひと工夫がなされていた。本作では手配度が上がると、悪い噂が流れ、NPCもプレイヤーの存在を怪しむようになる。手配度が高い状態で街中を歩くと、NPCが騒ぎ出して面倒ごとに発展するなんてことも。

 当然、NPCに犯行を見られると叫び声を上げて衛兵を呼ぼうとするため、敵だけではなく、街中にいる人々の存在にも注意を払わなければならず、そこもステルスのおもしろさを際立たせる要素になっていた。なお、街中に貼ってある手配書を剥がすことで、手配度が少しずつ減少する仕組みになっている。

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 敵やアイテムをハイライトする“イーグルビジョン”やワシの“エンキドゥ”を使った上空からの偵察といったシリーズおなじみのシステムも健在。敵の位置を把握することで、作戦を練りやすくなるため、頻繁に利用することになる技だ。

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イーグルビジョンは壁越しの敵やアイテムもハイライトされる。
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ワシは拠点を偵察できるほか、敵をマーキングすることも可能。なお、射手が近くにいると狙撃されてしまい、一定時間利用できなくなる。

暗殺に重きを置いているため、戦闘は難度高め

 ステルスプレイからの暗殺も本作の醍醐味だ。音を立てずに、素早く対象を仕留める動きはもはや芸術だ。暗殺は背後から、または敵が気づいていなければ前方からでも行える。口笛で物陰や草むらに誘導して暗殺したり、相手の視界を奪うアイテム“煙玉”を使って強引に暗殺したりなど、暗殺のアプローチも数多く用意されているため、プレイヤーが思い描いた多彩な暗殺に挑戦できるのが、大きなポイントだ。

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 暗殺が失敗したり、侵入禁止エリアで敵に見つかったりすると当然、戦闘に発展する。本作の戦闘アクションは以下のとおり。

■弱攻撃
 攻撃の出が早く、連打することでコンボがつながる。くり出す度にスタミナを少し消費する。

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■強攻撃
 攻撃速度は遅いが、相手により高いダメージを与えられる。弱攻撃よりもスタミナを多く消費する。

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■受け流し
 相手の攻撃を受け流すと敵の態勢を崩しつつ、こちらのスタミナを少し回復させられる。なお、敵の体が赤くハイライトされる攻撃は受け流しできない。

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■回避
 スタミナを消費して敵の攻撃を回避する。攻撃よりもスタミナ消費量が多いため、受け流し不可の攻撃をかわすときや、敵から距離を取りたいときに使用する。

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 本作では多くの戦闘アクションでスタミナを消費する。スタミナは時間経過か受け流しでしか回復できない。一方的に敵を攻撃することが難しくなっているため、戦闘の駆け引きや攻撃の順番を思案する楽しみが生まれる。戦闘中に隠れることで敵をやり過ごすことができるため、ステルスや暗殺に失敗してもわりとすぐに立て直せるのも大きな魅力だ。

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 相手を毒や錯乱状態にする吹き矢や、非殺傷性の罠、周囲の敵を着弾地点に誘導する騒音爆弾など、豊富なツールも用意されている。フィールドで獲得した素材を使ってアップグレードでき、これらを使うことで戦闘、暗殺、ステルスのプレイに幅を持たせられるのもおもしろい点だ。

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 本作は従来のシリーズと比べるとRPG要素が少なめだが、装備の強化やスキルツリーのシステムは健在。装備については今回のプレイでは触れられなかったが、ツールと同様に手に入れた素材などを使って強化していく仕様のようだ。

 スキルツリーは俊敏さや身のこなしを高める“ファントム”、資源や道具の扱いかたを伸ばす“トリックスター”、バシムの洞察力や認識能力を高める“プレデター”の3つに分岐している。習得に必要なスキルポイントはバグダッドの各地で受注できる任務(サブクエスト)を進めることで習得でき、スキルツリーはいつでもリセット可能だ。

 装備とスキルともに従来のシリーズと比べるとボリュームが減っており、カスタマイズの幅はやや狭まった印象を受けた。

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古きよき『アサシン クリード』の魅力を最新技術で再表現した快作

 
 本作のパルクール、ステルス、暗殺は『ヴァルハラ』や『オデッセイ』を凌ぐおもしろさに仕上がっていた。パルクールは過密都市を採用し、バシムの動きを軽くしたこともあり、どこでも爽快感抜群。街中のギミックも豊富なので、移動することが飽きづらい作りになっているのが印象的だった。

 ステルスと暗殺に関しては、人混みに溶け込んだり、アイテムを使って無理矢理暗殺したりなど、選択肢が豊富に用意されているため、隠密プレイが苦手な人でも「がんばって暗殺してみよう」と思える仕組みになっていたのもさすがだと感じた。

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 戦闘はスタミナゲージによって、攻撃の駆け引きや組み立てが重要になり、従来よりも『アサシン クリード』らしさが増した気がする。またRPG要素が減ってはいるものの、自分のプレイスタイルにあったカスタマイズをするというゲーム性は健在なので、育成・強化が好きという人も楽しめるはずだ。

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 今回のプレイではストーリーにあまり触れられなかったが、バシムが自身の中に潜む幻影に悩まされつつも、暗躍する敵組織に立ち向かう姿は非常に興味深かった。ちなみにバシムは前作『ヴァルハラ』にも登場するが、本作とのつながりは薄いため、前作未プレイでもまったく問題ない。

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 原点回帰を強く感じさせる『アサシン クリード ミラージュ』。昔ながらのアサシンらしさを欲していたファンにとっては、最高の一作になるのではないだろうか。またRPG要素が減ってゲームシステムがシンプルになったことで、シリーズ初心者も取っつきやすい作品になっている印象を受けた。

 そんな本作は、2023年10月5日にプレイステーション5、プレイステーション4、Xbox One、Xbox Series X|S、PC(Epic Games Store / Ubisoft Store)にて発売予定。本記事で気になった人はぜひ手に取ってみてほしい。

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