プレイステーション5、プレイステーション4、Steam用ソフト『グランブルーファンタジー リリンク』(以下、『リリンク』)の発売が2024年2月1日(木)についに決定!

 『リリンク』はスマホで遊べる王道ファンタジーRPG『グランブルーファンタジー』(以下『グラブル』)のメインストーリーの流れを汲んだシリーズ初の3DアクションRPGとして、多くのファンの注目を集めている作品。

 2023年8月初旬に同作にまつわるプレスイベントが開催された。

 本イベントでは、8月23日から開催予定のgamescomにて公開された最新バージョンの試遊が可能ということで、各メディアの注目を集めていた。こちらは“グラブルフェス 2022-2023”での試遊版をベースに、新たなクエストに挑戦できる内容に。英語版にはなるがプレスイベントで先行体験できたgamescom2023試遊版の映像も到着したので、こちらもチェックしほしい。

【グラブル】『リリンク』(英語版)gamescom2023試遊版の映像が到着!キャラクターごとに異なるバトルスタイルをチェック

 作品の手触りが気になるという方は、ぜひ“グラブルフェス 2022-2023”版の試遊リポートも参考にしてみてほしい。

 また、今回のイベントでは同作の開発に携わったゼネラルディレクターの福原哲也氏と、同じくディレクターの梶 泰幸氏も登場。『リリンク』の注目ポイントや、制作へのこだわりなどを語ってくれた。

福原哲也氏(ふくはら てつや)

『リリンク』ゼネラルディレクター。本作ではゲーム全体のほか、シナリオ面、ビジュアル面、サウンド面などを監修。細部を手掛けるほかのスタッフと連携しつつ、『グラブル』らしさを担保できるように細やかな調整を行っている。

梶 泰幸氏(かじ やすゆき)

『リリンク』ディレクター。本作のゲームシステムや遊びの部分など軸となるアイデアを提案、監修。本作を『グラブル』たらしめるキャラクターや世界観についても福原氏と連携しながらブラッシュアップに取り組んでいる。

【グラブル】『リリンク』発売日が2024年2月1日に決定! 福原哲也氏&梶泰幸氏、両ディレクターにインタビュー。メインストーリーの想定プレイ時間やバトルシステムの設計、エンドコンテンツに関するコメントも
『リリンク』ディレクターの梶泰幸氏(写真左)と、『リリンク』ゼネラルディレクターの福原哲也氏(写真右)。

――『グラブル』の人気キャラクターたちが登場する本作ですが、まずは本作の制作においてこだわったポイントを教えてください。

福原サイゲームスの明確な方針であって、ほかのタイトルでも共通してこだわっている部分にはなりますが、“遊んだときの手触りのよさ”をとにかく重視しています。バトルの快適性やユーザーが何回も触ることになるUI(ユーザーインターフェース)などに関しては、プロジェクト以外のスタッフや、代表取締役社長(渡邊耕一氏)にも触ってもらって意見を抽出しつつ改善していくという作業を何度もくり返してきました。

バトルも手触りのよさとグラフィックの両面にこだわっていますし、どこかひとつというよりは全体のブラッシュアップを積み重ねてきました。その結果、サイゲームスの作る3DアクションRPGとしてクオリティーの高さを感じていただけるようなゲームになったのではないかと思います。

――まだ『グラブル』のことをよく知らないというユーザーでも予備知識なく本作を遊ぶことができるのでしょうか?

福原『グラブル』のことを知らない方にも楽しんでもらえるよう意識して作ってはいるのですが、キャラクターやシナリオのボリュームが膨大なタイトルでもありますし、『グラブル』を知っている人はより楽しめるという部分は少なからず出てきてしまいます。なので、ひとつ“ここだけは”というポイントを挙げるならば、主人公とルリアの関係性と旅に出た経緯だけは、予習しておいてもらえると本作の世界観の理解も早いかと思います。

 ですので、個人的にはテレビアニメ『GRANBLUE FANTASY The Animation』の第1話と第2話の視聴をオススメします。合わせて40分ぐらいで観られますし、そこが押さえられていればキャラクターの目的や人物像みたいなものは『リリンク』からでも汲み取れるように調整しているつもりです。

――なるほど。本作を『グラブル』ファンではない層に広めるために、どのようなアプローチをしていく予定でしょうか?

福原発売が近くなるにつれていろいろと導線を引いていこうと考えています。歴史が長く、さまざまなメディア展開もしてきたIPなので、アプローチの方法はいろいろあるかなと。前述のテレビアニメへの誘導はもちろん、マンガなども使ってアピールしたり。とくに海外では日本以上に『グラブル』を知らない方が多いでのすが、本作は海外でもリリースされますので世界観の周知は力を入れていくべき部分だと認識しています。

【グラブル】『リリンク』発売日が2024年2月1日に決定! 福原哲也氏&梶泰幸氏、両ディレクターにインタビュー。メインストーリーの想定プレイ時間やバトルシステムの設計、エンドコンテンツに関するコメントも

――バトルシステムについても、うかがいます。キャラクターそれぞれに固有のアクションを盛り込むことで個性を際立たせるというのは、ユーザーには魅力的な反面、制作は相当たいへんだったのではないかと思います。どのような経緯からこういった作りになったのでしょうか?

キャラクターごとに固有のアクションを盛り込んだのは、単純に私がやりたかったからです。『グラブル』キャラクターでの3Dアクションゲーム体験を提供するにあたって、一切妥協をしたくなかった。制作は本当にたいへんでしたし、長くお待たせしてしまったのは非常に心苦しいのですが…。その甲斐あって、満足いく仕上がりになったと思っています。

福原極端な話、“キャラクターの数だけ違うアクションゲームを楽しめる”といっても差し支えないと思います。

――アクションが多様だと、敵の性質に合わせて相性の悪いキャラクターなども出てきそうですが。

福原そういった懸念もあるかとは思いますが、どのキャラクターも全編にわたって気持ちよく遊んでもらえることを念頭に調整しています。特定のキャラクターしか使いたくないという方でも、フルに楽しんでいただけると思います。

【グラブル】『リリンク』発売日が2024年2月1日に決定! 福原哲也氏&梶泰幸氏、両ディレクターにインタビュー。メインストーリーの想定プレイ時間やバトルシステムの設計、エンドコンテンツに関するコメントも
【グラブル】『リリンク』発売日が2024年2月1日に決定! 福原哲也氏&梶泰幸氏、両ディレクターにインタビュー。メインストーリーの想定プレイ時間やバトルシステムの設計、エンドコンテンツに関するコメントも

――最大4人でのマルチプレイが可能ということですが、それよりも少ない人数でマルチプレイを遊ぶこともできますか?

クエストには4人のプレイヤーがオンラインで同時に参加することもできますし、CPUが操作する仲間キャラクターを3人加えて自分ひとりだけで遊ぶこともできます。ふたりのプレイヤーにCPUが操作する2キャラクターを加える形でもチャレンジできますし、なんなら自分が操作するキャラクターひとりだけでクエストに挑むこともできます。

福原オフラインでもCPUの仲間が活躍してくれるので、マルチプレイが苦手という方も大丈夫です。

――1クエストあたりのプレイ時間はどれぐらいになりそうですか?

クエストの内容と種類にもよるのですが、実際にクエストをマルチプレイする際にかかる時間は短くて5分ぐらい、どれだけ長くても15分以内ぐらいですかね。

福原適正レベルでクエストに挑めば、基本的に10分もかからずにクリアーできるかなと。

――かなりスピーディーですね。

回転が早ければマルチプレイの遊びやすさにもつながるので、同じクエストに連続で挑戦するときも快適に遊べるバランスになるよう気を配りました。

――ちなみにマルチプレイでほかのプレイヤーと同じキャラクターを使うことはできるのでしょうか?

使えます。全員がラカムを使っている、みたいな状況も十分にありえます。

福原キャラクターには複数のカラーも用意されているので、それで見分けがつくようになっているんですよ。

マルチでいっしょに遊んでいるプレイヤーの回線がなんらかの理由で切断された場合は、即時にCPUの操作に切り換わるようになっているので、残されたプレイヤーがいきなり数的不利に陥るようなことはありません。そういった部分でも、遊びやすさは最大限担保できているかと思います。

――CPUの操作する仲間キャラクターは試遊版の『リリンク』でも臨機応変に動いていた印象があります。非常に心強いイメージがありますが、彼らの動きかたに関する方針は、ユーザーが指定できるのでしょうか?

奥義の発動のオンオフなどは設定できますが、細かい方針までの指定はできません。

 ただ、仲間の復帰を最優先にするように動いたり、状況に応じて最善を尽くす動きをするようには設計しています。CPUの動かしかたを少し変えたいという方は、ジーンと武器によってつけられるスキルや、装備するアビリティを工夫することでコントロールしてみてください。

 CPUが操作するキャラクターも活躍できるようにしつつ、それでゲームそのものが破綻しないようなバランスを目指しました。

【グラブル】『リリンク』発売日が2024年2月1日に決定! 福原哲也氏&梶泰幸氏、両ディレクターにインタビュー。メインストーリーの想定プレイ時間やバトルシステムの設計、エンドコンテンツに関するコメントも

――本作では、星晶獣であるプロトバハムートを操作できるという点も発表されました。マルチプレイでもこういった星晶獣を操作するバトルはメインになるのでしょうか?

そちらについては、ひとつのイベントバトルのようなものだと考えてください。とはいえ、プレイアブルキャラクター同様に手触りにこだわって作っていますので、プロトバハムートを操作する際には驚くぐらいスムーズなアクションを楽しんでいただけるはずです。プロトバハムートの操作以外にもこういった要素はいくつも盛り込んでいるので、アクションゲームとしての派手さやスペクタクル感を楽しみにしていてください。

――バトルにおいて、とくにチューニングに苦労したキャラクターなどはいますか?

福原一時期ラカムが圧倒的最強キャラクターになってしまいました(笑)。

遠くから□ボタンを押しているだけで勝てるような状態で(笑)。それはさすがにまずいということで火力を調整したり、敵のほうも遠距離から攻撃しているキャラクターを優先的に狙ったり、定期的に全体攻撃を仕掛けてきたりといった調整を加えました。

――遠距離が得意なキャラクターだからといって安全とは限らないわけですね。

中には敵から狙われにくくなる装備などもあるので、それを使って遠距離からの狙撃に徹するみたいなプレイもできなくはありません。

 逆にジャスト回避やジャストガードに成功したら攻撃力が上がるようなスキルをつけて、敵の攻撃を回避しながら至近距離で撃ちまくるみたいなこともできます。

福原キャラクターのアクションの根本部分を変えることはできませんが、そんな風にカスタマイズ次第で幅広い遊びかたを模索してもらえるようになっています。

――主人公は男女の切り換えが可能ということですが、バトル面で両キャラクターに明確な差はあったりしますか?

演出こそ違いますが、攻撃のテンポ感やリーチなどの性能はほとんど同じです。遊んでいてもなかなか気づかないぐらいのわずかな差だと思ってください。

福原身長がそもそも違うので、3Dだとそういった差は出ますね……。ただ基本は同一キャラクターということで、性能の差異は感じられないはずです。装備もアビリティも共有なので、スムーズな切り換えもできます。

あっ! でも、アビリティの中にひとつだけモーションが明確に変わるものがありますね……。ぜひ探してみてください(笑)。

福原カットシーンも主人公の性別によって映像が変わりますし、選択肢を選んだときは両者ともにしゃべったりもするので、『グラブル』が好きな方はそれぞれの視点から2回シナリオを遊んでみてほしいです。

――セリフについても相当ボリューミーなんですね。

福原バトル中の掛け合いも相当な量があるので、そこからキャラクターどうしの関係性みたいなものまでしっかり感じ取ってもらえると思います。

――バトルでは、回避やガードといったシステムの操作感も大事かと思います。こちらは、どのようなことを意識して調整されましたか?

回避やガードはもちろん、ダッシュやジャンプなどすべてのキャラクターに共通するアクションはシンプルに手触りのよさを重視しています。

 たとえば回避やガードだったら避けた感覚がハッキリ伝わって、それを気持ちよく感じてもらえたらうれしいですね。

――開発チームの中で、とくに人気だったキャラクターがいたら教えてください。

福原こだわりでいうと、開発スタッフは各自が担当したキャラクターを推しそうですね。

もちろん私はすべてにおいてこだわっていますし、キャラクターも全員好きです。

  開発チームの中ではキャラクターの人気がばらけていて、それぞれが好きなキャラクターを使い込んでいるようなイメージがありますね。

――なるほど。本作では初心者が遊びやすくなるように、アシストモードとフルアシストモードも搭載されています。こちらのフルアシストモードは一部のクエストには使えないということですが、具体的にはどの程度の難度のクエストまで使用できますか?

メインストーリーでエンディングを迎えた後に登場するような高難度のクエストでも使えますし、難度がもっとも上のクエスト以外は自由に使ってもらえます。

 ですので、初心者がムリなくシナリオを追いかけるという目的以外に、スムーズな周回プレイをするために中級者以上のプレイヤーが便利に使うこともあるのかなと、ある程度は想定しています。

――難度がもっとも上のクエスト……つまりエンドコンテンツだけは、かなり敷居が高くなっているんですね。

福原そこまでいくとクリアーすること自体が難しいですし、それを目標にがんばってほしくて。開発サイドでも悩んだところではありますが、さすがにそこでフルアシストモードが使えるのは本末転倒だろうということで使用を制限させてもらうことにしました。

 そもそも、そのクエストにチャレンジできるところまでやり込んで来てくれた方なら、フルアシストモードを解除してもけっこう戦えるようになっているかもしれません……!

【グラブル】『リリンク』発売日が2024年2月1日に決定! 福原哲也氏&梶泰幸氏、両ディレクターにインタビュー。メインストーリーの想定プレイ時間やバトルシステムの設計、エンドコンテンツに関するコメントも
“gamescom 2023”で公開された最新PVのワンシーン。プロトバハムートを操作して戦っているようなシーンだったが……?

――メインストーリーのエンディングを迎えるまでのユーザーの想定プレイ時間を教えてください。

福原20時間程度で一度エンディングのパートに辿り着けるかと思います。こう言うと短いと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そこで物語が終わるわけではなく、少し体裁を変えて続いていきます。その先にある本当の最後の戦いと結末を迎えるまでには合計で30~40時間はかかりますね。

 また、アクションRPGとしての1時間あたりの体験の濃密さがすごいので、20時間と聞いて短いと感じる方も、実際に遊んでいただいたらそう感じないのではと思います。

――メインストーリーをプレイし終えた後の楽しみは、おもに高難度のクエストの周回に集約されるイメージでしょうか?

そうですね。メインストーリーをプレイし終えた後に、キャラクターを強化していくという流れは、ふだんから原作『グラブル』を遊んでいる方であればおなじみかもしれません。

 本作にもそういった『グラブル』らしい要素を用意しているので、やり込み系のプレイヤーであれば同じ敵とくり返し戦うこともあるかと思いますし、相当やり込まないと入手できないような強力な武器も用意しています。

福原メインストーリーをスムーズに進めるために必要な装備品作成のキーアイテムなどは、クエストの初回クリアー報酬として用意してあるので“詰まってしまったのでこのクエストを何度もやらないといけない”みたいなことにはならないように調整しています。

 一方で、多くのキャラクターを育てたり、尖らせた方向にキャラクターを成長させたい場合はクエストをくり返し遊んでいただく形になるのかなと。

――プレイアブルキャラクターの背景を作中のシナリオで深掘りする予定はありますか?

福原メインストーリーとは別に、フェイトエピソードをキャラクターごとに10話ほど用意しています。原作『グラブル』のフェイトエピソードは、おもにシナリオを楽しんでいただくものでしたが、本作でも同様となります。

 読み物メインとなりつつ、要所ではキャラクターを操作して挑むクエストが登場したりもし、クリアーすることでそのキャラクターが強化されたりもするので、読み進めることでそういった報酬要素も得られます。

 エピソードの内容としては、彼らのバックボーンが中心です。たとえばランスロットだったらフェードラッヘという国の白竜騎士団の団長を務めているという背景や、主人公たちとの最初の出会いがどのような物語だったかに尺を割いて描く形になっています。

 ですので、冒頭だけ読んでもらえば、そのキャラクターがどんな人物像なのかというところは『グラブル』をよく知らないという方にも伝わると思います。

――プレイアブルという形以外で、原作『グラブル』のキャラクターが登場することはありますか?

福原はい。たとえば、シェロカルテなんかはそうですし……。

モブおじさんもそうですね。

福原モブおじさんは至るところにいるので、すぐにわかると思います(笑)。

――『リリンク』にはオリジナルの星晶獣も登場します。原作『グラブル』への逆輸入を期待する声もあるかと思いますが。

福原運営型のソーシャルゲームという性質を考えれば、その可能性もないとはいえません。とはいえ、まずは『リリンク』でゼーガ・グランデの人物や星晶獣と出会っていただけたらと思います。将来原作のほうに出てくることがあった際に、そのほうがおもしろい体験になると思いますし。

【グラブル】『リリンク』発売日が2024年2月1日に決定! 福原哲也氏&梶泰幸氏、両ディレクターにインタビュー。メインストーリーの想定プレイ時間やバトルシステムの設計、エンドコンテンツに関するコメントも

――本作は背景の美しさも注目を集めています。3Dでありながらも『グラブル』らしさを感じさせるフィールドのビジュアルへのこだわりを聞かせてください。

福原原作『グラブル』のリリース当初、CyDesignationの堀さん(※堀 壮太郎氏、アニメやゲームの背景をおもに手掛けるクリエイター)が『グラブル』の背景を担当してくださったんです。

 堀さんは考えかたがとてもロジカルでありつつアーティスティックで、スキルもすごい方なんです。前職から名立たるタイトルの背景を担当されており、『グラブル』を3Dで表現するのであれば入っていただくしかないだろうということでアートディレクターとして携わっていただくことになりました。

もともと私も背景アーティストの出身でして、3Dで『グラブル』の背景をどう再現するかといったことを堀さんと話し合いながら試行錯誤を続けてきました。

――それだけビジュアルには注力しているわけですね。

福原はい。堀さんはもちろん、自分たちも本作の制作過程においてずっとこだわってきたポイントです。

 最近のゲームがフォトリアルな背景が主流になっている中で、『リリンク』の背景は少し独自性のあるビジュアルになっていると思います。「フォトリアルに比べたら情報量が少ないんじゃないの?」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、そこはチャレンジしてみようと。

個人的にこのタイトルの大きな特徴だと思っているのは、すべてのオブジェクトに対して手描きでテクスチャーを作っていること。ひとつひとつのオブジェクトに尋常じゃない魂の込めかたをしてきましたし、それを積み上げるという繊細な作りかたをしてきたことで、『グラブル』らしい世界観を形作れたのではないかと思っています。

福原フィールドの上空は、空なので基本的に雲しかありませんが、それすらも全部形が違っています。

――全部ですか!?

はい。すべてのステージで空模様が違うんですよ。『グラブル』は雲の形なども特徴的なので、新しい舞台であるゼーガ・グランデ空域の空はどうなっているのかということを考えながら、細かく表現していきました。

――ゼーガ・グランデ空域全体を象徴するようなデザインのモチーフはありますか?

福原『リリンク』でひとつのゲームとしてまとまっているので、その中でいろいろなロケーションを楽しめるようにデザインしていったつもりです。たとえば、最初のステージになるエインステッド群島は、意図的にファータ・グランデ空域のポート・ブリーズ群島(※原作『グラブル』の序盤で訪れる島)に似せることでユーザーに空の世界のベーシックな空気感を味わってもらえるようにしています。

 ほかにも雪原や火山、洞窟といった形でさまざまなマップを揃えています。

【グラブル】『リリンク』発売日が2024年2月1日に決定! 福原哲也氏&梶泰幸氏、両ディレクターにインタビュー。メインストーリーの想定プレイ時間やバトルシステムの設計、エンドコンテンツに関するコメントも

――メインストーリーと別に、コアユーザー向けのDLCなども用意されているそうですが。

福原パッケージ単体できれいに終わるストーリーや、一定のボリュームのエンドコンテンツが用意されているので、それをやり尽くした方に向けたさらなるエンドコンテンツなどをDLCという形で提供しようと準備を進めています。こちらは続報をお待ちください。

 コンシューマーゲームである以上、原作『グラブル』のように頻繁なアップデートをかけるのは現実的ではないのですが、なるべく長く遊んでもらえるように新たな楽しみを提供していきたいとは考えています。

――最後に『グラブル』ファンの方に向けて、ひと言メッセージをお願いします。

お待たせしていて申し訳ありません。ようやく発売日が来年の2月1日に決まりまして、皆さんの元にお届けできます! とくにアクション部分に関してはこだわって作っているので、お待たせした期間に見合うクオリティーを生み出せたと思っています。ぜひ楽しみに待っていてください。

 海外ではアクションRPGはとくに人気のあるジャンルなので、もっと多くのユーザーに「こんなおもしろいコンテンツがあるんだ!」と知ってもらえたらうれしいです。

福原7年前の発表当初には2018年発売予定と発表しつつ「原作『グラブル』の2年後、4周年はどうなっているんだろう……」みたいに考えていたことを思い出します。それがもう10周年となり、たいへんお待たせしてしまって非常に申し訳なかったのですが、そのぶん練り上げて作ってきましたので、存分に楽しんでいただけたら嬉しいです。

 格闘ゲーム『グランブルーファンタジーヴァーサス -ライジング-』のリリースから2ヵ月後にこちらが発売されるという短いスパンでの展開になりますが、原作も交えつつ全体的に盛り上げていけたらなと。気に入ったタイトルだけでもかまいませんので、ぜひ遊んでみてください。

【グラブル】『リリンク』発売日が2024年2月1日に決定! 福原哲也氏&梶泰幸氏、両ディレクターにインタビュー。メインストーリーの想定プレイ時間やバトルシステムの設計、エンドコンテンツに関するコメントも