2023年8月16日(水)、バンダイナムコオンラインとバンダイナムコスタジオが提供するオンラインアクションRPG『ブループロトコル』(BLUE PROTOCOL)に、新クラス“ブリッツランサー”の実装を含むアップデートが実施される。
こちらの新クラスに加え、アップデートで実装される新フィールド“風精の舞台”と、上級調査“再臨!枷神の産屋”を体験できるメディア先行体験会が開催された。ブリッツランサーをひと足さきにプレイしてみた感想はこんな感じだ。
リーチがある攻撃はほどよい速さでくり出すことができ、機動力も高め。相手に3種類の“刻印”をつけることでデバフ(弱体化)などの効果を与え、刻印が3つ揃えば高威力の範囲攻撃を発動できる。
さらに攻撃面については、ロマン要素も兼ね揃えている。複数の敵に刻印を3つつけて一度に爆発させれば、それぞれの爆発が近くにいる敵も巻き込んでダメージを与えるのだ。
敵を集めて一気に倒すのが定石になっている『ブループロトコル』のパーティープレイに、これほどピッタリなクラスがあるだろうか。以下、ダメージディーラーとして期待が高まるこちらのクラスのプレイフィールと、魅力についてお伝えしていきたい。
なお、体験会の特別なビルド環境でプレイしたため、一部画面写真には実際のゲームプレイとは異なる仕様が含まれている点はご了承いただきたい。
3つの“刻印”を駆使して大ダメージを狙う
まずはブリッツランサーの基本的な性能を説明していこう。槍による基本攻撃は同じ前衛クラスのツインストライカーほど素早くはないが、イージスファイターと同程度くらいには軽快な印象だった。
通常攻撃は4段攻撃。連続で突くモーションが含まれるため、最終段まで出し切るにはやや時間がかかる。クラス特有のアクションであるクラスアクション“エスケープリープ”は、その場で蹴りを出しつつ真上、あるいは後方に高くジャンプする。
ブリッツランサーはテクニカルなクラスだ。理由のひとつとして、通常攻撃周りが少し複雑な点が挙げられる。先述の刻印は、タクティカルスキルのほか、通常攻撃やそこから派生する攻撃でも付与可能。
- 通常攻撃ボタンを長押ししてから離す:刻印・炸(はじけ)を敵に付与する攻撃
- 上方向ボタンを押しながら通常攻撃:刻印・虚(うつろ)を付与する攻撃に派生
- 下方向ボタンを押しながら通常攻撃:刻印・絡(からみ)を付与する攻撃に派生
刻印の持続時間は20秒。通常攻撃の4段目など、同種の付与効果のある攻撃を当てると効果時間を上書きできる。それぞれの刻印は、付与して“発動”させる技をその敵に当てることで消滅すると同時に、下記のようなデバフ効果を発生させる。
- 刻印・炸(赤い刻印):発動時にヒットした攻撃のダメージが増加
- 刻印・虚(青い刻印):発動時、敵に攻撃力ダウン・中を付与
- 刻印・絡(黄色い刻印):発動時、敵に移動速度ダウンを付与
3つの刻印すべてを付与して発動させると、各デバフ効果に加えて“重刻・散華”が発生。その敵を中心に大ダメージの範囲攻撃が発生する。刻印の発動は、発動能力を持つ特定のスキルのほか、エスケープリープ後の槍投げことリープショットでも可能だ。
3つすべての刻印を付与してから発動技を当てる、というのがブリッツランサーの基本的な攻撃ルーチンになるかと思う。タクティカルスキルのなかにも特定の刻印を付与できるものが複数あるので、これらも駆使すればより素早く3つの刻印をつけられる。
刻印発動を連発するパーティープレイが楽しすぎる
取材では新たな上級調査ミッション(いわゆるインスタンスダンジョン)“再臨! 枷神の産屋”での6人パーティープレイも体験できた。
ブリッツランサーの特性が最大限に発揮されたのは、集めた敵に範囲攻撃をたたき込む瞬間。敵が密集しているので、攻撃範囲が狭い刻印付与攻撃でも複数の敵に一度に当たる。
そして、その密集した敵すべてに重刻・散華を同時に発動させれば、絶大な範囲ダメージをたたき出せるわけだ。
今回の体験会のように、パーティーメンバーにほかのブリッツランサーがいる状態でのプレイにはまた独特の快感があった。ほかのプレイヤーも刻印を付与してくれるぶん、うまくかみ合えば3つの刻印が揃うまでの時間を大幅に短縮できるのだ。
スキル構成次第で付与しやすい刻印に偏りが出るので、「あの人は刻印・炸をやたら付与してくれるから、こちらは虚と絡にしよう」など、役割分担をその場で考えられればベター。3つ揃えてから発動するのがおいしいことをお互い知っていれば、3つそろう前に他のブリッツランサーに発動技を撃たれる事故もそうそう起こらないだろう。
とくに今後注目したいのは、上級調査のボス戦での立ち回り。上級調査ではボスの周りに取り巻きの通常エネミーが大量にいる。これまでのパーティープレイでは制限時間が厳しく相手にする時間がないため、取り巻きは無視してボスを集中攻撃することが多かった。
しかしブリッツランサーがいる場合、大量の通常エネミーをボスのところに集めれば、重刻・散華による爆発の重複でボスへの大ダメージを狙いつつ、邪魔な通常エネミーを一掃できる可能性が出てくる。ヘヴィスマッシャーの集敵能力やイージスファイターの範囲拘束能力が輝けば、ほかのクラスに光を当てることもできる。
ソロプレイも快適。ただし、慣れが試される
ソロプレイでの使い心地は、新たな自由探索フィールド“風精の舞台”でテスト。30分ほど遊んだ感じでは、ソロプレイでもそれほどストレスは感じず、快適にプレイできた。
ただし、敵からつねにターゲットされるソロプレイだからこそ、ブリッツランサーが抱える“脆さ”も見えてきた。まず、ブリッツランサーには踏み込みながら攻撃するモーションが多いので、やたらと攻撃を続けると敵に密着する距離まで自然と近づいてしまう。
スーパーアーマーを付与するスキルが少ない点にも要注意。エスケープリープやジャンプしてからの急降下攻撃など、跳び上がるモーションを敵の攻撃で止められてしまうことが多かった。
また、通常攻撃の派生で刻印を付与したい場合、敵の前で足を止めてやや長めの連続攻撃をくり出すことになるため、欲張ると反撃を食らってしまう。
エスケープリープなどで機動力に優れているぶん、ブリッツランサーの耐久力はやや低め。自分でHPを回復するスキルが少ないので、敵の攻撃はなるべく食らいたくない。
とはいえ、回避に徹していてはせっかくの刻印付与が進まない。出かかりや攻撃中に隙がある各行動を使いこなすには、敵の攻撃パターンなどを事前に覚えて「このモーションならまだこちらが殴り続けても大丈夫」といった状況判断が重要になるだろう。
こうなると難しいクラスのようにも見えてくるが、実際にプレイすると全体的な挙動が軽快なため、操作自体は難しくない。通常エネミーは3つの刻印を付与するまえに倒せてしまうことも多く、つねに神経を張り詰めて重刻・散華を狙う必要もなさそうだ。
総じて、敵の攻撃を見切る必要こそあるが、ある程度慣れたプレイヤーならとくに困ることはなく動かせるクラスだと言える。そのうえでテクニカルなスキル連携の組み立てや一撃必殺のロマンを味わえるため、楽しみかたの幅も広い。
ロマンと範囲火力
以上のように、ブリッツランサーは使いこなすには経験こそ必要なものの、高いポテンシャルで活躍できそうなクラスと感じた。
開発スタッフの説明によると、敵に張りつき続けたツインストライカーには対単体火力では及ばないとのこと。だが、刻印発動を絡めれば、対単体火力はもちろん対集団火力においてもスペルキャスターの範囲攻撃連打に並び、瞬間的にはその威力を上回る可能性が高い。
刻印によるデバフはほかのパーティーメンバーに対しても恩恵があるので、パーティープレイとの相性がとくにいいクラスとも言えるだろう。パーティープレイでほかのプレイヤーに敵のターゲットが向いている状態なら、弱点の打たれ弱さをまったく気にする必要がない。安全に刻印を用いた連続コンボをたたき込める。
この「敵に狙われていないから最大コンボを狙える」という状況がとにかく気持ちいいのだ。30分程度のソロプレイでも自分なりの刻印コンボを作り出せたので、テクニカルという単語から連想するほどには難しいクラスではないと思う。
筆者としては、「使いこなせれば全部ほしいものを持っている」という点がとくに気に入った。現環境でパーティープレイやソロプレイに必要なだけの火力を持ち、戦闘に飽きない刺激やロマン要素もある。なおかつ操作のレスポンスもよく、長時間のプレイでも疲れなさそうだ。
そしてこれらの要素を使いこなせれば”発揮できるという点がまたいい。新クラスが強いのはある種当然だが、ただ強いだけでは少しおもしろ味に欠ける。やり込んで上達した実感を得られるゲームは魅力的だ。その成長過程が辛いということもほとんどないので、これから本作をプレイする人や、サブクラスとして育成を考えている人も、ぜひ気軽に試してほしい。
気になるスキルをピックアップ
以下、体験会で確認できたタクティカルスキルと、注目したい点についてまとめたものを掲載する。スキルビルドを考えるのも楽しいものだ。
※:刻印が発動可能なスキル
- ラピッドスピア(※)
- インターバル:8秒 4連続突き、長押しで8連続突き
- βスキルは刻印・虚と絡を付与可能
- アッパーダンス(※)
- インターバル:15秒 3連続のアッパー攻撃
- グランドパイル(※)
- インターバル:13秒 ジャンプ後急降下しての範囲攻撃
- βスキルは発動能力を失うが刻印・虚を付与可能
- スタブインパクト
- インターバル:10秒 衝撃波を飛ばす。刻印・炸を付与
- βスキルはさらに刻印・虚を付与
- ハンティングゾーン
- インターバル:45秒 自己強化スキル
- 効果中はリープショットが引き寄せ攻撃を伴い、クラスアクションのインターバルがなくなるうえに蹴りで刻印・虚を付与可能
- マークトリガー
- インターバル:55秒 自己強化スキル
- 効果中は刻印の発動時の効果が強化される
- βスキルは刻印発動時に自分にスーパーアーマーを付与
- プリペアモード
- インターバル:65秒 自己強化スキル
- 効果終了時、各攻撃タクティカルスキルの与ダメージが1度だけ増加(3つセットしている場合は、3つとも1度ずつ強化される)。効果時間中に発動した刻印の数だけ、与ダメージ増加効果がアップする
- スラストボルト
- インターバル:15秒 雷を伴う突き、長押しでチャージ可能
- βスキルは最大チャージで刻印・炸と絡を付与
- クルーエルスラスト(※)
- インターバル:25秒 槍の突きと柄の打撃の2段攻撃
- 1撃目で刻印発動可能、2撃目が刻印・炸を付与
- αスキルは2撃目で全刻印を付与
- βスキルは2撃目で拘束付与
- グランドスパーク(※)
- インターバル:13秒 雷を伴う急降下範囲攻撃
- 攻撃後、継続ダメージを与えるエリアを形成
- βスキルは拘束付与
- ラピッドスパーク(※)
- インターバル:10秒 雷を伴う4連突き、長押しで8連突き
- βスキルは移動速度ダウン・中を付与
- トルネードスピン(※)
- インターバル:20秒 槍を回転させて竜巻を生み出す
- 長押しすると竜巻で連続攻撃後、なぎ払いを放つ
- エンドオブジャベリン
- インターバル:160秒 アルティメットスキル
- 1撃目のなぎ払い攻撃で全刻印を付与し、2撃目の槍投げで刻印を発動させる
他クラスでもセット可能なクラス共有スキルは、敵に狙われると被ダメージが減少する“アドレナリン”と、他プレイヤーを救護するとそのプレイヤーの移動速度が上昇した状態で復活する“ライズアンドスピード”のふたつだ。
汎用性の高さではアドレナリンに軍配が上がるが、集団戦時の戦力を維持したいときにはライズアンドスピードもおもしろそうだ。