インディーパブリッシャーTeam 17がサンフランシスコで開催したプレスイベントで、アクションゲーム『Blasphemous 2』を遊んできたのでご紹介しよう。

 本作は2023年8月25日にSteamほかでPC版が発売予定。今回プレイしたPC版デモは既に日本語対応していた。

 一方、海外では家庭用ゲーム機版(プレイステーション5/Xbox Series X|S/Nintendo Switch)がPC版と同時発売で予約が開始されている。今回関係者に確認したところ、日本での家庭用ゲーム機版の展開については、パッケージ・ダウンロード版の双方で10月ごろの展開を予定しているとのこと。

性能の異なる3本の武器を使いこなせ

 本作はThe Game Kitchenによる2Dアクションゲームの続編。主人公“悔悟者”が新たな世界でグロテスクな敵たちに挑む。

 前作との最大の違いは、武器が複数登場することだろう。デモの冒頭では、太身の剣“ルエゴ・アル・アルバ”・ダガーとレイピアのセット“サルミエント&センテラ”・鉄球のような武器“ヴェレディクト”の3種類からひとつを選べた。ここで選択しなかった残りの武器は、冒険を通じて後から入手することになる(複数持っている時はリアルタイムに入れ替え可能)。

Blasphemous 2
メイン武器は何種類も出てくるわけではなさそう。

 各武器は攻撃モーションやスピードが異なるだけでなく、固有のスキルツリーでそれぞれ強化可能。さらに特定の武器のみ利用できるマップギミックもあるのがポイントだ。

 たとえば“ヴェレディクト”の場合はガードやパリー系の行動ができない代わりに、特殊な鐘を鳴らすことで足場などの仕掛けを一定時間起動できる。それに対して“サルミエント&センテラ”では、石像が持った魔法の鏡のようなものを使ってショートワープできるといった感じ。どの順番で武器を手に入れるかによって攻略も変わってきそうだ。

  • ルエゴ・アル・アルバ
    • 斬撃を加える比較的オーソドックスな武器
    • “血の契約”(※)が発動している間は敵に傷を与えると自らの傷を癒やす(※強化技)
    • 急降下攻撃“罪業の重み”とパリィを使える
  • サルミエント&センテラ
    • 高速な刺突攻撃を繰り出す
    • スライディングしながら刺す“神聖なる刺突”とパリィを使える
    • 特殊な鏡を利用してショートワープできる
  • ヴェレディクト
    • スタン性能の高い、弧を描く強烈な一撃を与える
    • ヒット時に熱情(MP)を回復する
    • パリィできない
    • 溜め攻撃の“慈悲の轟撃”や、熱情を時間消費して強化する“信仰の炎”を使える
    • 特殊な鐘を叩いて隠れた足場などを出現させられる
Blasphemous 2
強化技“信仰の炎”は、熱情を時間消費する。初期状態では一度発動すると熱情がなくなるまで出しっぱなしだが、強化により挙動を変えられる。

 強化・カスタマイズ要素は全般的に強化されている印象だ。さまざまなボーナス効果を得るロザリオが引き続き登場するほか、別のボーナス効果を得られる“彫像”(2つの彫像の組み合わせによるセット効果も発生する)があったり、魔法アビリティの“祈詞”も軽めの“詞節”と重めの“聖歌”の2種類をセットできたりする。

 また、足場のフチに掴まった時のよじ登りアクションなど、細かい動作が前作より微妙にスムーズになっていたりするのも面白いところ。前作のどこかぎこちない動きもヘビーな世界観にマッチしていて悪くはなかったのだが、ほんのちょっと重さを感じていた部分が取れてプレイしやすくなっているという感じだ。(※開発いわく、エンジンを変えて根本から作り直したらしい)

Blasphemous 2
左端の壁の模様が出ている部分には、序盤でアイテムを入手すると掴まれるようになる。

アニメカットシーンで演出強化

 ゲームプレイ以外の部分では、重要な場面でしばしばアニメカットシーンが挿入されていたのも印象的。これはDLC“Wounds of Eventide”のプロモでアニメを採用したところ出来が良かったため、ゲーム中の演出にも取り入れようということで同じスタジオに発注したのだとか。

 前作はよく言えばミステリアス、あえて悪く言えばぶっきらぼうなオープニングで、畳み掛けられる宗教的イメージの中で何をすればいいか見失ったり、混乱した人も少なからずいたのではないかと思う。

 今作ではこうしたカットシーンによるストーリー説明や、ひとまず向かうべき重要地点が最初からマップに示されるといったちょっとした仕掛けにより、序盤の流れが整理されている感じを受けた。

 さて、デモで序盤をプレイした感想を手っ取り早くまとめると、本作は「世界的にヒットした前作を踏まえつつ、ダンジョン探索型アクションゲームとしてより洗練された続編」という印象だ。

 家庭用ゲーム機版の日本展開がちょっと遅くなりそうなのは少し残念だが、ひとまずきっちり完成するのを待ちたい。