フィギュアスケートをベースに、スケートリンクで実施される演劇(のようなもの)を“アイスショー”という。

 2023年4月2日にアニメ『ワンピース』を題材にしたアイスショー『ONE PIECE ON ICE ~エピソード・オブ・アラバスタ~』の開催が発表。8月11日~13日に横浜で、9月2日~3日に名古屋で公演が行われる。

 フィギュアスケートというと、4回転ジャンプなどの高難度技が注目されがちだが、スケーティングの美しさも重要。振り付け(身体の躍動)で表現される物語や集団による群舞がアイスショーの醍醐味だ。

 と、難しい説明をしてしまったが、「わー、すごい。わー、きれい」と眺めるだけでも十分楽しめる。ゲーマーにとっての注目ポイントもあるので、『ワンピース・オン・アイス』をきっかけとして、いくつか紹介したいと思う。そして興味を持ってください。よろしくお願いします。

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キャストと振付、演出がすごい

 主人公モンキー・D・ルフィを演じるのは、世界選手権で2連覇を果たした宇野昌磨選手。その配役決定を皮切りに、公式サイトやTwitterでは情報が続々と発表されている。

 また、公式Twitterで順次公開中のインタビュー動画では、イメージ写真撮影の様子も確認できる。

【ワンピース・オン・アイス】情報まとめ。宇野昌磨がルフィを演じるアイスショー。ゲーマー興奮のフィギュアスケート注目ポイントも解説【“大名人時代”四皇の息子も参戦】
【ワンピース・オン・アイス】情報まとめ。宇野昌磨がルフィを演じるアイスショー。ゲーマー興奮のフィギュアスケート注目ポイントも解説【“大名人時代”四皇の息子も参戦】
公式Twitterには練習時のオフショットも掲載。

モンキー・D・ルフィ:宇野昌磨

【ワンピース・オン・アイス】情報まとめ。宇野昌磨がルフィを演じるアイスショー。ゲーマー興奮のフィギュアスケート注目ポイントも解説【“大名人時代”四皇の息子も参戦】
【ワンピース・オン・アイス】情報まとめ。宇野昌磨がルフィを演じるアイスショー。ゲーマー興奮のフィギュアスケート注目ポイントも解説【“大名人時代”四皇の息子も参戦】

 ISU公認大会において、4回転フリップジャンプを世界で初めて成功させた実力派フィギュアスケーター。スピンやステップの技術も高く、多くの技で高評価を叩き出す(難しいことをしたり美しく技を決めると加点される)。

 柔軟性と力強さにも定評があり、体幹を活かしたクリムキンイーグルがトレードマーク。両足を外側に開いて背中を反らし、リンクすれすれで麦わら帽子を押さえながら滑走する姿が目に浮かぶようだ。

 ちなみに、テレビ番組等のインタビューではあまりリップサービスをしないほどにマイペース。我が道を行く様はルフィとも重なる。

【ワンピース・オン・アイス】情報まとめ。宇野昌磨がルフィを演じるアイスショー。ゲーマー興奮のフィギュアスケート注目ポイントも解説【“大名人時代”四皇の息子も参戦】
【ワンピース・オン・アイス】情報まとめ。宇野昌磨がルフィを演じるアイスショー。ゲーマー興奮のフィギュアスケート注目ポイントも解説【“大名人時代”四皇の息子も参戦】
【ワンピース・オン・アイス】情報まとめ。宇野昌磨がルフィを演じるアイスショー。ゲーマー興奮のフィギュアスケート注目ポイントも解説【“大名人時代”四皇の息子も参戦】
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ロロノア・ゾロ:田中刑事

【ワンピース・オン・アイス】情報まとめ。宇野昌磨がルフィを演じるアイスショー。ゲーマー興奮のフィギュアスケート注目ポイントも解説【“大名人時代”四皇の息子も参戦】
【ワンピース・オン・アイス】情報まとめ。宇野昌磨がルフィを演じるアイスショー。ゲーマー興奮のフィギュアスケート注目ポイントも解説【“大名人時代”四皇の息子も参戦】

 田中刑事さんはジャンプだけでなく演技面も高く評価されたスケーター。現在はプロスケーター活動を続けつつ、コーチとして後進の育成に励んでいる。

 熱心なアニメファンであり、好きな作品の楽曲をプログラムに使用することもあった。『ジョジョの奇妙な冒険』の“ダイヤモンドは砕けない~メインテーマ~”で滑ったときの衣装はほぼ東方仗助。グレートだぜ。

 また、カードゲーム『遊戯王』のプレイヤーであることも知られている。とある試合の演技後、『遊戯王』カードのBOXが投げ込まれたことが話題になったほどである(※)。これらのエピソードから“氷上のデュエリスト”の異名を持つ。

※演技後にプレゼントを投げ込みOKな試合もある。最近は混乱を避けるために禁止されていることが多い。

サンジ:島田高志郎

【ワンピース・オン・アイス】情報まとめ。宇野昌磨がルフィを演じるアイスショー。ゲーマー興奮のフィギュアスケート注目ポイントも解説【“大名人時代”四皇の息子も参戦】
【ワンピース・オン・アイス】情報まとめ。宇野昌磨がルフィを演じるアイスショー。ゲーマー興奮のフィギュアスケート注目ポイントも解説【“大名人時代”四皇の息子も参戦】

 華麗なキックを得意とするサンジに必要なものは何か。そう、長い脚である。そこで白羽の矢が立ったのが、長身痩躯の島田高志郎選手だ。公式サイトのコメントによると“自称・スケート界イチの『ワンピース』好き”。

 2019-2020シーズンにシニアデビュー。2022-2023シーズンには国際大会でも活躍を見せ、全本選手権では2位で表彰台に立つなど、今後の有望株である。

 彼を指導するステファン・ランビエールコーチは、とりわけ芸術面が高く評価されるスケーター。現役時代のスピンは世界一とも評された。この夏はステファン仕込みのスピンと足技が氷上で舞う。

ナミ:本田望結

【ワンピース・オン・アイス】情報まとめ。宇野昌磨がルフィを演じるアイスショー。ゲーマー興奮のフィギュアスケート注目ポイントも解説【“大名人時代”四皇の息子も参戦】
【ワンピース・オン・アイス】情報まとめ。宇野昌磨がルフィを演じるアイスショー。ゲーマー興奮のフィギュアスケート注目ポイントも解説【“大名人時代”四皇の息子も参戦】

 ナミ役を務めるのは女優としても活動する本田望結選手。フィギュアスケートにはノービス、ジュニア、シニアという年齢区分があり、彼女はノービス時代から高いポテンシャルで注目されてきた選手のひとりだ。

 おもに西日本の大会に出場しており、ジュニアにあがった初年度から全日本ジュニア選手権に出場。女優業で身に付けた演技力が影響してか、華やかさを備えたスケーターである。

 ちなみに、彼女はビビ役を務める本田真凜選手の妹。ナミとビビの友情もアラバスタ編の見どころだけに、息の合った演技に期待したい。

ウソップ:織田信成

【ワンピース・オン・アイス】情報まとめ。宇野昌磨がルフィを演じるアイスショー。ゲーマー興奮のフィギュアスケート注目ポイントも解説【“大名人時代”四皇の息子も参戦】
【ワンピース・オン・アイス】情報まとめ。宇野昌磨がルフィを演じるアイスショー。ゲーマー興奮のフィギュアスケート注目ポイントも解説【“大名人時代”四皇の息子も参戦】

 2013年に引退を表明したが、2022年に現役復帰を果たす。同年の国体で総合9位に輝くなど、話題に事欠かないフィギュアスケーター。

 ウソップ役の織田信成さんに関しては、予想通りだったという声を多く見かけた。テレビ番組などで明るい人柄が広まっているため、実力とイメージが結びつかない人もいるかもしれないが、国際大会でも結果を残す実力者である。

 高い柔軟性を活かしてスピンのバリエーションが豊富。ジャンプも評価されており、猫足のような下半身で衝撃を吸収する着氷はとても美しい。コミカルなのにキメるときはキメる。まさにウソップそのものと言える。

 ちなみに、『スーパーマリオブラザーズ』のBGMをプログラムに採用したこともある。

トニートニー・チョッパー:渡辺倫果

【ワンピース・オン・アイス】情報まとめ。宇野昌磨がルフィを演じるアイスショー。ゲーマー興奮のフィギュアスケート注目ポイントも解説【“大名人時代”四皇の息子も参戦】
【ワンピース・オン・アイス】情報まとめ。宇野昌磨がルフィを演じるアイスショー。ゲーマー興奮のフィギュアスケート注目ポイントも解説【“大名人時代”四皇の息子も参戦】

 チョッパーと言えば『ワンピース』のマスコットキャラクター的存在。小動物感のあるスケーターはけっこういるのだが(高橋成美さんなど)、渡辺倫果選手の起用には「そう来たかー!」と膝を打った。

 トリプルアクセルを含む6種類の3回転ジャンプを跳ぶさまは、変身形態を使い分けるチョッパーの戦闘スタイルのよう。ジャンプ特化型というわけではなく、2022-2023シーズンは『ムーラン・ルージュ』楽曲で妖艶な演技を見せている。同年にはグランプリシリーズ初出場・初優勝という快挙を達成。伸び盛りの選手である。

 趣味はダイオウグソクムシグッズ収集。

ネフェルタリ・ビビ:本田真凜

【ワンピース・オン・アイス】情報まとめ。宇野昌磨がルフィを演じるアイスショー。ゲーマー興奮のフィギュアスケート注目ポイントも解説【“大名人時代”四皇の息子も参戦】
【ワンピース・オン・アイス】情報まとめ。宇野昌磨がルフィを演じるアイスショー。ゲーマー興奮のフィギュアスケート注目ポイントも解説【“大名人時代”四皇の息子も参戦】

 アラバスタ編のキーキャラクターは、舞台であるアラバスタ王国の王女ネフェルタリ・ビビ。彼女を演じるのは本田真凜選手だ。

 ノービス時代から国際大会に出場し、2016年には世界ジュニア選手権初出場で優勝を達成。ジュニア時代からシニアを相手に戦うことがあり、2016-2017シーズンには全日本選手権で4位入賞を果たしている。

 テレビ番組への出演も多く、フィギュアスケート以外の活動にも積極的。ショーの公式サイトでは「大好きなビビちゃんの全てをフィギュアスケートで表せる様、細かい所まで研究し、より理解して、大切に演じたいと思います」とコメントしている。

コーザ:友野一希

【ワンピース・オン・アイス】情報まとめ。宇野昌磨がルフィを演じるアイスショー。ゲーマー興奮のフィギュアスケート注目ポイントも解説【“大名人時代”四皇の息子も参戦】
【ワンピース・オン・アイス】情報まとめ。宇野昌磨がルフィを演じるアイスショー。ゲーマー興奮のフィギュアスケート注目ポイントも解説【“大名人時代”四皇の息子も参戦】

 “氷上のエンターテイナー”友野一希選手が、アラバスタ王国を愛するコーザ役に抜擢。ユーモアあふれる演技で観客を引き込む盛り上げ上手は、今回のアイスショーでは反乱軍のリーダーとして同志の士気を高めていく。

 2022-2023シーズンの日本選手権で3位、世界選手権で6位入賞と、着実に実績を積み上げる有望株。なぜか国際大会には補欠からくり上げ出場することが多く、そのたびに結果を残してきた。一部では“代打の神様”として愛されている

 ちなみに、サウナ好きとして有名。舞台となるアラバスタ王国は砂漠の国なので、ドライサウナみたいなものかもしれない。

クロコダイル:無良崇人

【ワンピース・オン・アイス】情報まとめ。宇野昌磨がルフィを演じるアイスショー。ゲーマー興奮のフィギュアスケート注目ポイントも解説【“大名人時代”四皇の息子も参戦】
【ワンピース・オン・アイス】情報まとめ。宇野昌磨がルフィを演じるアイスショー。ゲーマー興奮のフィギュアスケート注目ポイントも解説【“大名人時代”四皇の息子も参戦】

 洋菓子のヒロタ所属プロフィギュアスケーター。日本人は細身の選手が多いが、彼の体型はややがっしり目だ。現役時代の持ち味はダイナミックなジャンプ。特筆すべきはトリプルアクセルの迫力で、ジャンプの高さは世界屈指だった。

 2018年7月には『艦隊これくしょん -艦これ-』のアイスショーに出演し、男が惚れこむ精悍な演技で多くの『艦これ』ファンを魅了。当時はヒロタから“無良崇人選手応援セット”が発売されており、発送が遅れるほど注文が殺到したというエピソードを持つ。

 公開中のイメージ写真からは男の色気がだだもれている。さすがクロコダイル役。

ミス・オールサンデー:小川真理恵

【ワンピース・オン・アイス】情報まとめ。宇野昌磨がルフィを演じるアイスショー。ゲーマー興奮のフィギュアスケート注目ポイントも解説【“大名人時代”四皇の息子も参戦】
【ワンピース・オン・アイス】情報まとめ。宇野昌磨がルフィを演じるアイスショー。ゲーマー興奮のフィギュアスケート注目ポイントも解説【“大名人時代”四皇の息子も参戦】

 フィギュアスケートには男女のシングル、ペア、アイスダンスのほか、シンクロナイズドスケーティングがある。一糸乱れぬ群舞が魅力の競技だ。『ワンピース』のアイスショーには、シンクロナイズドスケーティングの要素を取り入れたチーム“プリンスアイスワールド”も出演。

 ミス・オールサンデーを演じる小川真理恵さんは、このプリンスアイスワールドに所属。かつてはアメリカのチームに所属し、全米選手権2連覇にも貢献した実力者である。

 ミス・オールサンデーは身体の一部を花のように咲かせる“ハナハナの実”の能力者。多数の手で花畑を作るような戦闘描写は何とも幻想的だ。今回のプログラムでは、咲き乱れる手を集団の演技で表現するのだろうか。

Mr.2 ボン・クレー:本郷理華

【ワンピース・オン・アイス】情報まとめ。宇野昌磨がルフィを演じるアイスショー。ゲーマー興奮のフィギュアスケート注目ポイントも解説【“大名人時代”四皇の息子も参戦】
【ワンピース・オン・アイス】情報まとめ。宇野昌磨がルフィを演じるアイスショー。ゲーマー興奮のフィギュアスケート注目ポイントも解説【“大名人時代”四皇の息子も参戦】
【ワンピース・オン・アイス】情報まとめ。宇野昌磨がルフィを演じるアイスショー。ゲーマー興奮のフィギュアスケート注目ポイントも解説【“大名人時代”四皇の息子も参戦】

 一般的な男とも女とも異なるボン・クレーを誰が演じるのか。男性スケーターなら無難だが、制作陣は安全に舗装された道を歩くことをよしとしなかった。なんと女性スケーター・本郷理華さんにオファーしたのである。どうやら本人もそれを快諾したようだ。

 これがキャスティングの妙というもの。ボン・クレーはバレエのような拳法で戦うキャラクターだけに、しなやかな動きが必須。本郷理華さんは身長166cmの長身とほっそりした体型の持ち主なので長い手足が映えるのだ。

 5種類のトリプルジャンプでボン・クレーの技を表現でき、さらにフィギュアスケートファンの中ではおもしろキャラであることも周知。そしてイメージ写真からにじみ出るボン・クレーの“粋”。完璧じゃないか。

 なお、インタビュー動画ではアニメ129話で登場したオカマ道のポーズ(いわゆる雲龍型の土俵入り)も披露している。ノリがよすぎる。

アラバスタ王国

  • ネフェルタリ・コブラ:本田宏樹さん
  • ペル:吉野晃平さん
  • チャカ:橋本誠也さん
  • コーザの父 トト:松橋浩幸さん
  • カルー:河野有香さん
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悪の秘密結社バロックワークス

  • Mr.1:小林宏一さん
  • ミス・ダブルフィンガー:中西樹希さん
  • Mr.4:小沼祐太さん
  • ミス・メリークリスマス:中野耀司さん
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振付:宮本賢二

 アイスショーにおける“振付”とは、演劇におけるセリフのようなものである。『ワンピース・オン・アイス』の振付を手がける宮本賢二さんは“アイスダンス”で日本一にも輝いた元競技選手。

 アイスダンスは男女でカップルを組むことから“氷上の社交ダンス”とも言われている。宮本賢二さんはその経験を活かしてフィギュアスケート振付師として活躍中。高橋大輔さんをはじめとするスケーターだけでなく、アニメ『ユーリ!!! on ICE』にも振付を提供している。

演出:金谷かほり

 テーマパークでのショーなどを手がける演出家。『ワンピース』の世界を音楽とパフォーマンスで表現する『ワンピース音宴』(2018年)でも演出を担当している。

 おもな活躍の場は舞台やコンサートながら、じつはゲームとも縁の深い金谷さん。2016年に全国5ヵ所で開催された『ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー』や、記憶に新しい『新作歌舞伎ファイナルファンタジーX』も、金谷さんの仕事だったのだ。

 ルフィたちの冒険をどうフィギュアスケートに落とし込むのか。その手腕に注目したい。

ゲーマーが興奮するフィギュアスケートの注目ポイント

 断言しよう。ゲームとフィギュアスケートは相性がいい。無良さんが提督たちを魅了した『艦これ』アイスショーは別格として、ゲーマー心をくすぐるポイントがあるのだ。うんちくを語らせてください。

ゲーム好きな選手がけっこういる

 ゲーム好きを公言するスケーターは少なくない。大会会場で購入できる公式プログラムの趣味欄には、ゲーム関連の話題がちょいちょい載っている。

 ルフィ役を務める宇野昌磨選手の『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』好きについてはファミ通.comでも何度か紹介済みだ。競技プレイヤーとも交流があるほか、自身もオンライン大会の出場経験があるらしい。

 宇野昌磨選手のゲーム好きは有名。とくに対戦ゲームが好みのようで、過去のインタビューでは『ハースストーン』や『ベイングローリー』といったタイトルも挙げている。

 ゲーム好きの広まりと同時にゲーマーからの好感度も上昇中だ。eスポーツ界隈には“好きな選手(チーム)の名前+WIN”というハッシュタグで応援する文化があり、それが宇野昌磨ファンにも浸透。試合時にはTwitterを中心に“#宇野昌磨WIN”が踊るようになった

 “#宇野昌磨WIN”の起源は定かではないが、僕もその広がりに貢献したと自負している。たしか2020年~2021年頃。誰かの“#宇野昌磨WIN”というTweetを見かけたので、「この応援スタイルがeスポーツ界隈の定番なんですよ」と説明したところ、フィギュアスケートファンの皆さんが拡散してくれたのである。やさしい。

 ゲーム好きなフィギュアスケーターはまだまだいる。たとえば、『モンスターハンター4G』のCMに出演した羽生結弦さん。スポーツ番組の取材や記者会見でゲームの話題を出すことがあり、2022年2月に「僕の原点」として挙げたタイトルはゲーマーをざわつかせた。

 そのタイトルとは『平成 新・鬼ヶ島』と『エストポリス伝記2』。それぞれ1997年と1995年に発売された名作である(ちなみに、羽生結弦さんは1994年生まれ)。

 質問されてパッと出てくるあたり、ほんとに好きなゲームなのだろう。思わずスタンディングオベーションをしたゲーマーは大勢いるに違いない(僕は「うわー!」と声をあげました)。

ゲームのBGMで滑走する選手たち

 フィギュアスケートは楽曲に合わせて踊るようにアイススケートを行う競技。尺は決められているものの使用曲の自由度は高く、なかにはゲームのBGMを選択するスケーターもいる。

 僕がゲーム楽曲使用に興味を持ったのは、2018年に引退したカナダのケヴィン・レイノルズさんがきっかけだ。それは2011-2012シーズンのこと。聴いたことある曲だなーと思ったら、『クロノ・トリガー』のBGMだったのである。鳥肌が立った。

 ケヴィン・レイノルズさんはほかに『ゼルダの伝説』や『ファイナルファンタジーIV』、『クロノ・クロス』などの曲も使用。日本語ぺらぺらの親日家ということもあり、僕は勝手に親近感を抱いている。

 それ以来、ゲームやアニメの曲を使う選手に注目するようになった。ルーカス・ブリチュギ選手(スイス)が使った映画音楽のような曲が気になったので調べたら『ゴースト・オブ・ツシマ』のBGM。このときほど『ゴースト・オブ・ツシマ』未プレイを後悔したことはない。だって聴いた瞬間に「境井仁!」と思いたいじゃないか。

 そういう意味で今年の注目は吉岡希選手だ。彼が選んだ楽曲は『ファイナルファンタジーVII』。どうやら“片翼の天使”などを使用するようだ。『ファイナルファンタジーVII リバース』は2024年初頭に発売予定なので、完璧なタイミングである。

[2023/07/14 13:47追記]
 記事を公開したところで、書き忘れていたり情報提供があったりしたものを追記します。網羅するのはなかなか難しい。

[2024/05/09 00:02追記]

  • 男子シングル:織田信成選手がプリンスアイスワールド2024-2025で『桃太郎』を使用したプログラムを披露。水曜日のカンパネラの曲なので厳密にはゲーム関連ではないが、楽曲のモチーフはおそらく『桃太郎伝説』。さくまあきら氏が手掛けたRPGである。

四皇の息子が『ワンピース・オン・アイス』参戦

 『ワンピース・オン・アイス』にはメインキャスト以外にも多くのスケーターが出演する。メンバーの中には橋本誠也さんの名前があった。

 1980年代ファミコン全盛期の“大名人時代”を席巻した四皇のひとり、橋本名人のご子息である。四皇のほかの面子は高橋名人と毛利名人で、もうひとりは諸説あり。

 橋本名人の本名は橋本真司。かつてスクウェア・エニックスで『ファイナルファンタジー』や『キングダム ハーツ』など、数々のシリーズでブランドマネージャーとして辣腕を振るった重鎮だ。

 定年退職後はソニー・ミュージックエンタテインメントのシニアアドバイザーとフォワードワークス取締役会長を兼任。開志専門職大学の客員教授も務めており、自身の経験を後進に伝えつつ、「まだ腕が錆びついていないのであれば、新しいコンテンツを立ち上げたいと考えている」という。

『ペルソナ5』とフィギュアスケート

 フィギュアスケートとゲームのつながりと言えば、アトラスのRPG『ペルソナ5』も挙げられる。スタイリッシュな映像表現で知られる本作はオープニングアニメーションも特徴的。そのモチーフがフィギュアスケートなのである。

 スタイリッシュな楽曲に合わせて、つぎつぎと技を決めていくキャラクターたち。アイスショーの一幕を思わせる演出に、思わず引き込まれてしまう。

 開幕は主人公のアクセルジャンプ(クワッドアクセル?)。いくつかのシーンを挟んで、片手ビールマンスピン、イナバウアー、キャメル→シットスピン、鈴木明子さんばりのハイドロ、デススパイラルと続いていく。そう来るか! と唸る技のセレクトだ。

 また、前半に竜司がエアギターをする描写がある。これはクイーンの『Don't Stop Me Now』でエキシビションを披露した町田樹さんのオマージュなのではと勘ぐっている。

ペルソナ5 オープニングアニメーション

[2023/07/16 21:33追記]
 このムービーを担当したのはアニメ監督の山本沙代氏。アニメ『ユーリ!!! on ICE』の監督(+共同原案)である。

 山本氏の友人の山田玲司氏(漫画家)は、自身のYouTubeチャンネルでこの件について言及。山本氏はかなりのフィギュアスケートファンらしく、「私の趣味をやってしまいました」と連絡があったという。

 それぞれの発売と放送はどちらも2016年だが、大作ゲームは何年もかけて開発するのが当たり前。実作業は『ペルソナ5』の方が先だった可能性が高い。

 そんな頃からゲームとフィギュアスケートを違和感なくなじませる手腕と愛たるや。脱帽するしかない。

【ペルソナ5】なぜOPがスケートなのか!?アニメーションを担当した山本沙代監督が友人、山田玲司先生(漫画家)に語ったまさかの理由※山田玲司のヤングサンデーより一部切り抜き【メガテン】

公演/チケット概要

 チケットは楽天チケット、チケットぴあ、ローソンチケット、イープラスで発売中。

 横浜公演は多くの座席が売り切れとなっており、甲板エリア(立ち見)が追加発売。少ないながら当日券もあるらしい。名古屋公演はプレミアムシートが残りわずかとのこと(2023年8月12日現在)。

横浜公演

【日時】

  • 2023年8月11日(金・祝)
    1.開演12:00、2.開演17:00
  • 2023年8月12日(土)
    3.開演12:00、4.開演17:00
  • 2023年8月13日(日)
    5.開演12:00、6.開演17:00

公演は約2時間(途中休憩含む)。開場時間は開演の1時間前が予定されている。

【会場】

  • KOSE新横浜スケートセンター

【チケット料金】

  • プレミアムシート1列目(オリジナルグッズ付き) 価格:32000円[税込] 完売
  • プレミアムシート2列目(オリジナルグッズ付き) 価格:30000円[税込] 完売
  • アリーナ席 価格:26000円[税込]
  • スタンドSS席 価格:24000円[税込]
  • S席(※1)価格:20000円[税込]
  • スタンドA席:16000円[税込] 完売
  • スタンドB席:10000円[税込] 完売
  • 甲板エリア(※2、立ち見):10000円[税込] 追加発売

※1:前列との段差がないため見づらい場合があるとのこと。
※2:場所は2階席の後方。

名古屋公演

【日時】

  • 2023年9月2日(土)
    1.開演12:00、2.開演17:00
  • 2023年9月3日(日)
    3.開演12:00、4.開演17:00

公演は約2時間(途中休憩含む)。開場時間は開演の1時間前が予定されている。

【会場】
ドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)

【チケット料金】

  • プレミアムシート1列目(オリジナルグッズ付き) 価格:32000円[税込] 残りわずか
  • プレミアムシート2列目(オリジナルグッズ付き) 価格:30000円[税込] 残りわずか
  • アリーナ席 価格:26000円[税込]
  • S席 価格:24000円[税込]
  • A席 価格:16000円[税込]
  • B席 価格:10000円[税込]
  • 主催:「ワンピース・オン・アイス」2023製作委員会
  • 後援:公益財団法人日本スケート連盟
  • 備考:営利目的のチケット転売は禁止。不正転売チケットである事実が発覚した場合、入場できない場合もあるとのこと。

物販情報

『ワンピース・オン・アイス』公式サイト

※画像はワンピース・オン・アイス公式Twitter、ONE PIECE スタッフ公式Twitterより引用。