※本記事は、2022年6月7日にアップした記事を再編集したものです。

食うか食われるかの過酷な世界

 いまから11年前の2012年(平成24年)6月7日は、プレイステーション3用ソフト『TOKYO JUNGLE』(トーキョー ジャングル)が発売された日。

PS3『TOKYO JUNGLE』が発売された日。斬新過ぎるコンセプトが話題を呼んでスマッシュヒットを記録した動物たちの弱肉強食サバイバル【今日は何の日?】

 『TOKYO JUNGLE』は、ソニー・コンピュータエンタテインメント(当時)から発売されたサバイバルアクションゲーム。クリエイター発掘支援プログラム“PlayStation C.A.M.P!”の企画から誕生した作品のひとつで、あまりにも斬新なゲームコンセプトが当時ゲームファンたちのあいだで広く評判になった。

 と言うのも、本作でプレイヤーが操るのが50種類以上もの動物たちだったからだ。筆者的には、サバイバルが題材のゲームの主人公は人間というのが定番中の定番。というか、人間以外の主人公を想像することがなかったのでけっこうな衝撃を受けてしまった。しかもパッケージやキービジュアルで印象的に描かれていたのはポメラニアンで、おおよそサバイバルとは無縁な愛玩動物というのも二度びっくりだった覚えがある。

PS3『TOKYO JUNGLE』が発売された日。斬新過ぎるコンセプトが話題を呼んでスマッシュヒットを記録した動物たちの弱肉強食サバイバル【今日は何の日?】
PS3『TOKYO JUNGLE』が発売された日。斬新過ぎるコンセプトが話題を呼んでスマッシュヒットを記録した動物たちの弱肉強食サバイバル【今日は何の日?】

 ゲームの舞台となるのは人類が忽然と姿を消した東京。かつての景観の面影を残したまま廃墟になった街には、ジャングルのように多種多様な動物たちが棲み着き、弱肉強食の生存競争をくり広げていた……というのがざっくりとした設定。

 そんな過酷な世界なのにイヌ、ネコ、ヒヨコ、ウサギのようなかわいらしい動物たちも生き残っているのだからじつに逞しい。もちろん、獰猛なライオンやクマ、オオカミのような肉食獣もわんさか登場。動物好きのゲーマーはこういった設定だけでも一気に惹き込まれてしまったんじゃないかな。

PS3『TOKYO JUNGLE』が発売された日。斬新過ぎるコンセプトが話題を呼んでスマッシュヒットを記録した動物たちの弱肉強食サバイバル【今日は何の日?】
PS3『TOKYO JUNGLE』が発売された日。斬新過ぎるコンセプトが話題を呼んでスマッシュヒットを記録した動物たちの弱肉強食サバイバル【今日は何の日?】

 大別してモードはふたつあり、とにかく精一杯生き続けるのが目的の“サバイバルモード”は弱肉強食の世界をストレートに体感できておもしろかった。好きな動物を選んで生き抜いていくのだが、選択した動物に応じた捕食をしなければならないし、マーキングによって縄張りの拡大も目指さなければならない。さらには寿命が尽きる前に世代交代を行って種を存続させていく使命もあったりして、壮大なドラマを感じられた。自分より弱い動物をつぎつぎと捕食していくのは残酷なのだけど、狩りが徐々に快感になっていくから不思議なもの。うまく一撃で仕留められたときは気分爽快だった。

 もう一方の“ストーリーモード”は、物語が章仕立てのオムニバス形式で進行していくモードで“なぜ人類は東京から消えたのか!?”という謎に迫る。シリアスな話だけでなく、思わぬ形でコミカルな話に展開するなど、千差万別のシナリオが楽しめた。こっちはこっちで非常に興味深いのだが、サバイバルモードで“アーカイブ”を見つけないと新たなシナリオが解放されないため、両モードを並行して進める必要があったのがもどかしい。

PS3『TOKYO JUNGLE』が発売された日。斬新過ぎるコンセプトが話題を呼んでスマッシュヒットを記録した動物たちの弱肉強食サバイバル【今日は何の日?】
PS3『TOKYO JUNGLE』が発売された日。斬新過ぎるコンセプトが話題を呼んでスマッシュヒットを記録した動物たちの弱肉強食サバイバル【今日は何の日?】

 クセになるユニークな楽曲が取り揃っている点もゲームファンからの評価が高い。エレクトロ系やテクノ系といったようなクラブミュージック風な楽曲が意外にもゲームの雰囲気にマッチするのだからおもしろい。最初は「えっ!?」と思わされたものの、自然と耳に馴染んでいって最終的にはハマってしまった人も多かったのではないだろうか。

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