2021年7月29日にリリースされた『戦場のフーガ』は、サイバーコネクトツー初のパブリッシングタイトルにして、設立25周年を記念したドラマティックシミュレーションRPG。サイバーコネクトツーが展開する、獣人たちが暮らす世界観の『リトルテイルブロンクス』シリーズのタイトルで、“戦争×復讐×ケモノ”をテーマに、12人の子どもたちが巨大戦車タラニスに乗り込み激闘をくり広げるストーリーが展開される。

 対応プラットフォームはNintendo Switch、プレイステーション5、プレイステーション4、Xbox Series X|S、Xbox One、PCで、Xbox Game Passに対応。また、ダウンロード専売となっており、通常版のほかにデジタルアートブックやデジタルミニサントラなどがセットになったデラックスエディションが用意されている。

 本稿では、続編の『戦場のフーガ2』(2023年5月11日発売)のリリースを記念して、前作のストーリーを振り返ることができるように、全12章のストーリーを3つのパートにわけてあらすじを解説。

 さらに、記事担当ライターによるプレイレビューや、アップデート1.50で追加された要素を公開する。あらすじ解説とプレイレビューはネタバレ満載なので、本作を未プレイの方は注意してほしい。

『戦場のフーガ2』を検索 (Amazon.co.jp)

第1~4章:連れ去られた家族を助けるために子どもたちの戦いが始まる

 物語の舞台である“浮遊大陸”は、“イヌヒト”と“ネコヒト”という2種類の種族が暮らす、大小さまざまな浮島からなる世界。

 この大陸には、長いあいだ他国と干渉していない平和な国“ガスコ”が存在した。

【ネタバレ注意】『戦場のフーガ2』をプレイするまえに前作のあらすじをチェック。続編に続く(?)謎のキャラクターに言及したプレイレビューもお届け!

 だが、平穏な暮らしは突如として奪われてしまう。

 大陸の北東に位置する“ベルマン帝国”がガスコに侵略を開始。戦火は、主人公のマルトたちが暮らすプチ・モナ村にも広がり、村の大人たちは帝国に連れ去られてしまった。

【ネタバレ注意】『戦場のフーガ2』をプレイするまえに前作のあらすじをチェック。続編に続く(?)謎のキャラクターに言及したプレイレビューもお届け!

 残された子どもたちは、ラジオから流れてきた謎の女性の声に導かれて、村の近くで長年放置されていた巨大戦車“タラニス”を発見。

 この戦車に乗り込み、家族を取り戻すためにベルマン帝国に戦いを挑む。

【ネタバレ注意】『戦場のフーガ2』をプレイするまえに前作のあらすじをチェック。続編に続く(?)謎のキャラクターに言及したプレイレビューもお届け!

 不安を抱えながら、連れ去られた家族を追う子どもたち。

 そんな彼らの前に、ベルマン帝国のプレッツェル大佐や冷酷なシュトーレン少将、バウム少将がつぎつぎと立ちはだかる。

【ネタバレ注意】『戦場のフーガ2』をプレイするまえに前作のあらすじをチェック。続編に続く(?)謎のキャラクターに言及したプレイレビューもお届け!

 マルトたちは苦戦を強いられるも、新たに仲間に加わったチックやハック、シーナたちとも協力し、ベルマン帝国の軍隊を撃破することに成功。

 村の大人たちが移送されたという、南のシェットランド鉱山地帯を目指して進んでいく。

【ネタバレ注意】『戦場のフーガ2』をプレイするまえに前作のあらすじをチェック。続編に続く(?)謎のキャラクターに言及したプレイレビューもお届け!

第5~8章:ベルマン帝国軍の非道な行いに激高する子どもたち

 鉱山地帯を目指す道中で、子どもたちはベルマン帝国軍に工場主である父親を殺され、工場を奪われた少年ジンと出会う。

 一行の仲間に加わったジンの案内で、工場地帯にある工場へと向かう子どもたち。

【ネタバレ注意】『戦場のフーガ2』をプレイするまえに前作のあらすじをチェック。続編に続く(?)謎のキャラクターに言及したプレイレビューもお届け!

 そんな彼らの前に、ジンの父親を手にかけたフラム中佐が登場。

 ジンは復讐を誓うが、フラムもまた、義父プレッツェルを亡き者にした子どもたちへの復讐に燃えていた。子どもたちはフラムとの激闘を勝ち抜きその場を後にするも、敵に情けをかけられたフラムは、復讐の炎をよりいっそう大きくする。

【ネタバレ注意】『戦場のフーガ2』をプレイするまえに前作のあらすじをチェック。続編に続く(?)謎のキャラクターに言及したプレイレビューもお届け!

 鉱山地帯の収容所に子どもたちの家族はいなかったものの、解放した人々から別の移送先の情報を得ることができた。

 工場で作られた武器は、多くの捕虜とともにラサ・アプソ溶岩地帯の収容所に運ばれているという。

 新天地に向かう道中、天真爛漫なワッパとベルマン帝国の少年兵・ブリッツを仲間に加えた一行は、ブリッツの情報を頼りに捕虜収容所へ立ち寄ることに。

【ネタバレ注意】『戦場のフーガ2』をプレイするまえに前作のあらすじをチェック。続編に続く(?)謎のキャラクターに言及したプレイレビューもお届け!

 捕虜収容所では、研究者のドクトルのもと、囚えたネコヒトたちから生体エネルギーを抽出し、生体電池として利用する非人道的な研究が行われていた。

 ドクトルの非道な行いに、怒りをあらわにする子どもたち。ドクトルを打ち破るも、この収容所にはシーナ以外の子どもたちの家族はいなかった。

【ネタバレ注意】『戦場のフーガ2』をプレイするまえに前作のあらすじをチェック。続編に続く(?)謎のキャラクターに言及したプレイレビューもお届け!

 解放した人々によると、ここにいない捕虜はラサ・アプソ溶岩地帯の収容所に移送されたらしい。

 子どもたちは、自分たちの家族が犠牲にならなかったことを不幸中の幸いだったと考えて、ラサ・アプソ溶岩地帯に向かう。

第9~12章:ブリッツの裏切り。そして巨大戦車タラスクスとの最終決戦

 目的地に近づくにつれて、ベルマン帝国軍の攻撃がいちだんと激しくなっていく。

 数々の猛攻を耐え抜いた子どもたちの前に、復讐に燃えるフラム中佐が再び立ちはだかる。子どもたちはフラム中佐を撃退するも、彼女は戦車の爆発に巻き込まれてしまう。

【ネタバレ注意】『戦場のフーガ2』をプレイするまえに前作のあらすじをチェック。続編に続く(?)謎のキャラクターに言及したプレイレビューもお届け!

 消失したフラム中佐に憐れみを覚えながら、溶岩地帯を目指す子どもたち。

 ベルマン帝国軍の要塞に近づいたとき、タラニスを彷彿とさせる巨大戦車が姿を現した。

 ガスコ侵攻部隊の総司令を務めるシュヴァイン・ハクス上級大将が乗るこの巨大戦車の名は“タラスクス”。タラニスの力に共鳴し、目覚めたタラスクスが子どもたちに牙をむく。

【ネタバレ注意】『戦場のフーガ2』をプレイするまえに前作のあらすじをチェック。続編に続く(?)謎のキャラクターに言及したプレイレビューもお届け!

 子どもたちは辛うじてタラスクスを撃退し、収容所に囚われていた家族と念願の再会を果たす。

 だが、喜びも束の間、ブリッツが姿を消していたうえ、ラジオから謎の声が流れ出す。子どもたちはラジオの声から、ハクスがパレシアの地下に眠る古代の破壊兵器“ヴァナルガンド”の復活を目論んでいることを告げられる。

【ネタバレ注意】『戦場のフーガ2』をプレイするまえに前作のあらすじをチェック。続編に続く(?)謎のキャラクターに言及したプレイレビューもお届け!

 ヴァナルガンドが復活すると、この世界は滅びてしまう。

 意を決してパレシアに向かう子どもたちの前に、かつての仲間・ブリッツが敵として現れる。彼は、母親と妹が人質に取られているとハクスに騙され、帝国に戻ったのだ。

【ネタバレ注意】『戦場のフーガ2』をプレイするまえに前作のあらすじをチェック。続編に続く(?)謎のキャラクターに言及したプレイレビューもお届け!

 悲しき戦いが始まるも、家族が無事であることを教えられたブリッツは、子どもたちと和解。

 絆がいっそう深まった子どもたちは、復活したヴァナルガンドの内部に潜入し、コアとなったタラスクスと対峙する。

 そして激闘の末に、仲間の命を犠牲にすることなく、“ソウルキャノン”を発射することに成功。タラスクスを撃破し、世界に平和をもたらした。

 以上が『戦場のフーガ』のあらすじとなる。また、『戦場のフーガ』の物語を基にしたマンガ『戦場のフーガ 鋼鉄のメロディ』がファミ通.comでは隔週で連載中。

 ゲームとは少し異なる展開や、マンガでしか描写されていない『戦場のフーガ2』につながる謎も数々あるので、ぜひゲームと見比べながら楽しんでもらいたい。

【ネタバレ注意】『戦場のフーガ2』をプレイするまえに前作のあらすじをチェック。続編に続く(?)謎のキャラクターに言及したプレイレビューもお届け!
『戦場のフーガ 鋼鉄のメロディ』第1話を読む

ソウルキャノンがもたらす唯一無二の緊張感と達成感

 ここからは、本作を遊んだうえでのレビューを綴っていく。

 『戦場のフーガ』でもっとも特徴的なシステムが、 “ソウルキャノン”の存在だ。ソウルキャノンは、どんな敵をも一撃で倒す非常に強力な兵器。各章の最後に立ちはだかるボスも例外なく一撃で倒せるが、ソウルキャノンは諸刃の剣。

 というのも、使用するには子どもをひとり犠牲にする必要があり、当然ながら選んだ子どもは戻ってこない。プレイヤーは強敵と戦うたびに、究極の選択を迫られるというわけだ。

【ネタバレ注意】『戦場のフーガ2』をプレイするまえに前作のあらすじをチェック。続編に続く(?)謎のキャラクターに言及したプレイレビューもお届け!
【ネタバレ注意】『戦場のフーガ2』をプレイするまえに前作のあらすじをチェック。続編に続く(?)謎のキャラクターに言及したプレイレビューもお届け!

 この究極の選択が、ゲームにほどよい緊張感と達成感をもたらしてくれる。

 仲間になる子どもたちは、過酷な状況に負けることなく、囚われた家族のために奔走する、性格のいい子たちだらけ。

 ストーリーを進めるたびに、がんばる姿に胸を打たれて自然と応援したくなる。筆者のように、小さい子どもを持つ親ならなおさらだろう。

 だからボス戦でどんなに苦戦しても、ソウルキャノンを撃つという選択肢は筆者の頭の中にはなかった。

 もちろん、ソウルキャノンを使えば確実に勝利できるし、犠牲になった子ども以外のキャラクターを生かすことはできる。しかし、家族のように過ごす子どもたちの日常がストーリーで描かれているので、誰かひとりでも欠けるのが我慢できないのだ。

【ネタバレ注意】『戦場のフーガ2』をプレイするまえに前作のあらすじをチェック。続編に続く(?)謎のキャラクターに言及したプレイレビューもお届け!

 子どもたちの笑顔のために、耐えて、耐えて、耐え忍ぶ。

 そして、ソウルキャノンを使わずにボスを撃破したときの達成感はひとしおだった。ボス戦を有利に進めるうえで不可欠なのが、戦略性を高める数々のシステムだ。

 3種類の武器を使い分けて敵の弱点を突いたり、倒す敵の順番を考えたり、有効なスキルがないか探してみたり、敵の強力な攻撃に備えて防御を選択したり、ゲージを溜めると発動できる協力必殺技を温存したり……。

 ざっと考えただけでも、さまざまな戦術が思い浮かぶ。新しい仲間が増えるたびに、使えるスキルや協力必殺技の種類が増えていき、戦術がグッと広がるのもうれしい。

【ネタバレ注意】『戦場のフーガ2』をプレイするまえに前作のあらすじをチェック。続編に続く(?)謎のキャラクターに言及したプレイレビューもお届け!

 筆者自身、もふもふとしたキュートな見た目のキャラクターや、牧歌的な雰囲気の世界観にすっかり油断していたが、本作をプレイし直して、重厚なストーリーと戦略性に富んだバトルの魅力を再確認できた。

 とくにストーリーでは、家族のために仲間のもとから離れたブリッツが、仲間の前に立ちはだかる第11章の展開がお気に入り。

 このボス戦だけ、ブリッツが相手だからソウルキャノンが使えないという展開も、子どもたちの胸中をうまく表現していると思う。

 ちなみに、ブリッツが再加入するかどうか、ソウルキャノンを使うかどうかは、トゥルーエンドに進むための条件にもなっている。下記の条件を達成するとトゥルーエンドに到達できるので、まだ見ていない方は、この機会にチェックしてみては?

 ▼トゥルーエンドの分岐条件

  • ソウルキャノンを一度も使用していない
  • 第10章の中盤までに、ブリッツと別の子どもの絆イベントを合計5回以上発生させて、ブリッツがペンダントを見ているイベントを見る
【ネタバレ注意】『戦場のフーガ2』をプレイするまえに前作のあらすじをチェック。続編に続く(?)謎のキャラクターに言及したプレイレビューもお届け!

 このイベントが発生すると、のちにブリッツの母親と妹を助けることができ、ハクスに騙されていたブリッツが改心して仲間に復帰する。

 また、改めてプレイすることで、『戦場のフーガ2』に登場する“謎の少年”によく似た人影を、タラスクスとの最終決戦で目撃するなど、新たな発見も!

【ネタバレ注意】『戦場のフーガ2』をプレイするまえに前作のあらすじをチェック。続編に続く(?)謎のキャラクターに言及したプレイレビューもお届け!
トゥルーエンドの条件を満たした状態で最後のソウルキャノンを撃つ際に一瞬登場する場面。
【ネタバレ注意】『戦場のフーガ2』をプレイするまえに前作のあらすじをチェック。続編に続く(?)謎のキャラクターに言及したプレイレビューもお届け!
『戦場のフーガ2』にて、暴走するタラニス内に登場する拘束された謎の少年。

 『戦場のフーガ』の最終決戦で、ソウルキャノンを撃つシーンに謎の人影が(上画面)。その姿は、『戦場のフーガ2』に登場する謎の少年に似ている気が……。果たしてふたりの関係は?

 『戦場のフーガ2』には、本作のデータを引き継ぐことで特典がもらえる施策も用意されている。

 本稿をチェックして前作を購入したくなった方や、改めてプレイしたくなった方は、ぜひ本作の魅力を体験してほしい。下記で紹介する新機能も追加されており、ますます快適にプレイできる。

前作プレイ特典

  • 『戦場のフーガ』コスチュームチェンジ
  • 序盤のバトルを手助けするアイテムセット

ノーマルエンドクリアデータ

  • 前作プレイ特典
  • ジュークボックス:『戦場のフーガ』のインターミッションの曲に変更できるジュークボックスが戦車内に配置されます

トゥルーエンドクリアデータ

  • 前作プレイ特典
  • ノーマルエンドクリア特典
  • 写真:『戦場のフーガ』のころの子どもたちの写真が戦車内に配置されます

アップデートパッチ1.50が配信されてますます快適に!

 アップデートパッチ1.50が配信され、さまざまな調整や修正が行われた本作。なかでも注目の新機能が、第7章からやり直すことができる“リトライモード”だ。

 その内容は、すべての子どもたちが生存した状態で1周目の第7章の初めからプレイを再開できるというもの。パラメータもすべて引き継ぐことができるので、トゥルーエンドを目指しやすい。

【ネタバレ注意】『戦場のフーガ2』をプレイするまえに前作のあらすじをチェック。続編に続く(?)謎のキャラクターに言及したプレイレビューもお届け!

 ほかにも、タラニスの移動速度を上昇させるターボモードの速度が2段階にグレードアップしているほか、戦術モードに敵の情報を閲覧できる双眼機能や、農園の作物を自動回収してくれる便利な機能が多数追加されている。

 『戦場のフーガ』を体験するなら、大幅アップデートでパワーアップし、続編がリリースされるいまがチャンスだ。