チェコのインディーゲームスタジオAttu Gamesによる『Scarlet Deer Inn』は、2Dのアクションアドベンチャーゲーム。PCとNintendo Switchで展開予定だ(Steamの製品ページによると日本語にも対応予定)。
スラヴの民間伝承の影響を受けた中世世界を2児の母親エリーゼが冒険する……という設定の本作、実はとんでもない仕掛けが隠されている。それは主人公エリーゼをはじめとするキャラクターが、モーションの1フレームずつ刺繍で作られているということだ。
しかし公開されている動画を見ても、それが本当に刺繍なのか、それともそれっぽく見せているCGなのかは相当目を凝らさないとわからない。なぜそんな苦労をしてまで挑むのか?
Twitterで実際にそう聞かれた開発のひとり、エヴァ・ナブラチロワ氏の返答は力強い。いわく、普通に「シェーダー(※)やフォトショップ加工で同じことを簡単に実現できる」のは承知の上で、それは別に楽しくないしあまり意味を感じないという。(※ゲームなどで陰影処理をつけるプログラム)
そもそも「生活するためだけならインディーゲーム開発よりも効率的な方法がいくらでもある」なかで、他が試さない変わった手法に挑んで楽しむためにゲームを作っているというのだ。これは強い、強すぎる。
一方で、あえてこうした手法に挑んでいるからこそ大きな反響を受けているとも指摘。これは確かに事実だろう。Twitterで公開されている開発中映像は執筆時点で560万回再生されている。
@YowLifeOfficial We like to try new stuff and of course it could be done easily with some shaders or simply painted in PS, but where would be fun in that? It wouldn't make much sense. Tbh it's the main reason why we make games, to have fun trying differen
— Eva Navratilova (@EvaBalikova)
2023-04-30 15:34:08
さてゲームはプラットフォームアクションアドベンチャーの体裁になっていて、普通の母親であるエリーゼがモンスターなどが潜む中を冒険していくことになるという。背景などは手描きで描かれているほか、BGMは伝統的な民族楽器を使って収録されているとのこと。