2023年6月20日にActivision Blizzardより発売予定の『クラッシュ・チーム・ランブル』。対応プラットフォームはプレイステーション5、プレイステーション4、Xbox Series X|S、Xbox Oneで展開。
本作は『クラッシュ・バンディクー』シリーズの最新作であり、今回のゲームジャンルは、4vs4によるマルチ対戦アクション。開発は、『クラッシュ・バンディクー4 とんでもマルチバース』を手がけたToys for Bobが担当している。
Crash Team Rumble - Pre-Order Trailer
昨年末の“The Game Awards 2022”にて突如発表されたそんな本作だが、つい先日の2023年4月21日~4月25日の期間に、先行予約をしたユーザーに向けたクローズドベータテストが開催された。
「これは……何が何でもやるしかないだろ!」と、クラッシュファンの筆者としては見逃せなかった本テスト。本記事では実際にCBT(クローズドベータテスト)を遊んでみたその模様をお届けしていく。
シンプルなルールで行われるリンゴ捕り合戦!
『クラッシュ』で対戦アクション……? と聞くと昔発売された『クラッシュ・バンディクー カーニバル』を思い出すのだが、本作はそういったリメイク作ではなく、完全新規のお祭りゲームとなっている。ルールも「リンゴを先に規定数まで集めたチームが勝ち!」というシンプルなもの。おおまかなルール内容は以下の通り。
- 4vs4のチームに分かれてステージ内に散らばったリンゴを集める
- 拠点(バンク)にリンゴを2000個入れたチームが勝利。
- 操作するキャラクターごとに役割や能力が異なる。
これらに加え、対戦前にひとつだけ持ち込める“アビリティ”や、ステージ内のレリック(トロフィー)を集めて開放するサポートギミック、自チームのスコア獲得にブーストをかけるダイヤ足場の確保といったステージの仕掛けをうまく活用しつつ自チームの勝利を目指していく。今回のテストでは、チュートリアル、練習マッチ、対戦、プライベートマッチの4つのモードがプレイできた。
シリーズおなじみのキャラクターたちも参戦。着せ替えといったカスタマイズ要素も!
本テストで使えるのはクラッシュ、ココ、タウナ、ネオ コルテックス、ディンゴダイルの5名(※)。
※タウナ、コルテックスは初めから使用できず、指定の条件をクリアーすると解禁。
キャラクターにはそれぞれロールが設定されており、リンゴを届けて得点を稼ぐ“スコアラー”、ダイヤ足場を確保して味方をサポートしたり、レリックステーションを使って相手を妨害するなどステージ利用を主に立ち回る“ブースター”、相手の得点稼ぎを妨害する“ブロッカー”の3つに分かれている。さっそく、各キャラクターを実際に触ってみた所感について紹介していこう。
クラッシュ【ロール:スコアラー】
おなじみのシリーズ主人公。スピンアタックやボディプレスといったいつものアクションをそのまま取り入れており、操作のクセも少ないので初心者におすすめのキャラクター。
ココ【ロール:ブースター】
相手を跳ね返す次元の壁や、使い勝手がよくステージ内をスイスイ移動できるスパイラル(空中ダッシュ)など、クラッシュと似たようなアクションを持っているが、各能力がブースターとして使いやすくされている。
タウナ【ロール:スコアラー】
一定距離を移動するフックショットが特徴だが使いこなせるまで慣れが必要で、同じスコアラーのクラッシュよりも操作難度は高め。見た目が勇ましいが、1作目に登場していたタウナではなく『クラッシュ・バンディクー4: とんでもマルチバース』に登場した別次元の彼女である。
コルテックス【ロール:ブースター】
中距離からの攻撃や爆発物を落としたり、相手を生物に変える光線銃でのアクションがメイン。うまく当てるまでコツがいるが徹底して迎撃できるようになると、非常にやっかいなキャラクターに化けそうな気が……?
ディンゴダイル【ロール:ブロッカー】
吸引機でのリンゴ回収、範囲の広い尻尾攻撃といったリンゴ集めや相手の妨害もやりやすい本テスト唯一のブロッカー。しかし、移動はやや遅め。
ほかにも、本作にはカスタマイズ機能が搭載されており、対戦で使うキャラクターたちの見た目や装備品、MVP時のBGMなど自分の好みでアレンジできる。
これらのアイテムは基本的に対戦後の経験値の蓄積で解放されていくが、なかにはキャラクターごとの達成度で手に入るものもある。好きなキャラクターで一定数プレイするなど、やり込み甲斐もありそうだ。
なかでも、解禁要素に過去作のBGMも取り入れていたのはファンとしてうれしいところ。ほかにもタイトルやメニューは1作目のテーマ曲、コルテックスの設定画面では『3』のラスボス戦BGMなど各所にアレンジ曲を流していたり、スタッフのクラッシュ愛が随所にあるのは思わずニヤリとしてしまう。こういうのはもっとほしい!
一方、勝利・MVP演出がわりとあっさりしていたり、実況はそこそこしゃべるもののキャラクターのボイスは「アォッ!」、「グワッ」、「フフゥー!」など掛け声がほとんどだったりなのが気になった。キャラゲー要素を意識しているが、セリフや演出面はもうちょっと盛り上がりがほしいかな……と思うのが正直なところ(クラッシュが長セリフをしゃべれないのはしょうがないが)。これまでのシリーズを大切にしているのはすごく伝わってくるので、製品版での完成度に期待したい。
強いアビリティが制するカオスな対戦模様
チュートリアルと練習マッチを終えて、いざ実践へ。
「とりあえずリンゴを集めて、ジャマな奴がいたらぶっとばせ!」ということだけ頭に入れて遊んでみたのだが、CPU戦では正直優しめに感じていたリンゴの取り合いも、人間どうしが戦えばかなり苛烈な争いに。
目に入った敵は最速で潰しにくるわ、真っ先にレリックを集めてステージギミックで妨害したり、どけどけ~! と言わんばかりにお互いボコスカに殴りあってたりと、最初はみんな手探りな動きだったものの、テスト2日目に入ったころにはカオス極まる対戦になっていた。
その中でもとくに「お~~~い! コイツどうすりゃいいんだ!!」と頭を抱えたのは、アビリティの“ガスモキシアの警備員”である。
ガスモキシアの警備員は設置した場所に留まり、一定間隔で自身の周りに電撃を放ついわゆる“お邪魔キャラ”なのだが、これをバンクに置かれてしまった時が非常に厄介。リンゴを預けようにも警備員が邪魔なので、ヤツを倒さない限り自チームの得点がなかなか増えず、そのあいだに相手チームにリードされてしまうのだ。
出現したら速攻で倒すのが手っ取り早い対策なのだが、そうはさせんと相手のディンゴダイル(ブロッカー)が立ちはだかる。バンクの真上に陣取る警備員と、地味に強い尻尾攻撃で付近を徘徊するディンゴダイルの守りが硬く、対応に困ってしまった。
対処法がよくわからなかったので、とりあえず自分も戦法をそのままマネしてみた。強行動は自分も使えば弱点が見えてくるはず!
……いや……これはもしや……。
単純に遅延デカキャラ設置が強いのか……!?
ちなみに、ロール通りの役割をしていればアビリティゲージも早く溜まりやすい仕様なので、相手の妨害をメインとするディンゴダイルとの相性はバツグン。しかし警備員が出た瞬間、相手プレイヤーが一気に総出で倒しに来たり、そもそもアビリティを使われる前に別の設置物を置かれたりと、リアルタイムで対策されていく様子も見られた。
今回プレイして感じたのは、チーム制やキャラクターごとの役割などその手の対戦ゲームに不慣れな人は難しく感じるかもしれないが実際のハードルはわりと低め。最初のうちは得点を稼ぐスコアラーか、相手を妨害するブロッカーで遊んでみて、慣れてきたら難しめのキャラクターに挑戦するのをオススメしたい。
「ガスモキシアの警備員……強敵だった……」
と、βテスト後半の思い出がそちらに引っ張られた筆者だったが、あくまで今回はβテスト。詳しい性能差や相性などは、製品版が出たあとにまた変わってくる可能性もある。
個人的にキャラクターどうしの殴り合いは、どう立ち回ればいいのか分からず苦手意識があったので、尖ったサポート要素でフォローできるのはありがたかった。尖りすぎて差を付けられると逆転しにくい状況もあったが、結果的に地味な攻防にならず、ときにはハチャメチャな展開も押し寄せるカオスな対戦が楽しめたので、製品版リリース後の盛り上がりに注目したい。