2023年4月28日より、ついに日本で公開となった映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』。本作は任天堂と『ミニオンズ』などを手掛けたイルミネーションが共同で制作している3DCGアニメ映画。
作中には『スーパーマリオ』をはじめとする任天堂作品をモチーフにしたネタが数多く盛り込まれている。そんなイースターエッグ(※小ネタや隠された要素という意味)の中から、ファミ通編集部のスタッフが「これが元ネタだろう」と確認できた一部を元画像とともに紹介する。
なお、ここで触れている以外のイースターエッグも数多くあるほか、ファミ通編集部のスタッフも確認中のネタもあるため、答えというよりは参考として楽しんでもらえると幸いだ。
ちなみに本記事には映画のネタバレが含まれる……というかネタバレしかないので、まだ映画を観ていない人は観たあとに読んでもらえれば楽しめるはず。もし映画を観ていない人は、この記事だけを観ても意味がわからないところも多いので、映画を観たら改めて読んでもらえれば幸いだ。
マリオ愛溢れるネタが満載
企業ロゴ
映画本編が始まる前の企業ロゴのシーンでもさっそくネタが存在する。イルミネーションのロゴは、ミニオンたちがカートに乗っているというもので『マリオカート』がモチーフ。任天堂のロゴはドット絵のマリオとルイージが動き回る映像で、1986年に発売したディスクシステムの起動画面を想起させるものとなっていた。
ピザ屋の名前がパンチアウト
物語冒頭に登場するピザ屋。じつはこの店の名前が“パンチアウト”になっており、店内には同作に登場するキャラクターたちのポスターなどが飾られている。
ドンキーコングで遊んでいた人の日本語吹き替え版の声は……
ピザ屋“パンチアウト”の店内には『ドンキーコング』のアーケード筐体が設置されている。その『ドンキーコング』をプレイしてマリオたちにも話しかけてきたキャラクターの声の主はゲーム版のマリオの声優を務めるチャールズ・マーティネー氏。
マリオの元祖ライバル“スパイク”
1985年6月18日に発売された『レッキングクルー』で初登場し、プレイヤーが操作するマリオたちのジャマをしてきた元祖ライバルとも言える“スパイク”が作中に登場。なお、日本版ではブラッキーという名前だったが、2023年4月20日に日本でも欧米での名称である“スパイク”に統一することが発表された。
ルイージのスマホの着信音はゲームキューブの起動音
ルイージのスマートフォンの着信音がゲームキューブの起動音になっている。ちなみにゲームキューブでは、本体と同時発売のソフトとして『ルイージマンション』がラインアップされていた。
ブルックリンの街中には任天堂作品をモチーフにした看板などが満載
映画の冒頭と後半に登場するブルックリンにはネタが満載。いくつ例を挙げると、トラックにMr.ゲーム&ウォッチが描かれていたり、『ダックハント』のダック、『バルーンファイト』の主人公、『アイスクライマー』のホワイトベアをモチーフにした看板などが設置されている。
マリオの父親の顔と髪型がタロンにそっくり
本作にはマリオとルイージの家族が登場するが、父親の顔と髪型が『ゼルダの伝説 時のオカリナ』のタロンにそっくり。
マリオがNESの『光神話 パルテナの鏡』をプレイ
マリオが自宅でNES(※海外版のファミリーコンピュータ。正式名称はNintendo Entertainment System)をプレイするシーン。遊んでいたタイトルは『光神話 パルテナの鏡』で、敵に倒されてしまったときに表示される“ヤラレチャッタ”というメッセージが有名。映画では英語のゲーム画面が表示されたが、日本語吹き替え版でも表示される字幕にはしっかり“ヤラレチャッタ”と記載されていた。
ブルックリンの中継映像にポリーン
ブルックリンが水浸しになってしまったシーンの中継映像には、『スーパーマリオ オデッセイ』の都市の国“ニュードンク・シティ”の市長であるポリーンが映っている。ちなみに『ドンキーコング』で掴まっていた女性のキャラクターもポリーンだが、当時の名称はレディとなっている。
おなじみの敵キャラクターたちの姿も
映画のセカンド予告ではプクプクが映っていたが、本編ではテンテンやイバラムシといったおなじみの敵キャラクターも登場する。
『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』セカンド予告(吹替版)
『ルイージマンション』風のホラー演出
ルイージがダークランドを探索するシーンでは懐中電灯を持っているほか、BGMも『ルイージマンション』の楽曲が使用されていた。
キノコ王国の城下町にも小ネタが満載
キノコ王国の城下町にもかなり多くのネタが詰め込まれている。たとえば、背景に『スーパーマリオ ブラザーズ3』のキノピオの家の宝箱ミニゲームと同じドット絵が描かれていたり、“ANTIQUES”というお店には『ドンキーコング』のハンマーや『スーパーマリオ ワールド』のドラゴンコインが店先に飾られている。
『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』本編映像|キノコ王国
ピーチ城の門番のセリフ
日本語吹き替え版で、マリオがピーチ城の門番に話しかけた際に「プリンセスはべつのお城に~」というフレーズは、『スーパーマリオブラザーズ』で1-4などの城ステージをクリアーしたときに出てくるメッセージのオマージュ。
トレーニングシーンではピーチ姫のアクションに注目
ピーチ姫とのトレーニングシーンでは、ピーチ姫が『スーパープリンセスピーチ』のスライディングや『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズの攻撃、『スーパーマリオUSA』のスカート浮遊など、さまざま作品で見せたアクションを披露している。
『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』本編映像 | ピーチ姫のトレーニングコース
キノコ王国の周辺にも見覚えのある景色が
キノコ王国からジャングル王国に向かうシーンの道中に登場する場所も過去作のステージをモチーフしたものとなっている。
回想シーンでベビィたちの姿が
ルイージとピーチ姫の回想シーンでは、それぞれベビィマリオとベビィルイージ、そしてベビィピーチが登場する。
牢屋に入るルイージ
クッパに掴まってしまい、牢屋に閉じ込められたルイージ。じつは、JRの電車内モニターや任天堂公式YouTubeなどで視聴できた(※)“60秒チャレンジ!ルイージを救え!!”という企画動画でも、マグマの上の牢屋にルイージが閉じ込められるというシチュエーションとなっていた。
※YouTubeは現在も視聴可能。
60秒チャレンジ!ルイージを救え!!0829「ロース」
ジャングル王国はドンキーコングのネタが盛りだくさん
クランキーコングが治めるジャングル王国にもネタが盛りだくさん。『ドンキーコング64』で印象的だったモンキーラップ(DKラップ)がBGMとして使われていたり、ディディーコングやディクシーコングなどのDKファミリーも登場する。
マメマリオ
ドンキーコングとの戦いでマリオはマメキノコを食べて小さくなってしまう。マメキノコが初登場した作品は2006年にニンテンドーDSで発売された『New スーパーマリオブラザーズ』。小さな隙間や土管を通れるほか、水の上を走ることもできる。
ネコマリオ
ドンキーコングとの戦いで勝負の決め手となったネコマリオ。初登場作品は、2013年にWii Uで発売された『スーパーマリオ 3Dワールド』。映画でも見せた引っかきや飛びつき攻撃ができるようになるほか、壁やポールなどをよじ登ることも可能。
『スーパーマリオワールド』風の地図
ドンキーコングとの戦いの後のシーンで小屋の中に飾られていた地図が『スーパーマリオワールド』のワールドマップをモチーフにしたデザインになっている。
マシンのセッティング
ジャングル王国からキノコ王国にカートで戻るシーンでは、最近の『マリオカート』シリーズではおなじみのマシンのセッティングも再現されている。なお、マシンをフレーム、タイヤ、グライダーの3つを組み合わせて、セッティングを行うようになったのは、2011年にニンテンドー3DSで発売された『マリオカート7』から。
レインボーロード
クッパ軍団と激戦をくり広げたレインボーロードは、1992年にスーパーファミコンで発売されたシリーズ第1作の『スーパーマリオカート』から登場している。
なお、作中でレインボーロードのことを“秘密のコース”というように語られていたが、『スーパーマリオカート』では“マリオカートGP”モードの100ccクラスで、キノコカップレース、フラワーカップレース、スターカップレースの3つのレースすべてで総合優勝するか、特定のコマンドを入力しないとレインボーロードはプレイできなかった(※厳密にはレインボーロードを含む、スペシャルカップが前述の条件を満たさないとプレイできないため、ある意味“隠しコース”となっていた)。
カートの反重
2014年にWii Uで発売された『マリオカート8』で新登場したカートの反重力。カートが浮いたような状態で壁や天井を走れるようになり遊びの幅が広がった。映画でもレインボーロードでバッチリ登場した。
トゲゾーこうら
マリオとドンキーコングがレインボーロードから落下する原因となったがトゲゾーこうら。ゲームでは1位を目掛けて飛んでいくアイテムで、初登場は1996年にニンテンドウ64で発売された『マリオカート64』。
クッパのタキシード姿
ピーチ姫との結婚式ではクッパがタキシード姿で登場。ゲームでも2017年にNintendo Switchで発売された『スーパーマリオ オデッセイ』でタキシード姿を見せている。
アイスフラワー
同じく結婚式のシーンではアイスフラワーでパワーアップしたピーチ姫の姿も。アイスフラワーは2007年にWiiで発売された『スーパーマリオギャラクシー』で初登場。同作ではマリオがアイスフラワーを取得するとアイスマリオとなり、水の上を凍らせながらスケートのように滑ったり、滝をカベキックできたりした。
ただ、『スーパーマリオギャラクシー』のアイスマリオは全身が氷のように変化するため、どちらかというと『New スーパーマリオブラザーズ Wii』や『New スーパーマリオブラザーズ U』のイメージに近い。
タヌキマリオ
後半の見せ場のひとつであるタヌキマリオのシーン。タヌキマリオの初登場は1988年にファミコンで発売された『スーパーマリオブラザーズ3』。ゲームでは、しっぽで攻撃を行えるほか、助走をつけてジャンプすれば一定時間飛行することもできる。
クッパ軍団
最終トレーラーでは、クリボー、ノコノコ、ドゲゾー、パックンフラワーなどが映っていたが、ボムキング、キングテレサ、マグナムキラー、メガブロスなどのおなじみの面々に加えて、クッパを語るうえでかかせないクッパクラウンも登場する。
音楽
少し触れていた部分もあるが、音楽についても、ブルックリンの地下では『スーパーマリオブラザーズ』の地下のBGM、キノコ王国に到着してピーチ城が見えた瞬間に『スーパーマリオ64』のピーチ城の楽曲が流れるなど、シチュエーションにあわせた楽曲が使用されている。
というように紹介してきたが、これでもまだほんの一部。宮本茂氏のインタビューで語られている通り、宮本氏も気付いていなかったネタもあったそうなので、探してみてはいかがだろうか。
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[2023年5月1日23時55分 記事修正]
一部記載内容について誤りがあったため、該当の文章を修正いたしました。読者並びに関係者の皆様にご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします。