2023年4月17日、千葉・市原市市民会館にて、ソロアーティスト、そしてユニット“TrySail”としても活躍する、声優・夏川椎菜さんのソロイベント“LAWSON presents 令和5年度 417の日”が開催された。本稿では、昼夜2回開催された公演のうち、夜公演の模様をお届けする。
ミュージックレイン所属アーティスト珠玉の楽曲15曲をカバー!
夏川さんの名前にかけた”417(しいな)の日“のイベントとして、毎年恒例となっているソロイベント。今回は、夏川さんが所属する事務所・ミュージックレインのアーティストの楽曲をカバーする“夏川椎菜のひとりミュージックレインフェス”としてイベントが実施された。
そんな同イベントの舞台上には、ミュージックレインの事務所内をイメージしたセットが設営。ヒヨコ群(※夏川さんのファンのこと)は、事務所の研修生という立ち位置となっている。ちなみに、事務所のセットは実際のものをそこそこ再現しているそう(夏川さん談)。
開演時間となると、まずは舞台上に登場した夏川さんが寿美菜子さん、高垣彩陽さん、戸松遥さん、豊崎愛生さんによる声優ユニット・スフィアの『HIGH POWERED』を歌い上げ、イベントの開幕を華やかに飾った。
楽曲を歌い終えた夏川さんは、同曲を約5年前に開催された“ミュージックレインフェスティバル2017”にて、TrySailとしてカバーしたことをうれしそうに振り返っていた。その後は、改めて夏川さんが事務所に出社する様子が展開。会場に駆け付けたたくさんの研修生から「おはようございます!」と挨拶をされた夏川さんは、「おはようございます! すごく元気だね! うちの会社って、こんなに社員さんいましたっけ? 全体的に黄色くない!?」と会場をイジって楽しませていた。
続いて夏川さんは、事務所の社長の肖像画に向かって、社訓(?)を読み上げる。“味の乱れは心の乱れ、心の乱れは家庭の乱れ、家庭の乱れは社会の乱れ……”と、某ラーメン屋にありそうな社訓などを披露し、会場を笑わせていた。ちなみに、今回のステージ上で起こることは、フィクションであるそうだ。
社訓を読み上げた後は、“からあげクン”を食べたり、余った“からあげクン”を、“TrySail”のグッズとして過去に販売された三角ポーチの中に片付けようとして、「なんでこんな、ピザしか入らないような形にしたのかな!」と叫び、「けっこう、いい値段するんだよ、これ?」とグッズを販売した事務所もイジったりしながら、さらに会場を笑わせる。なお、三角ポーチのくだりの後には、「フィクションだったらよかったでーす」という追い打ちをかけるようなナレーションで楽しませていた。
そして特典用のグッズにサインをしたり、Twitterにアップする自撮り写真を撮影したりなどのお仕事を行った夏川さんは、事務所所属アーティストが一堂に会するライブイベント“ミュージックレインフェスティバル2022”があると話す。イベントが待ちきれない夏川さんは、社長のPCの中にあるセットリストをこっそり覗き込む。実施予定のセットリストを読んで興奮している夏川さんだったが、PCに届いていた“ミュージックレインフェスティバル2022”の中止を報せるメールを目にしてしまう。
「こんなにいいセトリなのに、お蔵入りってこと?」と気落ちする夏川さんだったが、1時間ほど予定が空いていること、そして会場に駆けつけてくれた研修生のためにと、“ミュージックレインフェス”をひとりで実施することを宣言。その後は自身の5thシングルの表題曲『クラクトリトルプライド』の歌唱を皮切りに、夏川さんによる“ひとりミュージックレインフェス”が開幕した。
『クラクトリトルプライド』を歌唱した後は、「改めて皆さん、こんにちは!」と会場に元気よく挨拶。続いて、「今回は、“ひとりミュージックレインフェス”をしたいというわがままを聞いていただき、そうそうたるアーティストの皆さんの楽曲を、1アーティスト1曲ずつ歌えたらなと選曲しました」と、今回のイベントの趣旨について説明。セットリストを組んでいるときは、「ご褒美のような時間だった」とも語る夏川さんは、セットリストの中に共通のテーマなどもあると紹介。
そして、時間も限られているということで、今回はメドレー形式で披露すると研修生たちに伝え、さっそくライブパフォーマンスへ。最初のブロックでは、寿美菜子さんの『black hole』、 CHiCO with HoneyWorksの『プライド革命』、 豊崎愛生さんの『オリオンとスパンコール』と、所属アーティストによるロックな楽曲3曲を歌唱。会場のコールやクラップに合わせて夏川さん自身も縦ノリしながら3曲をノリノリで歌っていた。
最初のブロックを終えた夏川さんは、「ミュージックレインのいろんなタイプのロックを集めました」と振り返りつつ、寿さんの『black hole』について振り返る。夏川さん曰く、寿さんの楽曲はかっこいいものが多く、選曲には迷ったそうで、候補として『save my world』も挙がっていたとのこと。『save my world』は、レコーディングを見学させてもらったこともあり、夏川さんとしても思い入れのある楽曲だったそうだが、悩んだ末に『black hole』に決めたとのことだ。また、寿さんの楽曲には英語の歌詞が多く、『black hole』を歌うにあたっても、英語の歌詞部分に苦戦したことを明らかにした。
続くブロックでは、ミュージックレインの楽曲に多く使用されていた単語“月”をテーマにしたメドレーが展開。まずは、『IDOLY PRIDE』内のユニット・月のテンペストの『月下儚美』、スフィアの『MOON SIGNAL』の疾走感溢れる2曲で会場を盛り上げた後、 高垣彩陽さんの『月のなみだ』、雨宮天さんの『月灯り』と、しっとりとしたバラード2曲で研修生たちを魅了した。
4曲を披露した夏川さんは、月のテンペストの『月下儚美』について、せっかく後輩の楽曲を披露するので、先輩としてカッコ悪いところは見せられないと思い、イントロ部分のダンスの完コピを含め、並々ならぬ気合いを入れて臨んだと明かし、その努力に会場から大きな拍手が送られた。また、スフィアの『MOON SIGNAL』については、ミュージックレインに所属してから、スフィアのライブを見学していたこともあり、『MOON SIGNAL』を歌えたことがとても感慨深く、同曲内のコールを会場からもらえたことがとても光栄だったと振り返っていた。
その後のブロックは、恋の楽曲のメドレーへ。TrySailとHoneyWorksによる楽曲『センパイ。』、ハコニワリリィの『キョリ感』、halcaさんの『君だけ』、そして、HoneyWorksがプロデュースを手掛けるアイドル・mona(CV:夏川椎菜)の楽曲『17歳』を披露。甘いラブソング4曲に会場は酔いしれていた。
恋歌メドレーを終えた夏川さんは、halcaさんの『君だけ』について、halcaさんの楽曲を歌うと、halcaさんになりきったパフォーマンスになるとし、自分らしさを出しながらhalcaさんのよさも見せられる楽曲は何かと考えた結果、いちばん好きな『君だけ』を選んだと語った。
その後は、「恋歌メドレーなのに、あの人の曲がないじゃないか!」と話した後、麻倉ももさんの『Fanfare!!』を歌う。歌唱前、「このステージ上で行われることは、レギュレーション違反です!」と話していた夏川さんは、衣装の上からピンク色の法被を着て、両手にペンライトも持って、全力でオタ芸を披露。さらに、会場といっしょに大声で楽曲中のコールを行う場面も。会場全体が麻倉さんの愛に溢れていた。
『Fanfare!!』を歌い終えた夏川さん。同曲は昼公演でも披露し、自身が歌う様子を撮影した映像をチェックしたそうだが、「ちょっとキモイ……」と感じたと話し、会場を大いに笑わせていた。
ここまで歌い終えたところで、再び社長のPCをチェックする夏川さん。その中に没演出案があることを見つける。確認してみると、事務所に所属するためのオーディション時の映像を使用する案があったことが明らかに。それを見た夏川さんは「実力が不足していたのに、合格できたのは奇跡」と振り返りつつ、当時オーディションで歌った楽曲を、成長したいま改めて歌いたいと語った後、戸松遥さんの『Baby Baby Love』を歌唱した。
『Baby Baby Love』を歌い終えた後は、「今年も“417の日”を無事に開催できてよかったです。本当にありがとうございます!」と、改めて会場へ感謝の挨拶。そして、今回のイベントのセットリストや演出、台本の制作中、ミュージックレインにいつ怒られるかヒヤヒヤしていたが、事務所のスタッフからの協力や「おもしろい企画ですね」という声までもらえたこともあり、「開催してよかったです」とイベントを振り返った。
また、“ミュージックレインフェスティバル2022”自体は中止になってしまったものの、事務所のアーティストはすごい人たちばかりなので、それを伝えられるイベントにしたかったと、今回のイベントへの思いも改めて語っていた。さらにMCでは、先ほど披露した『Baby Baby Love』について、オーディション当時はMVを参考にダンス付きで披露し、その様子を戸松さんご本人にも見られていたと振り返った。
そのほか、これまでの活動を通じて、いまでは今回のような大きな会場でイベントを実施させてもらえるぐらい育ててくれた事務所に感謝しているとし、「ミュージックレインに墓を建てようと思っています」とも話していた。
その後は、2023年5月17日に発売となる7thシングル『ユエニ』の告知などが行われた後、「今年はアーティスト活動6周年となりますが、止まる気はありません! まずは発売を控えている『ユエニ』を楽しんでいただけたらうれしいです! その後は、せっかく声出しが解禁されたし、ライブがやりたいです! これからもがんばっていきますので、本日はありがとうございました! これからもよろしくお願いします!!」と、これからの意気込みが語られたところで、イベントは幕を閉じた。
“LAWSON presents 令和5年度 417の日”夜公演セットリスト(敬称略/歌唱はすべて夏川椎菜)
- HIGH POWERED(スフィア)
- クラクトリトルプライド(夏川椎菜)
- black hole(寿美菜子)
- プライド革命(CHiCO with HoneyWorks)
- オリオンとスパンコール(豊崎愛生)
- 月下儚美(月のテンペスト)
- MOON SIGNAL(スフィア)
- 月のなみだ(高垣彩陽)
- 月灯り(雨宮天)
- センパイ。(HoneyWorks meets TrySail)
- キョリ感(ハコニワリリィ)
- 君だけ(halca)
- 17歳(mona)
- Fanfare!!(麻倉もも)
- Baby Baby Love(戸松遥)
夏川椎菜7th Single「ユエニ」
前作「ササクレ」から約半年ぶりのリリースとなる7枚目シングル「ユエニ」の発売が決定! 表題曲には、シンガーソングライター・作詞作曲家草野華余子が作曲で参加! イベントやラジオ・夏川主催の対バンライブ“CONNECT LITTLE PARADE 2022”で共演するなど、かねてから親交のあるふたりだからこそ共有できる想いや熱を落とし込んだロックな楽曲に。カップリングは癖になるワードセンスに脱力感のあるボーカルがマッチした「だりむくり」を収録。いずれも作詞は夏川椎菜本人が担当している。
[収録曲]
1. ユエニ
作詞:夏川椎菜
作曲:草野華余子
編曲:eba、岸田(岸田教団&THE明星ロケッツ)
2. だりむくり
作詞:夏川椎菜
作曲・編曲:川口圭太
3. ユエニ(Instrumental)
4. だりむくり(Instrumental)
[DVD]※初回生産限定盤のみ
「ユエニ」Music Video
「ユエニ」TV SPOT15sec+30sec
Director:スミス
CreativeProducer:黒正憲司
YouTubeにて「ユエニ」MV(short ver.)公開中
2023年4月25日(火)0:00 「ユエニ」音源先行配信開始
夏川椎菜 『ユエニ』Music Video(short ver.)
1925円[税込]
CD+DVD
1397円[税込]
CD only