2023年5月2日にXbox Series X|SおよびPCで発売予定のオープンワールドFPS『Redfall』。サンフランシスコで行われたプレスイベントで本作のデモをプレイしてきたので、その内容を紹介しよう。
ヴァンパイアに支配された街・レッドフォール
本作の舞台となるのは、マサチューセッツ州の架空の町レッドフォール。企業の研究により誕生した強力なヴァンパイアたちが出現し、太陽を隠し、海や川が干上がらせてしまったことで町は周囲から孤立。ヴァンパイアの支配が完成してしまったレッドフォールで、プレイヤーは事態の打開をはかるためにさまざまなミッションに挑む。
今回プレイしたのは、レッドフォールを支配する上位ヴァンパイアのひとり“ホロウマン”のルーツを探るミッション。サイドミッションなどもプレイ可能だった。
第1村人(ヴァンパイア)との遭遇
さて本作は乗り物のないオープンワールドゲームだ。ホロウマンが人間“ピーター・アディソン”だった頃に住んでいたアディソン邸に向かわなければならないのだが、メイン拠点となる消防署からは結構遠い。
そこでひとまず経路上に近いサイドミッションがあるエリアに向かってみることに。消防署を出て川の対岸に行こうとすると、川は干上がっていて早速ヴァンパイアたちが溜まっている。そのうち一体を遠距離から撃ってみると、あっという間にすっ飛んできた!
ヴァンパイアの機動力の高さは本作で注意しなければいけない点だろう。人間の敵(ヴァンパイアを崇めるカルティスト)と異なり、ヴァンパイアは障害物を物ともせず飛行してくるし、振りかぶって飛んでくる近接攻撃は避けづらく、ガッツリ体力を削ってくるのでソロプレイだと油断ならない。
ヴァンパイアを倒すには基本的に3つの方法がある。まずは撃って体力を削り切ると心臓が光りだすので、接近してフィニッシュ攻撃を決めればオーケー。もうひとつは体力が低下した段階で信号弾などの炎上系の攻撃で焼くのもいい。
ラストは紫外線だ。デヴィンダーがアルティメット(ULT)スキルとして持つ紫外線照射装置以外にも通常武器として紫外線を放てるものがあり、照射し続けると硬化させられる。あとは近接攻撃で砕いてしまえばいい。
そんなこんなでどうにかこうにか倒して橋を渡って市街地に入ろうとしたのだが、今度は有害な“赤い霧”に行く手を阻まれる。しかしここはレイラのエレベータースキルでジャンプ台を作り出し、霧を飛び越えて安全なエリアに迂回することで回避。その先のセーフハウス(銃弾や回復の補給ができてファストトラベル先にもなる)もアンロックできた。
クリエイティブなアプローチを推奨する作り
戦闘や探索でさまざまなアプローチを取れるのは本作の特徴だ。開発のArkane Austinは『ディスオナード』や『Prey』といった、特殊スキルやアイテムを使ってクリエイティブなアプローチを推奨する作りのゲームを生み出してきた。その傾向は本作でも変わらない。今回はそれがオープンワールドかつ協力プレイ対応で拡張されることになる。
プレイアブルキャラは4名(プレゼンでの発言によるとプラス2名を開発中らしい)。それぞれ2種類のスキルとひとつのアルティメットスキルを持っている。スキルツリーによる強化もあり、性能変化なども可能だ。
ポイントとなるのは、それぞれ探索にも役立つスキルを持っていることだ。ハイジャンプを可能とするスキルで上階などから侵入したり、ステルスで警戒が厚い場所をすり抜けたり、テレポーター(転送装置)を窓などの隙間から通して入り込むといったことができる。
そうやって有利なポジションを取って接敵する状況を有利にして、さらに戦闘でも能力を活かせば難所も楽になる……というようなゲームなのだ。各キャラのスキルは以下の通り。
- ジェイコブ・ボイヤー
- 能力1: 前方にカラスの幽霊を飛ばし発見した敵をハイライトする
- 能力2: 光学迷彩で身体を一定時間透明にする
- ULT: スナイピング能力を強化し連続でヘッドショットを決める
- レイラ・エリソン
- 能力1: ジャンプ台として使えるエレベーターを召喚する
- 能力2: 盾として使える傘を召喚する
- ULT:ヴァンパイアの元カレを召喚して戦ってもらう
- デベンダー・クラウスリー
- 能力1: 電撃を放って周囲の敵をスタンさせる杭を突き刺す
- 能力2: テレポーターを投げた先に移動する
- ULT: 紫外線照射装置を設置し、周囲のヴァンパイアを硬化させる
- レミ・デラロサ
- 能力1: ロボット“ブリボン”に先行させて敵を陽動する
- 能力2: 壁や床に投げて貼り付けられるC4爆弾
- ※爆風を利用したジャンプも可能。ちなみにブリボンに貼り付けて突っ込ませるという使い方をしても大丈夫らしい
- ULT: 周囲を蘇生するエリアを展開する
観察とプランニングが重要
能力を活かしてクリエイティブなアプローチを取るという傾向はマップの作りにも反映されていて、サイドミッションで訪れた映画館で思い知らされた。
最初は正面から入っていったら早々に発見されてしまって盛大にドンパチするハメになったのだが、ミスった後の2回目のトライで周囲を見渡してみると、警戒網をすり抜ける方法が思いついたり、内部でも天井近くにダクトが通っているのが見つかったり。「コレ、こうやったらどうなの?」からの「……うわ、やっぱできるじゃん」というのが楽しい。1回目のトライでうかつに踏み込んだことを反省した。
というのも、特殊ヴァンパイアを倒したり警報を発動するタイプの敵(サーチライトのように警戒する“ウォッチャー”や、警報を鳴らすカルティストなど)にバレると、脅威メーターが上がっていく。
そしてこの脅威メーターがマックスになると、赤い稲妻とともに強力なヴァンパイアが襲ってくるのだ。まったく倒せない敵ではないので迎撃する気満々でいるのもアリかもしれないが、たまたま残弾やヘルスが辛い時に出現してしまうことだってあるので、そりゃ不用意に上げない方がいい。
ちなみに記者の場合は道中の試行錯誤で結構メーターを上げてしまい、ちょうど目的地のアディソン邸に入ろうと屋敷の外のウォッチャーを倒した所で発動してしまったので、なかなか大変だった。
先が気になるぜ!
アディソン邸では、調査の過程で過去世界のアディソン邸にワープしたりもする。幻影によって当時の様子を知ったり、オカルティックな演出が仕込まれていてなかなか楽しい。
というわけで短い時間ながら失敗も含めて結構楽しんだのだが、協力プレイだとどうなるのかとか、最初からプレイしたらどうなのかとかも気になるところ。
「最初からプレイしたらどうなのか」というのは、今回は用意されたセーブで途中からプレイする形で、道中で強武器を手に入れたら急に進みやすくなるという経験をしたことが関係している。
武器にレアなどのランクや性能値の違いがあるシステムなので当たり前っちゃあ当たり前なのだが、このあたりのバランスが最初からプレイした場合にどう感じられるのかが気になるのだ。もしかしたら自然ともっと賢いアプローチを取ることで対応するのかもしれないし、探索で装備獲得を優先するようになるのかもしれない。いずれにしても、まずは製品版がしっかり仕上がるのを期待したい。